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「LES QUATRE CENTS COUPS」 [映画(洋画)]

表題の作品は1959年のフランス映画「大人は判ってくれない」である。本作はフランスを代表する映画監督のF・トリュフォー監督の長編デビュー作でもあり、高く評価され、ヌーヴェル・ヴァーグの旗手と呼ばれるようになった作品でもある。半世紀前の作品ということになるが、全く古びたところがない傑作である。

作品データを記しておくと、時間は97分、白黒作品である。製作、監督はフランソワ・トリュフォー、脚本はフランソワ・トリュフォーとマルセル・ムーシーの2人、撮影はアンリ・ドカエ、音楽はジャン・コンスタンタンである。そして出演は、ジャン・ピエール・レオ、クレール・モーリエ、アルベール・レミ、ジャン・クロード・ブリアリ、ギイ・ドゥコンブル、パトリック・オーフェイ、たちである。

12歳のアントワーヌはパリの下町に住む少年である。共働きの両親は不仲で、毎日が嫌なことの連続であって、学校でも先生に目を付けられている。ある日、登校途中に親友のルネと共に学校をサボって遊び過ごす。晴れ晴れとした気持ちになったアントワーヌだったが、町中で見知らぬ男と抱き合っている母の姿を目にしてしまう。次の日、学校に行くが、欠席の理由を問われて「母が死んだ」と応えるが、アントワーヌの欠席を知った両親が現れて嘘がばれてしまう。で、父から攻められるアントワーヌは家出をした。やがて金に困ったアントワーヌは、父の勤める会社のタイプライターを盗み出したが、結局捕まってしまう。で、非行少年として少年審判所へ送られることになる。そして鑑別所に送られることになった。その間、親は面会に来ず、鑑別所に移ってから暫くして母親が面会に来た。しかし、母の態度は冷たく、隙を見てアントワーヌは脱走したが...

12歳の少年の気持ちを巧みな映像表現で描いていて、それが白黒映像特有の雰囲気で瑞々しく描かれている。12歳という多感な年頃の少年の気持ちを描いているが、何かと共感できるところと、全くそうであなところもあったりして、なるほどという物語であるが、映像美が素晴らしく、それに引き込まれることになって、主人公・アントワーヌに共感出来てしまう。また、本作製作当時のトリュフォー監督は27歳であり、若かったものの、少年の気持ちを巧みに描いている。

1989年に30周年を記念して自ら編集した別バージョンもあるが、それはオリジナル・バージョンを見た上で見るべきものであり、本作を見るのが先である。

また、ヌーヴェル・ヴァーグの作品を見る上でも本作の存在を抜きには話にならないのは言うまでもない。フランス映画史に於いても大きな意味のある作品であり、少年の気持ちを描いた作品としても、また、白黒作品でで映像美のある作品ということでも、見ておきたい作品の一つである。

 

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