ケータイ刑事銭形雷2話[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]
「銭形雷」の第2話「JホラーVS SAYURI ~ニッポンの幽霊は怖いョ!殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の2回目となる今回は、ホラー関係ということから、岡野さんが口にした「心霊研究家」について、「新耳袋」について、そしてこの物語の登場人物ラフカディオ・アッハーン・サユリの元ネタとなった「ラフカディオ・ハーン」について記します。尚、「ラフカディオ・ハーン」については「泪・10話[裏ネタ編]PART 5」で「小泉八雲」として記したものをベースにして加筆しました。
尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/1/9付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。
「心霊研究家」:怪奇現象や心霊現象を研究している人のことである。但し、他の学術的な研究を行っている研究家とは少々違った側面があるのも事実である。
怪奇現象とは、現代の科学では説明の付かない超自然的な現象の中でも、幽霊や妖怪、もののけなどに関係する怪しげな現象のことを指していう。また、心霊現象とは、超常現象の中でも霊が介在して起こる現象のことである。これらは「超常現象」の中の一分野である。(「心霊現象」は霊が介在しているものであり、怪奇現象の中に心霊現象は含まれることになる。しかし、これらの超常現象の中でも霊が介在する心霊現象に関しては古くから様々な研究がされていることもあって、怪奇現象と心霊現象は分けて語られることが一般的となっている。)
尚、これらの研究をしている人は、他の学問の研究をしている人のように、大学や専門の公共機関に勤めていて研究をしている人とは異なっていて、愛好家と言った方がより近いことになる。
というのは、現代科学では霊の存在などは解明されておらず、どちらかというと「非科学的」とて否定されているだけに、公的な学術研究機関というものは存在していないためでもある。大学教授の中には「心霊研究家」を名乗っている人もいるが、それは主としてではなく、別分野の研究をしていて、副として超常現象についても研究しているというのが一般的である。
ということで、ある意味では公的な研究機関が存在しないため、誰でも「心霊研究家」という肩書きを名乗ることが容易である。(他の学問では、大学で講師になるなど、それに関する何らかの公的な機関に属していないと、「研究家」として認められないですからね...)→柴田太郎さんも超常現象に色々詳しいことから、超常現象研究家と言っても差し障りはないですね。
この物語では岡野さんが口にしていたが、恐がり(雷ちゃんは後に「超恐がり」に訂正した。)の岡野さんでも口にしても特に問題もないのは言うまでも無い。但し、岡野さんの場合は研究と称して関連する書物を読もうとしても、怖がってストップするだけであり、研究するなんて無理だと思いますが...→こういう場合「自称○○」と言うことがあるが、これって実に便利な言葉ですね。
「新耳袋」:現代の怪談、怪異譚を百物語形式で記した短編小説集であり、ドラマ「怪談新耳袋」シリーズの原作となったのをはじめ、「怖い日曜日」でも原作に使われた作品でもある。(伊藤潤二が漫画化していて、漫画本としても出版されている。)原作は木原浩勝と中山市朗であるが、日本各地の怪異体験者に取材に行き、実際に体験した話を聞き、調査を行って記された物語である。
1つの物語は本当に短い短編であって、出版されている本では、2~3ページ以内である。(中には1ページで収まっているという作品もある。)また、「続編」「後日譚」という内容で複数の物語が記されている作品もある。百物語形式を用いているため、内容の方は実にバラエティに富んだものとなっている。(怪談集であるが、実際、全然怖くない物語があったり、不思議体験というものもふる。が、怖い物語は本当に怖い。)
1つの物語がとても短いため、ちょっとした時間でも読むことが出来るため、読みやすい本である。(例えば、駅で電車待ちをしている数分の間に1つの物語を読むことが出来る、電車で1駅乗っている間でも1、2話程度読むことが出来る。)
全10巻が出版されていて、各巻99話ずつ収録されている。(合計で990話もある。)トータル話数の数字が大きいため、数字に負けてしまうことになりそうだが、1つの物語がとても短いため、数字に圧倒されるということにはならない作品である。→1日に5分ずつ(2、3話程度)読んでいき、1年間かけて読むということをしても面白いですね。(勿論、ある程度の話数を一度にまとめて読んでいくのも問題無い。但し、一晩で99話(=1巻の全て)を読まないようにしましょう。(一晩で全99話を読んだら恐ろしいことが起こる、とされているため。)
尚、これが出版されたのは1990年からであるが、1998年にメディアファクトリーから『現代百物語「新耳袋」第一夜』として改めて出版され、「第十夜」までが出版されている。(更に、角川文庫からも全10巻が発売になっている。)ちなみに、最初の出版の時には各巻に100話ずつが収録されていたが、一夜で100話を読破した読者から多くの怪異が報告されたため、内容は同じであるが、話数を99話に圧縮して、メディアファクトリー、角川文庫で改めて出版された時には各巻99話となった。
ところで、タイトルに「新」という文字があることから、誰でも「耳袋」というものが存在しているだろうと考えるであろうが、その通りである。「耳袋」(当時は「耳嚢」と表記されていた。)は江戸時代に根岸九郎左衛門鎭衛(ねぎし・くろうざえもん・やすもり(資料によっては「しずもり」となっているものもある。))という人物が記した随筆である。根岸は南町奉行まで務めた人物であって、しかも17年間もその職にいた人物である。(1737年生まれ、亡くなったのが1815年なので、江戸時代中期から後期の人物ということになる。)その彼が佐渡奉行在任中の1785年頃から亡くなる直前の1815年までの30年以上にわたって書き溜めたものである。(佐渡奉行の後、1787年に勘定奉行となり、1798年に南町奉行となり、在任中の1815年に没した。)
内容は、彼が奉行職(佐渡、勘定、南町奉行)で接した人たちから聴き集めた怪談や奇譚を記したものであり、全10巻、各巻は100条からなっている。(各巻100話ずつ、合計で1000話ということになる。)
「新耳袋」はその「耳袋」のスタイルを踏襲し、「怪異」や「奇譚」を集めたことから「新耳袋」というタイトルになった。尚、「耳袋」に収録されている物語は、江戸時代当時の人々が語っていた話であり、江戸時代の物語であるが、「新耳袋」では現代の人々が語っていた話であって、昔から語り継がれてきた怪談話の類は収録されていない。(基本的に昭和の時代の物語である。)
「ラフカディオ・ハーン」:ギリシャ生まれのイギリス人として生まれ、後に日本に帰化し、日本人・小泉八雲となった。(生まれたときの本名は、パトリック。フラかディオ・ハーン)尚、「ラフカディオ・ヘルン」という記載がされることもある。(ファミリーネームは「HEARN」であるが、これを「ハーン」ではなくて「ヘルン」と記されたためである。)
1850年の生まれで、来日したのは1890年である。ハーバー・マガジンの通信員として日本にやって来た。そして島根県松江尋常中学校と島根県尋常師範学校の英語の講師となる。1891年に松江の士族の小泉湊の娘・小泉節子と結婚。1896年に帰化して小泉八雲となる。1904年に54歳で死去した。
彼は松江で英語講師を務めていたことは有名であり、松江というイメージがあるが、その後、五高(現在の熊本大学の前身)、東京帝大、早稲田大学でも講師として務めている。実際、松江にいたのは長くなく、1891年11月には熊本へ、1894年からは神戸、1896年からは東京に移っていて、東京での生活が一番長い。(1896年から亡くなる1904年までが東京在住である。)
来日してから、印象記、随筆、小説などを発表しているが、主な作品としては、1896年の「心」、1904年の「怪談」(17編の怪談と3編のエッセイから成る作品である。これは1965年に小林正樹監督で4編のオムニバス作品集という形で映画化されている。但し、原作の「怪談」から映画化されたのは2つの物語であって、他の2編は彼の別の作品集の中の作品である。)、1899年の「霊の日本」、1900年の「影」などがある。また、作品を通して日本文化をヨーロッパに紹介したことでも知られている。
↓いくつか
不思議現象の正体(トリック)を見破る―超能力や心霊現象に、人はなぜ騙されるのか (KAWADE夢新書)
- 作者: 安斎 育郎
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2001/04
- メディア: 新書
不可思議現象の科学 心霊現象、UFO、超能力、生まれ変わりなど、その真実を科学の力で明らかにする!! (サイエンス・アイ新書)
- 作者: 久我 羅内
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2009/10/19
- メディア: 新書
本当にあった恐怖体験!!呪われた写真 (広済堂ペーパーバックス)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 廣済堂出版
- 発売日: 2005/07
- メディア: 単行本
ノーベル賞科学者ブライアン・ジョセフソンの科学は心霊現象をいかにとらえるか
- 作者: ブライアン・D. ジョセフソン
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1997/05
- メディア: 単行本
↓全10巻の一部ですが...
- 作者: 木原 浩勝
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 1998/04
- メディア: 単行本
↓こういうものもあります。
↓こちらもいくつか
耳なし芳一・雪女~八雲 怪談傑作集 (新装版) (講談社青い鳥文庫 66-4)
- 作者: 小泉 八雲
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/08/30
- メディア: 新書
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