SUPERTRAMP『FAMOUS LAST WORDS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼らの7枚目のスタジオ・アルバムである。前作から3年半ぶりとなる本アルバムは、前作(「BREAKFAST IN AMERICA」)が全米No.1の座を獲得し、シングル『The Logical Song』が全米TOP 10入りする大ヒットになったのをはじめ、3曲のシングルが全米TOP 20以内に入る大ヒットを記録し、押しも押されぬメジャー・バンドとなったアルバムであり、それに続く待望のアルバムと言うことになった。(が、大ヒット・アルバムの次作ということで、製作にはかなり苦労したアルバムということになったのは言うまでもない。→結果的には、本作はオリジナル・メンバーでの最後のアルバムになった。)やはり、前作の大ヒットということもあって、Billboardのアルバム・チャートで最高位5位を記録する大ヒットとなった。また、1983年のBillboard年間アルバム・チャートでは54位にランクインしている。
収録曲は以下の全9曲である。『Crazy』『Put On Your Old Brown Shoes』『It's Raining Again』『Bonnie』『Know Who You Are』『My Kind Of Lady』『C'est Le Bon』『Waiting So Long』『Don't Leave Me Now』。
この中からは『It's Raining Again』がbILLBOARDで最高位11位、『My Kind Of Lady』が最高位31位を記録するヒットとなった。(但し、年間シングル・チャートのTOP 100には、いずれもがランクインしていない。)
本アルバムからのお薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『It's Raining Again』と『My Kind Of Lady』、そしてアルバムの冒頭を飾る『Crazy』と締めとなる『Don't Leave Me Now』をピックアップしておく。
元々彼らはプログレ系の影響の強いバンドであったが、今一つヒットし無かったことから、プログレ色を弱めていき、ポップで聴きやすいサウンドに変化していった。そして前作の大ヒットでポップなサウンドが求められ、本アルバムが誕生することになる。確かに全体的には聴きやすいサウンドのアルバムとして纏まっているのだが、前作のヒットによる期待が大きくなったことには十分だったとは言えないものになってしまったのは残念なところであった。確かに、メロディ・ラインの美しさやコーラスワークは良いのだが、ある程度の売れ筋に沿ったものであるため、今一つ彼ららしい輝きが足りていない。言い換えると、「商業ロック」ということである程度売れるサウンドが求められることになり、これが彼らの持ち味を十二分に発揮させなくなってしまったと言って良い。→「商業ロック」には確かに良い点もあるが、本アルバムは「商業ロック」の悪い目が出てしまったといってよい。
とは言っても、大ヒット・アルバムの次のアルバムということでは、聴いておきたいアルバムの一つであり、聴きやすさでは'80'sらしいサウンドのアルバムである。
コメント 0