名曲探偵アマデウス#44 ベートーベン「ピアノソナタ第8番 悲愴」 [ドラマ]
ゲストが金剛地武志さんということで、あのコンビが復活ということになった今回の物語。取り上げられた曲はベートーベンの「ピアノソナタ第8番 悲愴」でした。ということなので、色々としゃべくりを聴かせてくれるのでは?と思っていたら、金剛地さんは「声が出なくなった」というDJということで、実に考えるものですね。→得意のエアギターということから「エアDJ」とでも行ったらいいのでしょうかね?
冒頭は、いつものように新聞を読んでいる所長に対して、カノンさんは(幸せそうな顔をして)チーズケーキを食べている。ということで、大食いの泪ちゃんをいきなり連想させてくれます。しかも、ここで食べているのがラストのオチにしっかりと繋がっているのだから、上手い作りとなっています。
ドアを激しく叩く音がして、カノンさんが出ると、金剛地登場。いきなりスケッチブックを開いて、そこに書いてある文字で事情を語る。(カノンさんがしっかりと声を出して読んでくれるが、泪ちゃんと同じですね。)で、ラジオDJのハートフル泉だと分かると、所長がミーハーぶりを見せる。カノンさんの手前、何とか取り繕うが、いつもとは違う所長の姿というのも楽しい所です。で、事情を尋ねると「声が出なく」なってしまいました」これにカノンさんは「お医者さんとかに行った方が...」と返したのは楽しい所です。が、原因がベートーベンの「悲愴」ということで、所長は引き受けた。
ハートフル泉に対してやけに詳しい所長ということで、カノンさんのツッコミも楽しい所です。で、声が出なくなった事情については半・再現ドラマという形で再現されるが、ここで用いられている演出方法は「ケータイ刑事」での再現劇でお馴染みの手法を使っていたということで、やってくれますね。で、ハートフル泉はそこでミスをしたことが原因で声が出なくなった。カノンさんは「リスナーさんの名前、間違えていましたよ」と、しっかりと聴いていました。これに所長が「曲も間違えていたのかもしれません」ということで、ダブルで突き落とされるハートフル泉。形が少し違うが、「ケータイ刑事」のパターンを踏襲しているのは楽しい所です。で、カノンさんはストレートにそれを口する。所長が「言いすぎだろう」と言うと「ごめんなさい」と素直に謝るカノンさんというのも、やっぱり銭形と重なります。
曲についての説明は、第1楽章の説明から始まって、第2楽章、第3楽章と、一通りの説明が行われたが、その中で、第2楽章の所では、BILLY JOELの『This Night』とJOSEPH McMANNERSの『Music On The Angels』が歌詞を付けて歌っているということをしっかりと語っていたが、男女それぞれを持ってくるのは上手いところです。)また、この時、BILLYの所ではこれが収録されてアルバム「AN INNOCENT MAN」のLPに針を落として再生しているというのは、凝った演出でした。(JOSEPHの方では、映像的にはCDジャケットが映し出されただけでしたし..)のは、やってくれました。→筆者にしたら、やっぱりBILLY JOELの方ですね。しかも、そのアルバムは、BILLY JOELが人が変わったように明るくなり、楽しい曲を聴かせているだけに、『This Night』の綺麗なメロディラインが一段と美しく感じられるのですよね。
カノンさんの一言から気持ちを歌ってみようということで、気持ちを歌うハートフル泉は、これで声を取り戻した。ということで、今回の所長は医者にもなっていました。→「高村さんの一言から泪ちゃんが謎を解いて事件を解決した」というパターンを「カノンさんの一言から所長の対処によって依頼者の(1つの)問題を解決した」というのに上手く置き換えられています。
最終的には、情熱を取り戻させて、ハートフル泉を立ち直らせた所長。今回は人生相談という所と医者という役割も果たしていて、名曲探偵というのが副業のように思えました。
今回のドラマ部分は33分強、曲の演奏は9分強、ラストのオチが1分半弱という構成でした。特に曲の所は5分強でFOされて終わった第1楽章と、4分強の第2楽章の演奏がありました。特に第2楽章の方では、主題の所で『This Night』の歌詞を思い出しました。
ラストのオチの部分は、チーズケーキを食べているカノンさん。泉の復帰するラジオ番組が始まるということでラジオのスイッチをいれて所長と一緒に聴く。が、泉は「パッション泉」と改名していて、番組が始まる。最初のお便りと言うことで「大都会の片隅の探偵Xさん」からのお便りを紹介する。そこで「使えないアシスタントの女の子は甘いものが大好きで、なんと私の貴重なレコードコレクションを内緒で質屋に持っていき、そのお金で毎日チーズケーキを食べています。クビにしたいのですが、どんな言葉で切り出せばよいのでしょうか教えて下さい」これを聴いたカノンさんは怒ってラジオを切り、「これ、所長ですよね」と文句を言う。「世の中には似たような事務所があるもんだね...」と惚ける所長だったが、「そんな訳ないでしょう」とカノンさん。でも、何だかんだで所長とカノンさんは良いコンビです。→給料もしっかりと支払われていないようですから、カノンさんにしたら、給料代わりということなんですかね... それにしても「食べる」ことにもっていったということで、「食欲はモンスタークラス」と高村さんに言わせた泪ちゃんを意識していましたね。
今回は、ゲストがゲストであるだけに、色々とネタを期待したが、ストレートにそれらのネタを出すのではなく、全て少しずつ捻った形で出していたのは上手いところでした。(NHKなので、ストレートにだすのはやっぱり無理なのですかね...?)それにしても、泪ちゃんと高村さんという黄金コンビに柴田太郎さんという図式を、所長とカノンさんにハートフル泉に置き換えて、ノリは同じようなところがあったのは楽しい所でした。(所長もカノンさんのことを随分とボロクソに言っていたが、泪ちゃんも高村さんのことをボロクソに言っていましたからね...)
こうなると、草刈正雄さんや山下真司さん、佐藤二朗さん、宝積有香さんという顔ぶれもゲストとして登場して貰いたいですね。(更に欲を言うと、愛お姉ちゃまこと宮崎あおいさんにも登場して貰いたいです。→これは愛・泪の共演ということになりますから...)
次回、来週・10/4はファイルNo.045のヴィヴァルディ「バイオリン協奏曲集<四季> 秋・冬編」です。ファイルNo.031の続編で、サブタイトルも「愛と葛藤の喫茶店 シーズン2」となっていますし、田畑智子さんの再登場です。また、志岐春子、夏子には秋子と冬子という妹がいたということになるが、やはり四姉妹ということになると、銭形四姉妹のことを意識しているように思ってしまいます。その後の放送予定は、10/11はオペラ放送のためにお休み、10/18はファイルNo.046・ショパンの「練習曲集」、10/25はファイルNo.047・リストの「「巡礼の年・第3年」から『エステ荘の噴水』」と続きます。(10月の新作は3本ということになり、やはり半年で15本ペースが続くようですね。)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」、第14番「月光」、第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」
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ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」&第14番「月光」&第23番「熱情」
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