ケータイ刑事銭形命10話[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]
「銭形命」の第10話「美しき脚本家たち ~美脚連殺人事件」の「裏ネタ編」の5回目となる今回は、中江が口にした言葉から「誘導尋問」について、「証拠」についてと、「隠滅」について、「捏造」について記します。
また、BS-TBSの本放送時に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「誘導尋問」:「尋問」とは、尋ね問うこと、問い糾すことである。但し、単なる質問ではなくて、官憲などの質問のことを指す。(普通に尋ねることであれば「質問」と言い、学会や会議などでは「質疑」と言うが、それらでは「尋問」とは呼ばれることはない。)警察官が行う「職務質問」(「不審尋問」)と、裁判所で行われる尋問とがある。英語では「Questioning」「Examination」「Interrogation」「Inquisition」などと言う。
「誘導尋問」は、それらの尋問の際、尋問者(=質問をする方)が自分の欲する供述を得ようとして、期待するような供述が行われるように誘導する尋問のことを言う。(この場合、冤罪に繋がることが多くなる。)しかし、誘導尋問は法律では制限されていて、法的には被尋問者は保護されている。(が、現状と言うと、そうでもないため、冤罪事件が発生することにもなっている。)
英語では「Leading Question」または「Loaded Question」と言う。また、「誘導尋問をする」というのは「Lead」と言う。
「証拠」:「証明の根拠」を縮めた言葉であるが、現在では一般名詞になっている。事実認定を行う際、そのよりどころとなる根拠のことである。また、裁判に於いては、法律を適用する事実の有無を確定する材料となるものであって、これを積み重ねていって事実認定を行い、判決を下すことになる。
英語では「Evidence」または「Proof」と言うが、「Evidence」はデータとしての証拠のことを指していて、それを積み重ねていったものを「Proof」と言う。よって、裁判では「Evidence」を積み重ねていって事実の認定を行うが、認定されたものが「Proof」となり、判決に使われるものは「Proof」を用いて行われることになる。
証拠にはいくつかのものがある。事実を認定するための資料として提供されるものが人である場合(証言など)を「人的証拠」と言い、資料が物や書類である場合(事件では指紋や遺留品などがこれに該当する。)を「物的証拠」と言う。また、人の供述によるものを「供述証拠」と言い、そうでない証拠のことは「非供述証拠」という。更に、直接的に事実を証明する証拠を「直接証拠」と言い、間接的に事実を証明する証拠(目撃証言などはこれに該当することになる。)を「間接証拠」と言う。
裁判では、証拠があってこそ成り立つものであるため、訴訟に於いてはこれが命となる。よって、「証拠不十分」というような事件では、公判が維持できないために不起訴となることがある。
「隠滅」:存在していた物事を跡形無く消して無くしてしまうこと、または完全に隠してしまうことである。これを行うことで、存在していたものを存在していないものにしてしまうことになる。(が、何かとボロは出るものであって...)一般には「湮滅」または「堙滅」と表記するのだが、「湮」と「堙」という漢字は共に常用漢字ではないため、法律の世界では「隠滅」と表記することになっている。(→法の世界で使用する「隠滅」という表記が実質的には一般的な表記となっている。)
尚、この物語に於いて、中江が行った「証拠隠滅」というのは、物的証拠となるノートに記されているものを隠した行為ということになる。
「捏造」:慣用的には「ねつぞう」と読んでいるが、元々は「でつぞう」と読んでいた。事実ではないことを事実のように仕立て上げること、または事実のように流布することを言う。類義語としては「でっち上げ」「作り話」「嘘」「虚構」「フィクション」という言葉がある。英語では「Fabrication」と言う。
三流週刊誌であれば、たいていの記事はこれによるものというのが一般的な認識である。また、駅売りの某スポーツ紙に掲載されている記事は、誰もがこれだという認識でいるのが常識になっている。(まあ、「フィクション」としたら話のネタにはなりますが...また、よくもまあ想像力が働くものだと感心してしまいますが...)
また、これまでにも、捏造された事件として知られているものがいくつかある。たいていは、権力者が政敵を追い落とすために行われたというものである。
中江が口にした「証拠捏造」とは、そういう証拠が無いのに、証拠となるようなものを事実であるかのように作り出した、ということを指摘しているものである。が、真犯人の言動に於いては、このような発言はよくあることである。(実際、「ケータイ刑事」では同じような台詞を真犯人が口にしたことが多いですね。また、中には捏造したことがバレたことが動機となった事件もいくつかありました。)
言うまでも無く、捏造は犯罪行為ということになるものが多い。(例えば、詐欺の類は基本的にあり模試無い話を捏造したものが殆どである。(振り込め詐欺はその典型的なものである。))また、貨幣の捏造(=偽造)というものも、貨幣でないものを本物の貨幣のように仕立てるということで、「捏造」ということになる。(当然、貨幣の偽造は重大な犯罪である。→近年では、複合機(コピー機)の普及もあって、紙幣をカラーコピーするという事件が増えている。例えそれを使用する意図が全く無くても、紙幣をコピーする行為は立派な紙幣偽造事件となって、犯罪行為となり、検挙されることになる。)
↓参考まで
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