AMBROSIA『ROAD ISLAND』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼らの5th.アルバムであって、彼らの最後のオリジナル・アルバムでもある。'70'sのデビュー時はプログレ・バンドであった彼らであるが、'80'sになってからはサウンドが大きく変わって、普通のロック・バンドになってしまった彼らであるが、ラストアルバムとなった本作ではプログレ系のプロデューサを起用して、これまでの集大成のようなものを目指したアルバムである。が、このことが方向性を中途半端にしてしまい、セールスでもチャートでも低迷する結果になってしまった。(Billboardのアルバム・チャートでは、これまでの4枚のアルバムは2桁順位(2nd.以外は全てTOP 30入りを果たしている。)であったが、本作は最高位115位であった。)
収録曲は以下の全8曲である。『For Openers (Welcome Home)』『Still Not Satisfied』『Kid No More』『Feelin' Alive Again』『How Can You Love Me』『Fool Like Me』『Ice Age』『Endings』。
この中からシングル・カットされたのは2曲であるが、『For Openers (Welcome Home)』はチャートインせず、『How Can You Love Me』もBillboardで最高位86位ということで、これまでにチャートインしたシングルの中では最も低い順位に留まってしまった。
チャート成績やセールスでは低迷したものの、お薦め曲としてはシングル曲の『How Can You Love Me』と、商業ロック路線にある『Feelin' Alive Again』と『Fool Like Me』、'70'sの彼ららしい曲である『Ice Age』をピックアップしておく。
良く言うと、バラエティに富んだ内容のアルバムということになる。'70'sのプログレ系のバンドも'80'sになるとほぼ壊滅状態になっていたこともあって、サウンドを帰るという戦略はある意味では当然である。しかし彼らは前作でそれを行っていて、成功していただけに、本作の方向性には疑問を持たざるを得ない。この辺りが本アルバムのセールスが振るわなかった所でもある。ということで、音楽性では迷走することになったアルバムであるが、内容的にはバラエティに富んだものになり、様々なタイプのサウンドを聴くことが出来るようになったという皮肉っぽいことになったアルバムである。彼らのキャリアを考えなければ色々と楽しむことの出来るアルバムである。
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