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「NADIE HABLARA NOSOTRAS CUANDO HAYAMOS MUETRO」 [映画(洋画)]

表題の作品は1995年のスペイン映画「死んでしまったら私のことなんか誰も話さない」である。英語でのタイトルは「NOBODY WILL SPEAL OF US WHEN WE'RE DEAD」日本では殆ど知られていないが、いくつかの国際映画祭で賞を受賞している本作は、スペイン映画界の大ベテラン女優・ピラル・バルデムやアルゼンチン出身の名優・フェデリコ・ルッピが出演しているという作品である。また、主演のヴィクトリア・アブリルの演技も良く、人として変わっていく様子を見事に演じきっている。邦題からは、社会風刺の効いたブラックな作品ということを連想させるが、自我に目覚めた女性のたくましい生き様を描いた人間ドラマである。(バイオレンス描写もなかなかのものである。)

作品データを記しておくと、時間は104分、監督と脚本はアグスティン・ディアス・ヤネス、撮影はパコ・フェメニア、音楽はベルナルド・ボネッツィである。そして出演は、ヴィクトリア・アブリル、フェデリコ・ルッピ、ピラル・バルデム、ダニエル・ギメネズ・カショ、アナ・オフェリア・ムルジア、ギレルモ・ギル、マルタ・オーラー、たちである。

闘牛士の夫を持つグロリアは元売春婦。夫は闘牛の際に受けた怪我によって3年前から植物状態だった。ある日、グロリアの目の前で、相手押していた2人の男客が射殺された。その2人は囮捜査をしていた刑事であり、組織の麻薬処理に関する資料を持っていたが、死に際にグロリアに託した。金銭的に苦しい生活をしていたグロリアは、その資料に記されている組織のお金を横取りすることを考えた。が、組織の方も黙っておらず、資料の奪還とグロリアを消そうとして殺し屋を差し向けた。グロリアは組織が経営する毛皮店に強盗に入り、行動を開始するが、殺し屋がグロリアを追いつめていき、遂に捕らえられてしまう。が、そんな所に、組織のボスの一人娘が死んだという知らせが入る。ボスは神父を呼び止めて話をすると、自殺してしまった。ということで難を逃れたグロリアだったが、家に戻ると姑・マリアが「一人で生きていけ」と言う言葉を残し、息子と共に自殺してしまった。グロリアは姑の言葉に従って、勉強をし直して一人で生きていく決心をして、新たな道に進んでいった。

物語の展開の点では、ちょっと都合が良すぎると感じてしまう所もあるのだが、腹を決めた女の強く生きていこうという姿はなかなか迫力がある。物語のスタート時では、強さなどは全く感じられないヒロインであるが、死線を越えていくことで変わっていき、その変貌ぶりは凄い所がある。また、バイオレンス描写もなかなかのものである。

スペイン映画ということで、日本では珍しい作品ということになるが、キャストの点でも世界的に知られた顔ぶれを集めているだけに、人間ドラマとしても重みのあるものとなっている。見る機会があれば見ておくことをお薦めする作品の一つである。

 

↓本作のソフトが見つからないので、アグスティン・ディアス・ヤネス監督の他の作品を拾っておきます。

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↓主演のヴィクトリア・アブリル出演の他の作品も拾っておきます。
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