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名曲探偵アマデウス#59 シューベルト「交響曲第7番『未完成』」 [ドラマ]

今回は、ファイルNo.035に登場した大保志摩須刑事の再登場ということになった物語でした。(同一キャラの再登場は、ディープ内藤に続いて2人目ですね。)が、演じているのが矢島健一さんということなので、「銭形泪」において都合3度登場した荒畑任五郎を思い出させてくれます。

そんな中、今回の物語では、所長の母親について、オーストリアのウィーンに在住していると言うことが明らかになりました。

取り上げられた曲はシューベルトの「交響曲第7番『未完成』」ということで、1年目の最後(ファイルNo.030もシューベルトだったが、2年目の最後もシューベルトというのはやっぱり狙っているのでしょうか???)

ソファで寝ているカノンさん。ドアを叩く音で飛び起きて慌てて出ていくと、小包の配達だった。「オーストリアのウィーンから」と言うと、所長が「私への小包だ」と言ってやってきた。所長の母親はウィーンに在住していて、時々何かを送ってくるということだった。(所長の過去についてはディープ内藤の時に語られてきたが、家族に言及されたのは初めてですね。→その内、カノンさんの家族なども是非、方って貰いたいですね。(→やっぱり四姉妹だったりして...???))

その小包を開けると、チョコレートだった。カノンさんは「食べましょう」と手を伸ばすが、所長がカノンさんの手を叩き、自分一人で食べるというのはちょっと意地悪ですね。で、口に運ぼうとした所長だったが、その時に依頼人がやってきた。

依頼人を見たカノンさんが、前に来たことがある大保志摩須だということを覚えていて、「前回のお話」ということで、その時のおさらいが簡単に流れる。そして、その時に大事にして後から食べようとして置いておいたバナナを食べられたということもしっかりと語られていた。→「食べ物の恨みは怖い」ということですね。

大保刑事は、北南都署刑事課・青少年犯罪対策特別室・万引き担当になっていて、その名刺を署長とカノンさんに渡した。(階級は「巡査部長」でした。→五代さんと同じ階級ですね。)→でも、その名刺には、所在地や電話番号は記載されていなかった。

で、万引で捕まえた15~16歳のある少年が黙秘を続けているという。また、万引きしたものはシューベルトの「交響曲第7番『未完成』」のCDだった。何も語らないと大変なことになる、と言ったら「この曲が全てだ」と言う。ということで、相談に乗って欲しいということだった。で、所長は依頼を受けた。(この時、依頼者はカノンさんに手錠を掛けていたが、カノンさんの表情がまた良いですね。→「銭形泪・1st.13話/2nd.13話」とは逆という形になったというのも狙っている所ですね。)

何か意味があるのかも?、ということで、いつものように曲を聴き始めて、所長が語る。まずは第1楽章からとなるが、相変わらずカノンさんの表情が豊かです。

第1楽章では「調のうつろい」ということで転調についての説明となる。しかも、1つの転調ではなくて、複数の転調があり、しかも、当時の常識である転調する際にはある程度の小節をかけるのに、短い間で転調していることが語られる。(ベートーベンを引き合いに出していたが、なるほど、分かりやすい説明でした。)で、シューベルトの短い転調のカラクリの説明が行われるが、実に上手いテクニックだと感心しました。特に「一瞬の沈黙」は凄い技です。

更に、展開部で第1楽章の冒頭の旋律に戻る、ということで、この旋律についての説明となる。そして、シューベルトの人生に重なるとして、シューベルトについての説明が行われる。ここでは、いつの時代でも、子供の進路について親の押しつけがあるというのは、興味深いですね。→「歴史は繰り返す」と言うが、人間の本質というのは変わらないということですかね...

で、カノンさんが「分かった」ということで「父親への当てつけで万引きした」と言う。更に「名前が言えない理由があった」と続けるが、泪ちゃんのような明確な説明はしないが、何処かで泪ちゃんを感じさせるようなカノンさんの閃きでした。で、そこから依頼人は思い出した。彼には、結婚前に付き合っていた女性との間に16歳の息子がいて、万引きしたのはその自分の息子なのでは、と感じた。(子供がいると知ったのは別れた後であり、結婚した後だった。)→ちょっと強引な設定であるが、取り上げる曲の説明が分かりやすくなる設定というのは、本作の特長であって、だからこそクラシック音楽が分かりやすくなっているので、これはこれでいいでしょう。

で、再びシューベルトの音楽家としての道についての説明が行われる。→ここで名前が出てきた「野ばら」「魔王」などはまだ取り上げられていないので、いずれは取り上げて貰いたいですね。(が、シューベルトの曲は今回で4曲目であって、ベートーベンと共に最多なので、しばらく先になるでしょうが...)

そして、「何故万引きをしたのか?」と依頼人。が、所長は「本当に万引きをしたのでしょうか?」と言い「事件を検証してみましょう」ということで、その時の再現ドラマとなる。(カノンさんが少年役を務める。)万引き警戒でCDショップにいた依頼人。そこに挙動不審な少年が現れた。が、所長はこれを「あなたに声を掛けるタイミングを伺っていたんです」と言う。これに、「上着の下に隠し持っていたCDは?」と質問する依頼人。所長は「あなたと会ったら一緒に聴きたいと思っていて、肌身離さず持っていた」と説明する。で、それを万引きと勘違いしたと指摘すると「またやってしまった...」と落ち込む依頼人だった。→こういうミスがあるから、キャリアではないとはいうものの、53歳で巡査部長なのでしょうね。

所長は、この曲も長い間埋もれていたが、やがて大きな花を咲かせることになった、として、この曲にスポットが当てられて絶賛される用になった経緯の説明となる。シューベルトの死後40年近くして自筆譜が発見されたということから、初演されることになったというのは、何があるのか分からないものであるが、やはり、それだけ内容があるものだから評価されるのは言うまでもないと思います。

その後で、所長が「16歳の少年が未完成ならば、53歳の刑事も未だ完成ならず。それが人間です」と言ったのは、奥深い哲学ですね。ということで、所長の人生相談は益々冴え渡っていました。

で、依頼人に「抱きしめてあげて下さい」と所長。納得して理解した依頼人は帰っていったが、所長に対しては「お世話になりました」と言って頭を下げていたが、カノンさんに対しては「失敬」と言って敬礼していて、カノンさんも返していました。

今回は、ドラマ部分は約34分半、曲が8分半弱、ラストのオチの所が1分強という構成となっていて、曲の部分が最近にしては少し長めになっていました。

ラストのオチは、前回の依頼人が登場した時のオチと同じで、事件が解決したことで、所長が送られてきたチョコレートを食べようとして箱を開けると、いくつかが食べられていた。カノンさんは「私じゃありません」と言うと、「監視ビデオを見てみよう」ということで、ビデオを再生した。すると、「事件の検証」と言って行った寸劇の所で、依頼人がこっそりと箱に近づき、所長とカノンさんが絡んでいる時に、箱からチョコレートを口に運んでいるところが映っていた。で、「またやられた」と所長、「恐るべし、大保刑事」とカノンさんは漏らしていた。→二度も食べ物を食べられたとなると、三度目は何らかの対策を行うでしょうが、その対決も見たくなりました。ということで、適当な時期に大保刑事の三度目の藤條に期待したいところです。

今回のカノンさんは、表情豊かなのはいつもの通りであるが、所長からはチョコレートを食べさせて貰えずに手を叩かれ、依頼人からは手錠を掛けられるというように、ちょっと可哀想なことになってしまったこともあって、イケイケという所が無くて、おとなしかったですね。が、「銭形泪」の時をひっくり返したようなポジションになっていたというのは面白い所でした。(分かる人にしか分からない仕掛けの物語だったと言って良いでしょう。)

今回の物語で2年目の新作の放送は終了ということになりました。(来週の21日は1年目の最後の物語であったファイルNo.030のシューベルト「さすらい人幻想曲」の再放送です。)で、新作の放送本数は1年目が30本、2年目が29本というように1本減ってしまったが、3年目となる新年度の最初の1本は3/29に放送があるので、4月から翌年3月末までの間では一応30本ずつと言うことになる。まあ、もう少し新作が見たいとも思うが、週一で質を落とした物語が生まれるのもまた何なので、半年に15本というペース(一ヶ月に2.5本)は、復習することも考えると丁度いいようにも思えるようになりました。

で、新年度の本放送枠はBS-hiで月曜日の19:00からということになります。(スタート時は金曜日、そして土曜日、日曜日というように1日ずつずれていって、今度は月曜日になるということになるが、放送枠が変わっても続いていくというのは、内容があって指示されている証でもあります。それにしても、3年目に突入というのは、近年では快挙ですね。)

次の新作は3/29の放送で、ファイルNo.060のショパン「ピアノ・ソナタ第2番・葬送」、その翌週の4/5はファイルNo.061のチャイコフスキー「交響曲第4番」と続きます。また、BS-hiの火曜朝の再放送枠はそのままで変更なしであるが、土曜お昼の再放送枠は水曜深夜の24:00から(カレンダー上では木曜日の00:00から)に移動です。また、BS-2での放送は、日曜の18:00からと金曜の16:00からに移動です。→結局、地上波での放送が無くなったが、それがBS-2に移ったという形ですね。ということなので、最大で週5本の放送枠があるという体制が維持されたことになります。(しかし、BS-2の金曜16:00は、大相撲があると必然的にお休みになる枠ですね...)

ところで、3年目になると、またもOPタイトルの画像が変わることになるものと思われるが、どういうものになるのか楽しみです。また、次からは本放送が月曜夜になるので、記事としては火曜日の1番ということになります。

 

シューベルト:交響曲第5番、第7番《未完成》&第8番《ザ・グレート》【SHM-CD仕様】

シューベルト:交響曲第5番、第7番《未完成》&第8番《ザ・グレート》【SHM-CD仕様】

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  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2009/02/25
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シューベルト : 交響曲第7 (8)番「未完成」&交響曲第5番

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  • アーティスト: アニマ・エテルナ,シューベルト,インマゼール(ジョス・ファン)
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 2000/11/01
  • メディア: CD
シューベルト:交響曲第7番「未完成」&第5番

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シューベルト : 交響曲第6番、7番、8番

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  • アーティスト: アニマ・エテルナ,シューベルト,インマゼール(ジョス・ファン)
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  • メディア: CD
シューベルト:交響曲第5番&第7番

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シューベルト:交響曲第7番「未完成」&第5番

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シューマン:交響曲第2番/シューベルト:交響曲第8(7)番「未完成」

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
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シューベルト:交響曲第7番「未完成」

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↓「銭形泪」の1st.13話/2nd.13話はこちらです。

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