「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その124) [ケータイ刑事]
今回は「ある物」と「シチュエーション」の双方を絡めることにして、テーマは「浴槽」と「感電」です。(早い話、「お風呂での感電死」ということです。)取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「泪・2nd.20話」、「007」からは「ゴールドフィンガー」です。
「ケータイ刑事」:「泪・2nd.20話」。「赤坂の中心で、愛を叫ぶ! ~時効直前!赤坂超美人ホステス殺人事件」という物語。ゲストが登場せずに、レギュラー・キャストの3人だけが登場するという物語である。(一応、15年前の事件の被害者と容疑者は、スタッフの写真が使われている。)→登場人物が少なくても、アイデア一つで何とでもなる、というお手本のような物語である。
時効まであと30分という所で、その事件を解こうとする泪ちゃん。で、容疑者の一人である古川は、15年前の事件の2日後に別件で逮捕されていたが、それが死体遺棄だった。古川の部屋の風呂で、行定ヘンリーが、ドライヤーを落としてしまって、感電死し、その遺体を捨てたのだった。が、これは事故ということで処理された。で、時効直前の事件の方ではアリバイが成立したこともあって、それ以上の追求はなく、事件の方は手掛かりを失って時効目前という所まで来ていた。
結局、泪ちゃんが当時の資料からおかしいところを発見し、推理をしていき、時効目前というところで古川が真犯人だという結論を得た。また、行定ヘンリーは感電死であったが、浴槽にドライヤーを落として感電死したのではなく、雨の中でエレキギターの演奏をしていて、感電死したということが判明、その証拠となるギターから、行定ヘンリーの指紋も検出された。つまり、浴槽での感電死というのは古川のでっちあげだった。
尚、時効まであと30分というところから推理を始めた泪ちゃんだったが、古川は、15年前の事件の後、プロのミュージシャンになっていて、外国でも演奏をしていたということから、時効は伸びるということで、時効は成立とはなりませんでした。また、現在では殺人罪の時効は25年と延長されているが、この物語は2004年の作品であり、15年前の事件というのは1989年であり、時効は15年であった。
「007」:「ゴールドフィンガー」。1964年のシリーズ第3作であり、ボンドカーが登場して人気を集めることになった作品である。前作でも秘密兵器は登場したが、本作からは秘密兵器も派手なものになり、シリーズの看板の一つになっていくことになった作品である。
冒頭で、ボンドはある任務を受けて、ある場所の爆破工作を行う。で、時限爆弾をセットして、爆発の時刻を酒場で迎えた。仕掛けたように爆弾が爆発して、任務は完了となって、ホテルに戻った。すると、そこには女がいた。風呂に誘う女を抱くボンドだったが、女の瞳に、ボンドの背後から男が襲ってくる姿が映り、ボンドは女を襲ってくる男の方に突き飛ばし、それから戦いが始まる。(幸にも、銃は手にしていなかったため、喧嘩ファイトとなる。)
何だかんだで、ボンドは湯が張ってある浴槽の中に男を突き飛ばし、側にあった電球のスタンドを手にして、灯りが点いている電球を割って浴槽の中にそれを突っ込んだ。で、男は浴槽の中で感電して死に、ボンドは事なきを得た。
ここでは、バスルームでのバトルとなり、狭い中で争うボンドと刺客の男の戦いが展開される。が、戦いの中でも冷静なボンドのとっさの判断で刺客を倒すというのは、流石は殺しのライセンスを持っている超一流のスパイである。(そもそも、女を抱こうとするが、その女の瞳に背後から襲ってくる刺客を見つけるというのも凡人にはできることではありませんから...)
共通点は、感電死ということを浴槽の中で起こしているという所である。(浴槽、つまり風呂場でなくても感電死という状況はいくらでもありえるが、「浴槽」を選んでいる発想が共通している。→「ケータイ刑事」では、舞台上で感電死させる、という事件が「銭形泪」の他の物語でありますし、「007」でも今回取り上げた「ゴールドフィンガー」の中で、フォートノックスの金保管庫のなかで、鉄格子と電線を利用しての感電死があります。)但し、今回の「ケータイ刑事」の物語では、真犯人が殺人を隠すための嘘の証言であった。しかし、「浴槽での感電死」という発想は「007」と同じものである。
違いは、「ケータイ刑事」の方は、真犯人のでっち上げであって、実際は浴槽の中では感電死していないが、「007」では刺客が浴槽で感電死しているというところである。
※風呂場で電気製品を使用する場合は十分に注意しましょう。どうしても電気製品を使用するというのであれば、AC電源を使うものでは無く、乾電池式、または充電池式の電気製品に留めておきましょう。(電池式の電圧であれば、感電死すると言うことはまずありえませんから...)また、ドライヤーは浴室内ではなく、浴槽から外に出て、浴室の外(脱衣室)で使いましょう。
次回も「ある物」をテーマに記す予定です。何が登場するかはお楽しみに。
ゴールドフィンガー (アルティメット・エディション) [DVD]
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↓「銭形泪」の、舞台上での感電死というのはこちらに収録されています。
↓参考まで
電線のスズメはなぜ感電しない―電気&絶縁の初歩の初歩 (ブルーバックス)
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- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/12
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