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あり得ない!#1「父さんの殺人」 [ドラマ]

MBSの深夜ドラマの新作は、舞台「あり得ない!」のTV化ということで、またまた怪作の登場です。(「古代少女ドグちゃん」と同様に、まずはMBSだけの放送です。)

「あり得ない」という事件をテーマとしたシチュエーション・コメディであるのだが、ドラマや映画の多くはノンフィクションではなくてフィクションであるだけに、「あり得ない!」という作品は当たり前なはずなのでは?という突っ込みをしたくなってしまいます。(特に、ヒーロー作品は「あり得ない」ですね。)

が、「古代少女ドグちゃん」の派手でパワフルな作品とは違って、派手な所はないものの、違った面白さのある作品ですね。(「ドグちゃん」を「ケータイ刑事」に準えると、本作は「恋する日曜日」に準えたら分かりやすいでしょう。→BS-i(BS-TBS)の丹羽P作品を彷彿させる所があるだけに...また、第1話の主演が佐野史郎だったことから、キャスト的には「恋日・文學の唄」を思い出させてくれますね。)

ただ、物語に派手なところがないだけに、この点が吉と出るか凶と出るかですね。第1話を見た所では、ストーリーテラーは不必要に感じました。また、途中で地震速報が出たのが残念でした。(これは仕方ないとはいうものの、完全デジタル放送化されたら、このようなテロップは出し方を工夫して貰いたい所である。→映像にテロップを重畳させず、データ領域に緊急情報として文字データを加え、受信機の方でそれを映像に重畳させて表示するようにすれば、録画される映像には重ならなくなる。→ソフトの改良で対応可能であり、既に発売されている受信機でも自動ファームウェアりアップデートで対応可能である。よって、実現して貰いたいのだが...)

第1話の物語は「父さんの殺人」という物語。大島吾郎がサナエに感謝の言葉と別れの言葉を告げていた。そこに業者の担当者がやってきた。サナエは吾郎の亡くなった妻にそっくりのリアルドールであり、細かい所まで全てサナエと同じに作られた240万円(「正確には239万4000円、消費税込み」と言っていた所が笑える所でもある。)もするものだった。吾郎は、娘・明日香が夫との間で冷却期間を置くために実家に戻って来て一緒に暮らすことになったため、サナエを引き取って貰いたいということだった。

で、引き取りのために梱包するのに紐とガムテープを用意するが、足りないということで、吾郎と業者はそれを買いに近くのホームセンターに向かった。

吾郎たちが外出している間に娘・明日香夫婦がやってきた。明日香が布が掛けられているサナエに気づき、声を掛けるが反応無し。触ってみると冷たかったことから、明日香はそれを「死体」と思って慌てる。そんな所に、妹・彩もやってくる。3人は父が殺してしまい、このままでは自分たちの将来も危ないと思い、父に代わって死体の処分をしようということになる。

そこに吾郎が帰ってきた。業者の綾小路みどりと一緒だったことから、明日香は、父・吾郎は痴情のもつれから殺人を犯したと思う。が、それは死体ではなくてリアルドールということが分かる。吾郎は妻に先立たれてから、寂しさのためにリアルドールと暮らしていたのだった。

が、今度は明日香の携帯に着信があって、電話に出る明日香。それは明日香の不倫相手の男からで、今度はそれが夫にばれてしまうことになった。明日香は逆に夫が女物のアクセサリーや服を黙って買っていることで、浮気しているものと思って責める。が、夫は浮気を否定する。で、自分が女装趣味があることを告白した。明日香はそれを見て「あり得ない!」と叫んで飛び出して行ってしまった。

結局、吾郎はサナエと一緒の暮らしを続けることにした。

ちょっとした誤解から始まり、登場人物の隠していた秘密が明らかになっていくというパターンは良くある物語である。他人に走られたくないという人形愛撫、女装趣味ということを隠そうとすることが、浮気、殺人、という誤解を生み、事実が明らかになっていく過程のテンポが良いために、これが速射砲のような面白さの連発となる。派手さは無いが、心地よいテンポで進んで行くことが面白さに繋がっていましたね。

ただ、細かい所では粗というものが感じられた。リアルドールのサナエであるが、前半の部分で何度か瞬きをしているのだが、後半は瞬きをしていない。ラストでは吾郎にもたれかかるように眼をつぶったことから、瞼があることが分かる。そうなると、前半で瞬きをしているのなら、後半でも瞬きがあって当然である。逆に、後半では瞬きをしなかったのだから前半でも瞬きをしないのが当然ということも出来る。人が演じている(この物語では福地香代が演じた)とはいうものの、カットに工夫をするなりして、統一して貰いたかった所である。(細かいことであるが、これが今回の物語での大きなマイナス点でした。)

また、明日香を演じた小野真弓であるが、アコムのCMを遣っていた頃と比べて随分とおばちゃんになっちゃいましたね...

次回は「24時間後の花嫁」と言う物語。まあ、過剰な期待をしない方が楽しめるので、余り期待しないで楽しみたいと思います。

 

↓これと比べると随分とおとなしいコメディ作品です。

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↓一応記したのでこれも拾っておきます。(これはコメディではありません。)
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