PAUL SIMON『PAUL SIMON』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1972年に発表された彼のソロ・デビュー・アルバムである。(ソロ・アルバムは、イギリスのみで1965年にリリースされた「THE PAUL SIMON SONGBOOK」があるので、形の上では2nd.アルバムになる。但し、「幻の1st.アルバム」と言われていて、アメリカでは2004年になってようやくリリースされている。)言うまでもなく、彼はSIMON & GARFUNKELの一人であり、解散後、ソロ・シンガーとして再出発となったアルバムである。が、S & Gでのネーム・バリューもあり、大ヒットを記録した。(Billboardでは最高位4位、1972年の年間アルバム・チャートでは32位にランクイン、イギリスとノルウェーでは1位を獲得している。)が、S & Gのサウンドの延長戦にあるものを期待されたが、蓋を開けると度肝を抜かれるサウンドを聴かせてくれた。
収録曲は全11曲であったが、2004年に再発された時に、後ろの3曲がボーナス・トラックとして追加されて、現在では全14曲となっている。収録曲は以下の通りである。『Mother And Child Reunion』『Duncan』『Everything Put Together Falls Apart』『Run That Body Down』『Armistice Day』『Me And Julio Down By The Schoolyard』『Peace Like A River』『Papa Hobo』『Hobo's Blues』『Paranoia Blues』『Congratulations』『Me And Julio Down By The Schoolyard (demo)』『Duncan (Demo)』『Paranoia Blues (Unreleased Version)』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。1st.シングルの『Mother And Child Reunion』がいきなりの大ヒットとなり、Billboardでは最高位4位、1972年の年間シングル・チャートでは58位にランクイン、イギリスでは最高位5位を記録したのをはじめ、各国でTOP 10内に入るヒットを記録している。続く『Me And Julio Down By The Schoolyard』もイギリスでは最高位15位、アメリカでもBillboardで最高位22位を記録している。3rd.シングルの『Duncan』はBillboardで最高位58位を記録している。
本アルバムからのお薦め曲は、やはり『Mother And Child Reunion』が筆頭である。そしてシングル・カットされている『Me And Julio Down By The Schoolyard』『Duncan』、それ以外からは『Everything Put Together Falls Apart』『Peace Like A River』『Paranoia Blues』という所をピックアップしておく。
サウンドの方は、基本的にはシンプルなフォーク調であるが、それだけに留まらず、1st.シングルの『Mother And Child Reunion』は、今でこそ誰もが取り入れているレゲエを白人アーティストとしては最初に取り入れた曲として知られているようになるというような大胆な事を行っている。元々彼はアーティストという一面が強かったが、ソロになって、自分のやりたいサウンドの大海原に出航したということになって、活き活きした姿がここにある。'70'sの名盤の一つとして利いておきたいアルバムの一枚である。
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