CHAZ JANKEL『CHAZ JANKEL』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼のソロ・デビュー・アルバムである。'70's初期から音楽活動を始めた彼はキーボードリストとして、またギタリストとして'70'sのファンク系の音楽、特にクインシー・ジョーンズと関わってきていたが、その彼が満を持して発表したソロ・アルバムである。特に大きなヒットにはならなかったものの、10年近いキャリアからしっかりしたサウンドを聴かせているアルバムである。また、翌1981年にクインシー・ジョーンズでヒットすることになる『Ai No Corrida』が収録されていると言うことも見逃せないポイントのアルバムである。
収録曲は以下の全7曲である。『Ai No Corrida』『Peace At Last』『Just A Thought』『Lenta Latina』『Fuse』『Am I Honest With Myself Really?』『Reverie』。尚、2005年にリマスターされたものにはこの後に『Little Eva』がボーナス・トラックとして追加収録されている。
注目曲は、やはり『Ai No Corrida』ということになるが、それ以外の曲もファンキーでノリが良い曲、じっくりと彼のテクニックを堪能出来る曲、聴かせる曲、というように、曲数は少ないものの内容の方はバラエティに富んでいて、たっぷりと楽しませてくれている。(1分にも満たない曲があると思えば、15分近い超大作もあるというのは面白いところである。)
お薦め曲としては『Peace At Last』『Fuse』『Am I Honest With Myself Really?』を拾っておくが、『Ai No Corrida』はクインシー・ジョーンズのバージョンと聴き比べるてみるというのは常識である。(2006年にQ・ジョーンズはスペイン語でサイドレコーディングを行っているが、そちらも含めて聴き比べを行うのが通であるのは言うまでも無い。)
'70's終盤の世界的なディスコ・サウンドのブームの後、様々なサウンドが'80'sに向けて産声を上げているが、'70'sディスコ・サウンドによって、これまでもそれなりに認識されて評価されていたファンク系なサウンドや、フュージョンと呼ばれるジャンルに対しての支持が伸び、それによってそれらのジャンルが活発となった。ヒットの規模と言うことでは彼は忘れられた存在であるものの、彼の存在も忘れることの出来ないものである。
ベスト・アルバムも当然のことながらリリースされている彼であるが、ソロ・シンガーとしての出発点となった本アルバムぐらいはチェックしておきたいところである。それにしても、'70's後半から'80's初頭のイギリスの音楽シーンは本当に層が厚いですね...
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