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「POLA X」 [映画(洋画)]

表題の作品は1999年のフランス、ドイツ、スイス、日本の合作映画「ポーラX」である。「ポンヌフの恋人」のレオス・カラックス監督が8年の沈黙を破って製作した作品である。尚、タイトルは原作小説のタイトル「PIERRE OU LES AMBIGUITES」の頭文字に謎を意味する「X」を加えたものである。物語の方は、不自由ない暮らしをしていた男が姉かも知れない女と出会い、破滅の道を進んでいく愛の物語である。

作品データを記しておくと、時間は134分、原作はハーマン・メルヴィル、監督はレオス・カラックス、脚本はレオス・カラックス、ジャン・ポール・ファルゴー、ローランド・セドフスキーの3人、撮影はエリック・ゴーティエ、美術はローラン・アレール、音楽はスコット・ウォーカーである。そして出演は、ギョーム・ドパルデュー、カトリーヌ・ドヌーヴ、エカテリーナ・ゴルベワ、デルフィーヌ・シュイヨー、ペトルータ・カターナ、ミハエラ・シラギ、ローラン・リュカ、サミュエル・デュピイ、パタシュー、シャルナス・バルタス、たちである。

フランス・ノルマンディのお城のような豪邸に住むピエールは、外交官の父が亡くなった後、母。マリーと共に何不自由なく暮らしていた。ある日、彼の前に異母姉と名乗る女性・イザベルが現れた。イザベルとの出会いがピエールに変化を与え、彼は母と婚約者のリュシーを捨て、イザベルとの愛の道を選び、パリに出た。従兄のティボーを頼ったピエールだったが、まもなく追い立てられ、放浪生活を余儀なくされることになる。が、その間にピエールとイザベルは結ばれる。そんなピエールの元に、母の事故死とリュシーの病気ということが伝えられる。そしてリュシーは婚約者だったことを伏せたままピエールとイザベルの元に身を寄せた。しかし生活は苦しく、イザベルは自分がピエールの幸せを邪魔していると思って自殺未遂をする。ピエールに助けられたが入院する。やがてティボーがイザベルに、リュシーがピエールの婚約者だと言うことを告げた。イサベルがそのことをピエールに話し、ピエールは混乱した。そしてティボーに呼び出されたピエールは、銃をティボーの口に突っ込み、引き金を引いた。イザベルとリュシーが駆けつけるが、ピエールは警察に連行されていく。イザベルは叫び声を上げて身を投げたが、ピエールはそのまま連行されていった。

最初は明るい感じがするのだが、直ぐに暗くなり、物語が進むにつれてますますどん底に落とされていって救いようのない悲劇へと突き進んでいくので、見ていても重苦しくなってしまう。しかも、後半になると映像の方が粗くなっているのだが、これは16mmフィルムを使ったことであって、これが主人公がより深みに落ちたことを描いていて、いたたまれなくなってしまう。この当たりは流石はカラックス監督といった所である。

本作は、気分が滅入っているときや落ち込んでいる時には絶対に見ないことである。そういう時は、何かと悪い方悪い方へと考えが進んでしまい、本作の主人公のような気持ちになってしまうためである。この点だけ注意すれば、なかなか見応えのあるドラマとして仕上がっている。尚、アラン末井がと言うことでオシャレなところを期待する人は見ない方が良いですよ。

 

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