CHALK CIRCLE『THE GREAT LAKE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1986年に発表された彼らのデビュー・アルバム(ミニ・アルバム)である。カナダ出身の4人組のバンドである彼らは、カナダ国内ではヒットを記録しているが、陸続きのアメリカをはじめ、世界的にはブレイクすることはなかったものの、'80'sらしいポップなロックを聴かせているバンドである。結成は1982年であるが、メジャー・デビューが遅く、しかも本アルバムがミニ・アルバムという形での1st.アルバムだったということで、リリースの点では恵まれなかったのは残念な所である。(1990年に解散するまでに、本ミニ・アルバムと2枚のアルバムだけだったと言うのも寂しいところである。)
収録曲は、リリース当初のものではミニ・アルバムということで全6曲であったが、CD化されたときに3曲のボーナス・トラックが追加されて、形の上では辛うじてフル・アルバムの体裁となった。(後ろの3曲がボーナス・トラックである。)現在のCDに収録されている9曲は以下の通りである。『April Fool』『Trains』『Big White Clouds』『Me, Myself and I』『Great Lake』『Superman (Meets The Man Of Steel)』『20th Century Boy』『Come With Me』『Believe In Something』。
シングル・カットされたのは2曲であって、『April Fool』と『Me, Myself and I』である。この中の『April Fool』は7"シングル(2曲入り)と12"シングル(リミックスされたロング・バージョンの2曲と2nd.シングルのロング・バージョンの合計3曲入り)の両者がリリースされた。共にカナダではそれなりのヒットとなっている。また、ボーナス・トラックとして収録された『20th Century Boy』は1987年にシングルとしてリリースされた曲であり、1987年発表のフル・アルバムには収録されていない曲である。
お薦め曲はシングル・ヒットをしている『April Fool』と『Me, Myself and I』、そして『Big White Clouds』、ボーナス・トラックからは『20th Century Boy』をピックアップしておく。
'80'sでは、初頭の第二次ブリティッシュ・インヴェージョンの波の後、ダウンアンダー勢力の台頭期にカナダ出身のアーティストたちも次々とブレイクしていった時期がある。かれらの結成時期は正にそんな時期でもあったが、メジャー・デビューが遅くなったことで世界的なブレイクとはならなかったものの、これぞ'80'sロックというサウンドを聴かせてくれている。'80's中期以降は「産業ロック」と揶揄されるものが幅を利かせるようになったこともあって、彼らのサウンドはそういうものに埋没してしまったが、決して悪いものではない。(まあ、運がなかったということですかね...)
'80'sサウンドがお好きな方、特にアメリカ以外のバンドということでは、カナダというのは独特の味を持っているものが多いこともあるだけに、チェックしておいた方が良いアルバムである。
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