「PINK NARCISSUS」

表題の作品は1971年のアメリカ映画「ピンク・ナルシス」である。NYのクリエイターによるアート映画であって、ストーリーはあるようでないような作品である。が、本作はフランスではカルト的な人気を得ている作品でもある。また、モチーフとなっているのはギリシャの「ナルシス伝説」である。

作品データを記しておくと、時間は70分、製作、監督、脚本、撮影、美術はジェームズ・ビドグッド、音楽と編集はマーティン・ジェイ・サドフ、出演はボビー・ケンダルである。（彼しか登場しない。）また、本作は、当初はスタッフは「不明」とされていたが、1999年になって監督（スタッフ）の名前がようやく明らかにされた。

クラシック音楽の調が響く中、夜の森から蛹が孵化して蝶となり、飛んでいく。その蝶は鼻の中を飛んでいき、やがてある少年のいめ部屋に入っていく。その部屋は鏡とロウソクで飾られたピンク色の部屋であり、少年がいて、儀式を始めようとしていた。儀式が始まると、少年は服を脱ぎ始め、裸になると踊り出して...

幻想的な作品であり、怪しげな内容の作品である。また、これは単なる少年ポルノだという解釈も出来るが、アートと言うことも出来る。（「猥褻か芸術か」ということは良く言われることでもあるが、その論争をする場合、取り上げられることにもなる問題の映像である。）

また、本作は8mmフィルムで撮影したものを劇場公開に合わせて35mmにしたこともあって、画像の粗が目立つのだが、それが独特の幻想的な世界観を表現することにも繋がっているため、「猥褻か芸術か」という論争に巻き込まれることになる。

映像の方はピンクで統一されたものとなっていて、映像表現ということではアートということが出来るが、作品自体が何を言いたいのか、掴みかねるところもある。まあ、こういう怪作（というか異常な作品）があるということを知るためにも、見ておいても宜しいかと...（でも、早見再生でも十分だと思いますが...）

 

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