「PETER PAN」(1924) [映画(洋画)]
表題の作品は1924年の映画「ピーター・パン」である。ジェームズ・バリーの原作のこの物語は舞台劇として1903年に初演されていて、世界的にも有名であるが、本作はその「ピーター・パン」の初めての映画化作品である。(後には1953年のディズニーのアニメが余りにも有名であり、1991年の「フック」、2003年の「ピーター・パン」、2004年の「ネバーランド」がある。また、2002年の「ピーター・パン2」は1953年の続編である。)しかし、当時はまだトーキーの登場前であるので、サイレント映画である。
作品データを記しておくと、時間は103分の白黒作品である。原作はジェームズ・M・バリー、監督はハーバート・ブレノン、脚本はウィリス・ゴールドベック、撮影はジェームズ・ウォン・ハウである。そして出演は、ベティ・ブロンソン、メアリー・ブライアン、アーネスト・トレンス、シリル・チャドウィック、ヴァージニア・ブラウン・フェアー、アンナ・メイ・ウォング、エスター・ラルストン、ジョージ・アリ、フィリップ・デラシー、ジャック・マーフィー、たちである。
ネヴァネヴァ・ランドに住む永遠の少年ピーター・パン。あるとき彼は人間界にやってきて、3人の姉弟たちを連れて来た。3人はピーター・パンと一緒に楽しい時を過ごすが、両親が恋しくなって帰りたいと言い出した。そして人間界に戻ろうとしていたところに、フック船長の海賊団が攻めてきて、3人は捕虜として捕まってしまう。ティンカー・ベルのお陰で難を逃れたピーター・パンは3人を助けるためにフック船長の一味に立ち向かい、やっつけて3人を助け出した。で、3人を人間界に返し、ぬ人で再びネヴァネヴァ・ランドに帰っていった。
物語の方はお馴染みの「ピーター・パン」の物語であるので、誰でもストーリーの方は知っているでしょう。それよりも本作は、かれこれ80年近くも前の作品になるという所に注目である。当然のことながら、現在のような特撮技術は存在していない。が、そこのところはアイデアでカバーしている。雰囲気的には舞台劇の延長線上にあるような感じもするが、サイレント映画ならではのゆっくりとしたテンポと相まって、微笑ましい雰囲気を醸し出している。確かに、最新のCGを使った映像と比べるとみすぼらしく感じるが、逆に人間的な暖かみを感じることが出来る。
ストーリーの方がお馴染みのものであるだけに、ストーリーを追っていくのではなく、当時(日本ではまだ大正時代である。)の映画技術を知るということで見てみるのも面白い所である。(と言っても、本作はソフトがないだけに、簡単に見ようとすることが出来ませんが...)
↓本作のソフトは無いので、有名な1953年版と2003年版を拾っておきます。
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