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「NOSFERATU: EINE SYMPHONIE DES GRAUENS」 [映画(洋画)]

表題の作品は1922年のドイツ映画(当然、サイレント映画である。)の「吸血鬼ノスフェラトゥ」である。言うまでもなく、B・ストーカー原作の吸血鬼が登場する映画であり、吸血鬼映画の古典中の古典として知られている作品である。(何せ、当時はまだトーキー映画は無く、サイレント映画の時代である。日本はまだ大正時代である。)製作された当時がどういう時代であったかを考えるだけでも、実に凄い作品となっている。

とは言っても本作は、モンスターが登場する吸血鬼映画として恐怖を感じるホラー作品ではなく、映像表現で恐怖を演出した芸術的な描写の作品である。よって、最近のホラー映画の感覚でいると肩すかしを食らうことになる。しかし、「恐怖」を描くには、こういう方法もあるということにもなるでしょうね。尚、本作は1978年に「ノスフェラトゥ」としてリメイクされている。

作品データを記しておくと、時間は劇場公開時は93分であるが、現存しているソフトは62分になっている。原作はブラム・ストーカー、監督はF・W・ムルナウ、脚本はヘンリック・ガレーン、撮影はギュンター・クランフとフリッツ・アルノ・ヴァグナーである。そして出演は、マックス・シュレック、アレクサンダー・グラナック、グスタフ・フォン・ワンゲンハイム、グレタ・シュレーダー、たちである。

ブレーメンの町に吸血鬼ノスフェラトゥがやってくる。それ以後、町にはペストが流行し、壮烈の絶えない日はなくなる。ペストの原因は伯爵が連れて来た鼠であり、その根上が菌をばらまいていたのだった。この事実を知った美女ニーナは吸血鬼を退治しようとして、和上を犠牲にして戦いを挑んでいくが...

サイレント映画であるため、テンポ良くということには行かないが、それを映像表現で見事に補っている。また、そういうことにはカラーではなくて白黒という所が効果的であり、光と影の描写を上手く使った演出は芸術的なセンスを感じるところである。で、その巧みな映像表現が結果的に恐怖を描いている。

本作は映像表現にはこういうものがあるということを知る教科書の様なものでもあり、こういう恐怖映画も可能であるということを教えてくれている。映画表現の勉強のために、また、芸術的な映像美を楽しむということでも見ることをお薦めしたい古典の名作である。(但し、近年のど派手なホラー映画を見るようなつもりでいるのなら、見ない方がましである。)

 

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