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名曲探偵アマデウス#42 ボロディン「ダッタン人の踊り」 [ドラマ]

夏休みと言う言葉がピッタリで、6週続けて新作の放送が無いということになっていた「名曲探偵アマデウス」。7週ぶりの新作として放送されたのはボロディン「ダッタン人の踊り」でした。

今まで、3週連続で新作の放送がなかったということはあったが、一ヶ月以上も新作の放送が無かったというのは初めてです。しかも、6週の内、2週は再放送の方も完全にお休みでした...

久しぶりということになったが、内容の方は充実していて、色々と勉強にもなる内容があり、それでいて楽しい所は楽しく、今までの物語と特に大きく変わる様なことはなく、楽しませてくれる物でした。ネタの方はやや控えめだったが、幅広い知識を元にしているこの曲では、学ぶところが多いだけに、ネタの方に走りすぎてしまうと、それらが軽い物になってしまうことを考えると、良い方向である。また、この曲は色んな面を持っているので、カノンさんの豊かな表情のように色々と楽しめるのだが、カノンさんの百面相の方も控えめだったが、「学ぶこと」を中心にしたら、作りも上手いものとなっていましたね。

10年前に沈没した郵便船が発見されて、その中に手紙も沈んでいたという記事が新聞に載っている。それを見たカノンさんの反応として、ラブレターと請求書というのも面白い所でした。カノンさんは夢見る乙女という所もあるが、かなりのしっかり者であるという所も分かりますね。

そんな所に、今回の依頼人が登場です。10年間海に沈んでいた手紙が届き、それは父からのメッセージのカセットテープが届き、そこには父からのメッセージと、音楽が入っていた。で、所長に相談にやってきたのだった。曲はボロディンの「ダッタン人の踊り」で、彼は太平洋に浮かぶ孤島・海島(島の形が8分音符というのは面白いですね。)の寂れた旅館の2代目だった。

まずは、この曲についての解説であるが、「ダッタン人」というのは「タタール人」のことだというのは、分かりやすい解説でした。(番組では語られていないが、「ダッタン」というのは漢字で表記すると「韃靼」となり、これは「タタール」の音訳を意味していますから...)また、ロシアの国民的オペラ「イーゴリ公」の中の1曲で、特に人気の高い曲で、パリで演奏された時にロシア路ブームを起こしたように、絶大な人気を得た曲というのも、しっかりと語られていました。(更に、19世紀のロシアの歴史まで触れられていました。)→いつも以上に、曲の背景だけでも色んな事が詰まっています。

この曲は様々な顔を持った曲であるが、そこには様々な技法が用いられているのだが、以前にも説明のあったもの(「空虚5度」)が出てきたが、改めて説明してくれるのは本番組の親切なところです。(復習にも成增し、忘れていても思い出させてくれるので、実に勉強にもなります。)

使用している楽器についての説明では、イングリッシュホルンについての解説の所が分かりやすく、説明の「装飾音」の所は実に丁寧に説明されていて、とても分かりやすかったですね。

それ以外でも、実に幅広い事柄に関しての説明があった(いつも、色々と説明してくれるが、今回はいつも以上に幅広かったです。)ということもあって、今回は学を付けるという物語にもなっていました。曲が実に様々な面を持っているだけに、その曲と同様に(いつも以上に)様々に説明してくれたが、これでも一部の事柄についはも説明不足だと感じられたのだが、自体的な背景や地理的な事柄なので、それは自分で調べようと思います。

尚、監修の野本先生が、この曲の指揮をよくするということだったが、それだけこの曲を熟知しているということになるが、難しく語らずに分かりやすく、易しく説明してくれたので、実に分かりやすかったです。

今回のドラマ部分は35分強、曲の演奏は約8分、ラストのオチが1分弱という構成となっていました。初期の頃は音楽の所が10分ぐらいあったが、これが8分ぐらいというのは、2年目では標準的に時間でした。

ラストのオチの部分は、依頼人から手紙が届いたとカノンさんがやってくる。中身はカセットテープで、再生したところ、遊びに来て下さいということで招待されるものと思ったら、来年まで予約がいっぱいということで、代わりに「波の音をお楽しみ下さい」ということで、風の音と共に波の音が収録されていただけだった...→コミカル色の強い時だと、オチに不満があるが、今回は幅広い知識の修得が出来た物語という方が色濃かったので、この程度のオチの方が良かったですね。

ところで、依頼人の旅館が、断崖絶壁の海野側にあるということで、手塚治虫の「ブラックジャック」のBJの診療所もそんな場所にあったということを思い出したのだが、流石に今回の物語は「ブラックジャック」を意識していたことはないでしょうね。(一応、ボロディンは科学者であり医者でもあったので、「ブラックジャック」は完全に関係ないとは言えないだけに、意識していたのかも...???)

カノンさんは、豊かな表情を見せてくれているが、今回は控えめであったが、その分、知識の習得の方に気が回りました。

次回はファイルNo.043のホルストの「組曲『惑星』」ということで、新作の登場です。しかし、再来週の9/20はお休み(再放送ではなく、別番組が放送される。)となり、99/27はファイルNo.044のベートーベン「ピアノソナタ第8番 悲愴」と続きます。また、BS-2の方も、6週間お休みだったが、9/11の朝から再開となって、今回のボロディン「ダッタン人の踊り」が放送されます。しかし、今回の物語の地上波での放送はまだかなり先のようです。(早くても10月になってからとなります。)

 

だったん人の踊り~アンセルメ/ロシア音楽コンサート

だったん人の踊り~アンセルメ/ロシア音楽コンサート

  • アーティスト: アンセルメ(エルネスト),ボロディン,リムスキー=コルサコフ,グリンカ,リャードフ,グラズノフ,スイス・ロマンド管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2001/04/25
  • メディア: CD

ボロディン作品集

ボロディン作品集

  • アーティスト: ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,ボロディン,アシュケナージ(ウラジミール),マルティノン(ジャン),アンセルメ(エルネスト),ロンドン交響楽団,スイス・ロマンド管弦楽団,ボロディン四重奏団,ギャウロフ(ツラティーナ)
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1998/06/17
  • メディア: CD

ボロディン:交響曲第2番

ボロディン:交響曲第2番

  • アーティスト: エーテボリ交響楽団,ボロディン,ヤルビ(ネーメ),チェレプニン
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1995/09/01
  • メディア: CD

R.コルサコフ:シェエラザード&ボロディン:ダッタン人の踊り

R.コルサコフ:シェエラザード&ボロディン:ダッタン人の踊り

  • アーティスト: リムスキー=コルサコフ,オーマンディ(ユージン),フィラデルフィア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2009/09/30
  • メディア: CD

ストラヴィンスキー:春の祭典、ボロディン:だったん人の踊り

  • アーティスト: ストラヴィンスキー,ボロディン,ナザレス(ダニエル),ロンドン交響楽団,スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団,クラフト(ロバート)
  • 出版社/メーカー: エイベックス・クラシックス
  • 発売日: 2007/12/05
  • メディア: CD

ムーミンの旅するクラシック 2.ロシアの旅

ムーミンの旅するクラシック 2.ロシアの旅

  • アーティスト: ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団,レーゼル(ペーター),ソフィア交響楽団,舘野泉,クレムリン室内管弦楽団,プラハ弦楽四重奏団,チェコスロヴァキア放送ブラティスラヴァ交響楽団,ブダペスト交響楽団,澤和樹,角聖子
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: CD


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