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名曲探偵アマデウス#66 ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」 [ドラマ]

今回の依頼人は料理人ということで、カノンさんの(へんてこりんな)料理が楽しみである今回の物語。取り上げられた曲はラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」で、曲についての説明と謎解き、そしてお楽しみとなる笑いのツボ(カノンさんの珍料理)が上手く散りばめられていて、楽しい物語でした。(当然、色々と勉強になる話もしている。)それにしても、所長のバナナ好きということをカノンさんも心得ていて、面白い料理を作ってくれますね。時には遠慮したくなるカノンさんの料理ですが、今回のカノンさんの料理は食べてみたいですね。

冒頭、好物のバナナを取り出して、皮を剥いて(この時の効果音が楽しいところです。)食べようとしている所にカノンさんが帰ってくる。「またバナナですか?」と言うカノンさんに「バナナを侮ってはいけないよ」と言う所長。バナナの糖質が頭脳に良く、いつお客さんが来てもばっちり解決だ、と言うが、呆れた表情で聴いていたカノンさん。そんなカノンさんは「お腹空いたなぁ~」と言うが、直ぐに「匂う、悪の予感」(これはお姉ちゃまの台詞ですけど...)とばかりに美味しそうな臭いに気づく。依頼人がいて、手にはできたてのギョーザを持っていた。「美味しそう」と言うカノンさんに、宮廷料理の餃子だと言う依頼人。「よかったらどうぞ」と言われ、「いただきま~す」とカノンさんの手が伸びた。が、所長がその手を叩いて止めた。そして「目の前に出てきたものを何でも食べようとするんじゃない」と所長。で、「失礼ですが」と尋ねる。

「中国、宮廷料理を極めた男、趙右馬尹(ちよう・うまい)」と自己紹介をする依頼人。カノンさんは彼のことを知っていた。(テレビの中華勝ち抜き選手権に出場していた人)次はいよいよ決勝戦で、買ったらチャンピオンになれるが、その料理のテーマが餃子ということだった。自信満々だったが、昨日、夢でじいさんが出てきた、起きてからじいさんからもらった鞄を開けたら「餃子的秘伝」という餃子の扇を記した書物が入っていて、それを見たら楽譜が記されていた。で、その秘密を解き明かして欲しいということだった。

秘伝書(楽譜)を見た所長は、それはラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」の第18変奏の所だった。で、所長は依頼を引き受けた。

餃子について語る依頼人に勧められて「いただきま~す」から口にするカノンさん。表情豊かに、本当に美味しそうに食べるカノンさん。が、それは宮廷料理風の餃子だった。所長は秘伝書の餃子とは違うかも、と口にしたから、「まずは最初から聴いてみましょう」ということで、いつものように入って行く。が、あっという間に終わったことからカノンさんは「あれっ?もう終わり?」と、クラシックには疎いという素直な感想です。「今のは序奏」と所長が語り、「第1変奏」へ。直ぐにカノンさんが「変奏曲って主題から始まるんじゃないの?」と言うが、やはり所長の助手をやっているだけのことはありますね。すると所長は「主題が変奏の後に出てくる変わった曲」と語り、説明へ。

普通の変奏曲とは違う手法を用いていることについて説明する野本先生。(いつものように分かりやすいです。)で、いつものように言葉が出るのはカノンさんで、「変奏曲のように色々と変えた餃子を作ればいい」というストレートな発想でした。で、依頼人は「あれだ」と言って様々な形をした餃子を取り出した。それを見たカノンさんは「かわいい」と口にする。(パンダ、金魚、花などがあって、見て楽しむ料理ですね)

それを口にしたカノンさんは「美味しい」と言うが「何か味が物足りないというか...」と、なかなかシビアなことを言うが、それが何なのかまでは分からない。で、所長はラフマニノフは、パガニーニの曲以外にも使っているということで、「ディエス・レイ」の説明へ。

「ディエス・レイ」の説明と、ラフマニノフはこれを和可にも使っているということ、などが語られ、ラフマニノフの思いの解釈が語られる。すると、カノンさんは依頼人に「拘りの味は」と言うが、依頼人にはそれが無かった。すると「おじいさんの拘りの味は?」ということから、次の餃子が登場した。

赤い餃子だったが、色を赤くしただけではないという。それを口にしたカノンさんは「辛い」と口を押さえた。この餃子は豆板醤を使っていて、これに拘った料理を作っていた。所長は第18変奏の楽譜だけがあったことに謎があると考え、次はその第18変奏の説明へ。

カノンさんは「主題のラドシラが何処にも入ってないですね」と聞き分けていて(流石は「音感だけは抜群」のカノンさんです。)尋ねた。所長は「ラドシラ」の楽譜と鏡を用意して、したの鏡に映った部分を歌ってみて、とカノンさんに指示をして、口ずさむカノンさん。(再び「音感だけは抜群」のカノンさんは)「あの主題のラドシラと同じ音型じゃないですか」と気づいた。で、所長が「鏡像形」ということを語り、その説明へ。→楽譜でこのような仕掛けがあるというのは凄いですね。

野本先生は、巧妙な仕掛けの説明として「和音」の秘密を説明するが、ここで「倚音」について、そして「リズム」についての説明がされる。(→野本先生の説明はいつものことであるが、実に分かりやすいです。)

これにカノンさんは「餃子ひっくり返せばいい」と、またまたストレートなことを言う。これに依頼人は「日本の焼き餃子ではない」と言うが、所長が「ひっくり返さなければならないのは餃子ではなく、あなたの発想ではないですか」と、カノンさんの言葉を庇うように、鋭いところを突いた。依頼人は宮廷料理の何処がイケナイのか、と問うが、所長は故郷を思いながらメロディを生んだラフマニノフと重ね合わせた説明をする。

そして、ラフマニノフのその思いについての会社の説明が続くが、ここで第17変奏と第18変奏の繋がり、対比が語られるが、実に凝った作りなんですね。

で、所長は依頼人に、「あなたが作りたい料理は本当に宮廷料理なんですか?」と問う。これに依頼人は、じいさんの料理が好きだったから料理人になったと言う。所長は「あなた自身が感動できる料理を作らなければ人々に届くはずがありません」と言う。依頼人は子どもの頃にじいさんが作ってくれた家庭料理の水餃子のことを口にする。するとカノンさんと所長は「それですよ」と(半歩所長が遅れて言うところも良いですね。)語る。で、依頼人はその水餃子を作ることにして帰っていった。

今回は、ドラマ部分は36分半弱、曲が約6分半、ラストのオチの所が1分強ということで、ドラマ部分がやや長めでした。曲の部分では、全曲をと言うのは無理であり、いくつかの部分のダイジェストと言うことになっていて、「序奏~第2変奏」「第4変奏」「第7変奏」「第17~18変奏」の4つの部分が流れました。(基本的に解説があった部分ですね。)

ラストのオチは、(いつもとは逆で)所長が手に新聞を持って戻ってきて、依頼人が故郷の水餃子で中華勝ち抜きチャンピオンになったということを語り、その記事を見せる。で、その賞金で小さな店を始める、と語った所長。が、カノンさんは所長の話に絡まずにひたすら餃子を作っていた。で、所長が「何を作っているんだね?」と尋ねると、カノンさんは楽しそうな笑顔で餃子を作っていると答える。が、それ(色んな大きさの餃子がある)を見た所長は「これが餃子か...」と不安げな表情に。カノンさんは「あたしの個性を生かして、色んな種類で、しかもちゃんと味が馴染むように作ってみました」と快心作ということを言う。不安げな所長は箸を手にして「一体何が入っているのかな?」と言って手を伸ばして口にした。が「酸っぱい!」と所長。カノンさんは笑顔で「梅干しで~~す」と答えた。更に、次をということで、餃子を箸で掴み、フーフーしてから所長の口に運ぶカノンさん。するとカノンさんはバナナを手にして「所長の大好きバナナ餃子で~~す」と言う。所長は「これはうまい!」とご満悦だったが、カノンさんは「嘘~?」と言っていた。→冒頭でも出たことで、バナナを使っているだろうということは予想出来たが、やっぱりそうでしたね。(鍋にもバナナを入れていたカノンさんですからね。)バナナだけを餃子の皮で包んだというのならともかく、具にバナナを適量混ぜたものであれば、十分美味しく食べられる料理になると思うだけに、所長が「これはいける」と言ったのには納得です。

今回は、いつもの所長とカノンさんのポジションが少し変わっていた冒頭部であり、オチの所であったが、今回の曲が変奏曲ということで、物語の展開も「変奏」ということにしていて、実に上手い展開でしたね。パターンはいつもと少し違っているが、楽しい所はいつもと変わりませんでした。

それにしても、食べ物が出てくると、本当に美味しそうに食べるカノンさんですね。(大食いキャラの銭形泪とは違った反応が見られるのも楽しい所です。)

また、今まではカノンさんの作った料理だと、何かと逃げようとしていた所長だが、今回、「これはいける」と言ったことから、少しはカノンさんの料理に対する考えも変わることでしょうね。ただ、カノンさんのことだから、次もバナナを使った料理をつくるように思えるのですが...

来週はファイルNo.067のマーラー「交響曲第1番『巨人』」です。(ファイルNo.025に登場したあの産業スパイの再登場のようですね。)その次となる6/21はファイルNo.068のベートーベン「ピアノ・ソナタ第23番『熱情』」と続きます。6/28は何かの再放送で、ファイルNo.069(ドビュッシーの「水に映る影」)は7/5です。尚、今週は月曜日が新作だったので、再放送は木曜のBS-2は週遅れのためファイルNo.065のヨハン・シュトラウス『ワルツ・美しく青きドナウ』ですが、火曜朝と水曜深夜のBS-hi、日曜夕方のBS-2はいずれも今回のファイルNo.066のラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」ということになるので、先週のバラエティに富んだ再放送とは違って1つの集中放送と言ったらいいですね...

 

ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲

ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲

  • アーティスト: ヤブロンスキー(ペーテル),ラフマニノフ,ショスタコーヴィチ,アシュケナージ(ヴラディーミル),ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,シモンズ(レイモンド)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/02/22
  • メディア: CD

ラフマニノフ:作品集

ラフマニノフ:作品集

  • アーティスト: ラフマニノフ,マゼール(ロリン),ヴィスロツキ(スタニスラフ),リヒテル(スヴャトスラフ),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,アシュケナージ(ウラディーミル),ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団,ロンドン交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/03/23
  • メディア: CD
ラフマニノフ:狂詩曲&変奏曲集

ラフマニノフ:狂詩曲&変奏曲集

  • アーティスト: ルガンスキー(ニコライ),ラフマニノフ,オラモ(サカリ),バーミンガム市交響楽団
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/09/23
  • メディア: CD
ショパン:ピアノ協奏曲第1番&ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲

ショパン:ピアノ協奏曲第1番&ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲

  • アーティスト: クライバーン(ヴァン),ラフマニノフ,ショパン,オーマンディ(ユージン),フィラデルフィア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.
  • 発売日: 2009/09/30
  • メディア: CD

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