「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その132) [ケータイ刑事]
この連載も11クール目に突入となりました。で、7代目ケータイ刑事の「銭形命」について、解禁することにします。(DVD-BOXの方も、あと2週間で発売です。)ということで、今回からしばらくの間は、「ケータイ刑事」からは「銭形命」を取り上げることにして、いつものように記していくことにします。
今回のテーマは「飼い犬」です。当然のことながら、動物の犬(Dog)です。(「飼い犬」と言うと、悪者が自分の身を守るために雇っている用心棒で、野望に邪魔となる者たちを始末する殺し屋(=部下)のことも「飼い犬」と言うことがあるが、この「飼い犬」は犬ではなく人のことなので、一応、断っておきます。)で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「命・7話」、「007」からは「ムーンレイカー」です。
「ケータイ刑事」:「命・7話」。「犬は知っていた! ~『バスカヴィル家の犬』殺人事件」という物語である。尚、「バスカヴィル家の犬」というのは言うまでもなく、コナン・ドイルの小説・シャーロック・ホームズの一編である。(「ケータイ刑事」でのホームズ・ネタは3度目ということになりました。(過去の2本は「赤毛同盟」「まだらの紐」です。))
シャーロキアンとして有名な作家・篠崎が殺されたということで、現場となった彼の自宅に向かった命ちゃんと松山さん。篠崎の家ではバスカヴィルという名前の犬が飼育されていた。(シャーロキアンらしい所である。世話をしているのは家政婦の佳代子である。)そして篠崎がオークションで落札したシャーロック・ホームズのパイプが消えていた。事件の手掛かりが無く、松山さんは(犬の)バスカヴィルに事情を聴こうと言っていたぐらいだったが、命ちゃんはバスカヴィルの犬小屋の中に、そのパイプが隠されていたのを発見した。
関係者に事情を聴き、バスカヴィルはいつも庭で飼われているのだが、昨夜はたまたま檻が壊れていたために、仕方なく家の中に入れておいた。今朝、佳代子は篠崎からある本を買ってきて欲しいと頼まれ、それを買いに行くために外出し、帰ってきたら篠崎が殺されていて、側にバスカヴィルがいたということだった。(佳代子はバスカヴィルの犬小屋用の檻も買ってきたため、本を買いに行っただけよりも戻って来るのが遅くなった。)そんな所に被害者の弟が現れた。兄が死んだと知って駆けつけてきたのだった。
手掛かりが無く、捜査は息詰まる中、被害者の兄弟が不仲ということを知った命ちゃんは、被害者の弟が怪しいと睨んだが、証拠がなく、バスカヴィルを「目撃者」と言って被害者の弟に合わせることにした。
しかし、犬は話すことが出来ないので、弟は「犬が目撃者」ということを笑っていた。しかし、バスカヴィルを見て「確かにコイツは、あの部屋で犯人見てるな」と口にした。つまり、バスカヴィルが現場(=家の中)にいたことを知っていたのだった。普段はバスカヴィルは家の中にはおらず、事件のあった今朝だけ、たまたま家の中にいたバスカヴィル。ということは、今朝、事件が起こった時に現場にいないと分からないことを知っていたということで、この証言によって、弟は佳代子がお使いに出たのと入れ違いにやってきてことを証明することになってしまった。そして兄と言い争いになって殺したことを認めた。
犬が現場にいたと証言した事が、自分が事件現場にいたことを証明することになり、結果的に、犬によって犯行が証明されることになり、御用となり、命ちゃんは事件を解決した。
尚、コナン・ドイルの小説「バスカヴィル家の犬」については、劇中で簡単に内容が述べられていたが、この事件の展開は「バスカヴィル家の犬」とは特に関係ありません。
「007」:「ムーンレイカー」。1979年のシリーズ第11作で、3代目ボンドの第4作である。ボンドはスペースシャトルに乗って宇宙にまで飛びだした作品であり、シリーズの中でも最もSF色の濃い作品である。(「スター・ウォーズ」の大ヒットで、映画界はSF映画のブームという時期でもありましたからね...)
大富豪のドラックスの屋敷までボンドを案内したのは、ドラックスに雇われていた美貌のフランス人女性パイロットのコリン・デュフォーだった。彼女はボンドを送り届け、屋敷の中を案内したが、その時にはボンドに惹かれていた。その夜。ボンドは屋敷の中にあるドラックスの会社の重要書類を捜していたが、それをコリンに見られてしまう。しかし彼女は声を出すこともなく、ボンドに協力をした。更に、ボンドと一夜のベッドを共にして、ドラックスの秘密をボンドに語った。これによって、ボンドは、ドラックスが事件の黒幕として、大いなる野望に向けて動いていることを知ることになった。
また、ドラックスの用心棒であるチャーはコリンとボンドの関係に気づいていて、それをドラックスに報告していた。で、翌日、コリンはドラックスに呼ばれて解雇され、追い出される。が、ドラックスは飼っているドーベルマンを放った。森の中を逃げるコリンだったが、ドーベルマンが迫ってくる。そしてコリンはドーベルマンに襲われて殺されてしまった。
尚、ボンドは、ドラックスによって狩りに誘われていた(一応、ボンドを狙うように刺客が投入されていたが、ボンドはそれを見破っていて、獲物を撃つ振りをしてその刺客を撃って仕留めていた。)ため、コリンを助けに行くことすら出来ず、ボンドの知らないところでコリンは殺された。
共通点は、犬によってとどめを刺されたという所である。(「ケータイ刑事」では犯行の証拠としてとどめを刺されることになり、真犯人は逮捕されることになっただけで、犬は人殺しを行っていない。一方、「007」では犬に襲われて命を落とすことになったので、生死のとどめを刺された。)また、登場した犬は、飼い主には従順であり、飼い主の指示に従っていたという所も共通している。(飼い主に従順というのは、飼い犬ということでは良い犬ということになりますね。)
違いは、「ケータイ刑事」では、犬は人を殺しておらず、たまたま犯行現場にいたということで、真犯人の存在証明となって犯人逮捕に繋がることになっただけであるが、「007」では主人の命令だったとはいうものの、狩りで獲物を襲うようにしてコリンを追っていき、そして殺している。つまり、「ケータイ刑事」では犯人(「犯犬」と言った方が良いですね。)では無いが、「007」では犯人(「犯犬」)だったというところである。尚、犬の種類が違っているというのは「相違点」であるが、「飼い犬」ということでは犬の種類までは問わないので、取り立てて「相違点」ということにはしないことにする。
次回も「ケータイ刑事」からは「銭形命」を取り上げて、「007」シリーズとる類似点について述べることにします。何が登場するのかはお楽しみに。
ムーンレイカー (アルティメット・エディション) [DVD]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- メディア: DVD
↓一応これも拾っておきます。
バスカヴィル家の犬―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
- 作者: アーサー・コナン ドイル
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
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