BOSTON『BOSTON』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1976年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。邦題は「幻想飛行」である。ポップで聴きやすいメロディでありながらも、ロックの神髄であるハードな所もあるという独特のサウンドで、大ヒットを記録したアルバムである。Billboardのアルバム・チャートで最高位3位を記録し、1977年の年間アルバム・チャートでは5位に、1978年の年間アルバム・チャートでは99位にランクインしている。尚、彼らの2nd.アルバムと3rd.アルバムは共に全米No.1の座を獲得しているが、セールス枚数では本作の方がはるかに多く、本アルバムはアメリカだけで1700万枚以上の売り上げを記録していて、セールスでは彼らの最大を記録している。また、イギリスでは最高位11位を記録している。
収録曲は以下の全8曲である。『More Than A Feeling』『Peace Of Mind』『Foreplay/Long Time』『Rock & Roll Band』『Smokin'』『Hitch A Ride』『Something About You』『Let Me Take You Home Tonight』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。『More Than A Feeling』はBillboardで最高位5位を記録している。(9月リリースということもあって、年間シングル・チャートの集計では2年にデータが分かれてしまうこともあって、年間シングル・チャートTOP 100には1976年/1977年のどちらにもランクインしていない。)また、イギリスでは最高位22位、豪州では最高位11位を記録している。続く2nd.シングルの『Foreplay/Long Time』はBillboardで最高位22位を記録し、3rd.シングルの『Peace Of Mind』はBillboardで最高位38位を記録している。
お薦め曲は「全部」と言いたい所であるが、シングル曲の『More Than A Feeling』『Foreplay/Long Time』『Peace Of Mind』は外せないですね。特に『Foreplay/Long Time』は8分近い長尺であり、たっぷりと堪能することの出来る一曲である。(そう言えば、LPのA面はシングル・カットされた3曲が収録されていましたね。)そしてB面に収録されていた5曲もいずれもが秀作であるので、じっくりと聴きたいところである。
本アルバムは、コンピューターなどを一切使わずに仕上げられているが、近年のシンセサイザーを中心にしたサウンドなとと比べても、クオリティの点では劣ることなく、逆に十分勝っている。当時の技術が如何に高かったということを知ることも出来るアルバムでもある。
本アルバムは'70'sロックのクオリティの高さを知ることの出来る名盤であると同時に、後のアメリカン・ロックにも多大な影響を与えたアルバムであることは誰もが知っている所である。ロック・ファンであれば、本アルバムは聴いていて当然のアルバムであり、本アルバムを聴いていないのであれば、ロック・ファンとしてはモグリである、と言われても当然というアルバムである。ロックを聴く者としては聴いておかなければならない傑作である。
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