SSブログ

「O MEGALEXANDROS」 [映画(洋画)]

表題の作品は1980年のギリシャ、イタリア、西ドイツの合作映画「アレクサンダー大王」である。但し、史実に名前を残しているアレクサンダー大王の物語ではなく、彼の伝説を下敷きにして、19世紀から20世紀に移る時を舞台にした盗賊の頭と、義賊としての彼らの行動を描いた大作である。(ただ、細かいことを言うと、1900年はまだ19世紀であって、20世紀は1901年から何ですけどね...)

作品データを記しておくと、時間は208分、監督はテオ・アンゲロプロス、脚本はテオ・アンゲロプロスとペトロス・マルカリスの2人、撮影はヨルゴス・アルヴァニティス、音楽はクリストドゥス・ハラリスである。そして出演は、オメロ・アントヌッティ、エヴァ・コタマニドゥ、グリゴリス・エバンゲラトス、ミハリス・ヤナトゥス、クリストフォロス・ネゼル、ブリツィオ・モンティナーロ、ラウラ・デ・マルキ、イリアス・ザフィロプロス、ストラトス・パキス、たちである。

時は1899年12月31日、ギリシャの小島にある刑務所から、。アレクサンダー大王と呼ばれる頭が率いる一団が何者かの手引きによって脱獄した。同じ夜、アテネの王宮では、イギリス貴族たちを迎えて新年と新世紀を祝うパーティが開かれていた。そこでは地元の大地主が持っている土地にある炭鉱の採掘許可を元ロメは無しが行われていた。しかしその土地は、農民が所有権を主張して断固抵抗している土地だった。で、新年を迎えた日、パーティに出席していたマンカスター卿は4人の仲間と3人の女性を伴ってその土地を見に行った。が、脱獄したアレクサンダー大王の一味に誘惑されてしまった。アレクサンダー大王は、その土地を農民のものと認め、自分たちに恩赦を下すように国王、政府、そして英国大使に要求書を送り、生まれ故郷である北ギリシャの村ヘ向い、そこに立て籠もった。政府は、身代金の支払いには応じるが、それ猪飼の要求は拒否した。大王たちは途中で5人のイタリア人アナーキストを加え、村に到着したが、村は先生と呼ばれる指導者による共産村となっていた。全てが村の旧友物になっていることに大王は反発し、一味と村人達の間には溝が出来る。また、政府は村を包囲していた。そんな中、政府からの密使がやってきて、恩赦には応じられないが形式的な裁判を開いた後に特赦によって自由にするという提案が行われ、大王は村で裁判を行うように要求した。政府によって、土地は村人たちに返還されたが、村人たちの間では土地が帰ってきたことで共産制が崩壊してしまう。また、争いが起こる村から脱出しようとする人たちは射殺されてしまう。そして裁判の方も、大王が検事を射殺したことで流れてしまい、暗殺され掛けた事に怒った大王は人質を殺害してしまった。これによって一味は村人からも孤立してしまい、人質が殺されたことを知った政府は村に総攻撃を開始した。で、大王の一味は次々と倒されていは、村人たちによって大王は取り押さえられてしまった。が、大王の形をした石像が残るだけで、大王の姿は消えていた...

1899/12/31の次の日、すなわち1900/1/1が20世紀最初の日と描かれているが、これは誤りであって、20世紀は1901/1/1からである。この初歩的なミスは、1年ずらして物語が起こると考えれば良いでしょう。

物語は、史実のアレクサンダー大王の生涯(の伝説)をベースにしたものとなっているが、アレクサンダー大王について知らなくても特に問題はない。(→知っている方が、色々と深い所まで考えられた物語と言うことが分かるのは言うまでもない。)それにギリシャが抱えていた問題を重ねているのは、なかなか面白い描き方である。ただ、3時間を超える作品にする必要があったのか?という所もある。(中盤でちょっとダレます。→100分の作品の前後編2本と考えたら、少しは救われるでしょうね...)とは言っても、合作ではあるものの、ギリシャ映画に接する機会は日本ではあまり無いだけに、それだけでも見ておいたら、という作品である。

 

↓本作DVDは、独立してではなく、3作品の1つとしてセットとなっています。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。