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名曲探偵アマデウス#67 マーラー「交響曲第1番『巨人』」 [ドラマ]

今回の依頼人は再登場となった産業スパイのあのお方でした。(ファイルNo.025のマーラー「交響曲第5番」に登場したあの人です。カノンさんが「スパイさん」と言っていたのには笑わせてくれました。→この人、今回もマーラということになりました。)しかも、「スパイ」と言うと「007」ということもあって、「007」のテーマ曲が劇中に流れたり、「ボンドガール」という名前が出てくるということで、嬉しくなってくる構成でした。(更に「峰不二子」「キューティーハニー」「チャーリーズ・エンジェル」という名前も(これらは本当に名前だけでしたけど...)出てきたということで、本当にNHKなの?と思ってしまいました。)

今回のカノンさんはお団子頭になっていましたが、今回の依頼人が再登場ということで、以前の登場時の映像がちらっと出ただけに、こういうところは面白いですね。(ファイルNo.025のカノンさんはショートボブでした。)

取り上げられた曲はマーラーの「交響曲第1番『巨人』」でしたが、この曲のことよりも「007」に関係する名称や『007のテーマ』が登場したことの方に注意を持って行かれた筆者でした。

冒頭、久しぶりに貧乏事務所という所を出していて、「お腹空いた」と言う所長。釣られてカノンさんもというところで、ラーメン屋の出前持ちがやってきた。が「頼んでいませんよ」とカノンさん。が、出前持ちは盗聴器が仕掛けられていないかを調べる。カノンさんは依頼人のことを覚えていたが、スイスの口座にお金を振り込まれていないのだったら、忘れたくても忘れないですよね。

あの産業スパイ・コードネーム1126は、仲間の女スパイが拉致されたため、助けたいということだった。で、CDが届けられ、それがメッセージだと思い、相談にやってきたのだった。更に、報酬としてはボンドガールとの合コンをセッティングする、ということで、所長は嬉しそうにして受けることにした。→ボンドガールと言っても、ハニー・ライダーをはじめとする初期のボンドガールならば合コンに参加するでしょうが、ジンクスやウェイ・リン、パムのようなボンドガールは合コンには興味を示しそうにもないと思いますし、エレクトラやゼニア、メイデイ、のようなボンドガールだったら、こちらの身も危なくなりそうだし...

尚、1126に言わせると、拉致された女スパイは「コードネーム1107」で、峰不二子とキューティーハニーとチャーリーズ・エンジェルとアントニオ猪木とを足して7で割ったような女と言っていました。(チャーリーズ・エンジェルは3人組なので3人とすると合計で6人となるが、それを「7」で割るという所が笑わせてくれます。(歴代のチャリ・エンを全員という合計すると10人となるので、その場合は13人を7で割ることになり、こう考えると凄い美女になりそうですが...))→そう言えば、歴代のチャーリーズ・エンジェル(TVシリーズでは6人、劇場版2作で3人と元が1人なので、合計すると10人になる)の中には1人は後にボンドガールになった人がいますね。(→TVシリーズの第5シーズンに登場したジュリーことであり、「007/美しき獲物たち」のステイシーですね。演じたのはタニア・ロバーツです。)

依頼を受けると、いつものように曲を聴いてみましょう、ということになるが、今回の所長はいつもよりもソワソワした感じが出ていましたね。やっぱり「ボンドガール」と言うと気になるものですね。一方、カノンさんの反応も面白いもので、ボンドガールに対抗しようとしている所が面白いところでした。

曲の方に入ると、まずは第1楽章から。ここでは楽器の変わった演奏方法についていくつか紹介されたが、この番組ではその部分をじっくりと聴かせてくれるので、実に分かりやすいですね。(バイオリンについて「フラジョレット」と「コル・レーニョ」、ホルンについての「ゲシュトップト」が解説されました。)また、カッコウの鳴き声は伝統的に「3度音程」が用いられるのに、この曲では「4度音程」が用いられているということの説明がありました。

中でも、「コル・レーニョ」についてはエレキギターをピックで弾くのではなく、とんでもない演奏方法をするギタリストがいるが、そういうものを思い出させてくれますね。

また、マーラーは変わった奏法を用いて新しい音を出して曲を作ったと言うが、こういうのって、現在ではシンセサイザーで合成することが一般的になっている効果音の世界であるが、以前は身近にある道具を用いて効果音を作っていた(お椀を使って馬の蹄の音を作るというのは有名なものとして知られている。→「ケータイ刑事銭形零」の1st.12話にいくつか出てきていました。)のを思い出しました。

続いては「失恋交響曲」という話から、その説明を経て、第3楽章へ。ここでは色んな替え歌でお馴染みの『フレール・ジャック』を取り入れた葬送行進曲ということが語られる。(カノンさんと依頼人のスパイさん(カノンさんはこう言っていました。)が楽しそうに替え歌を歌っていたのと、葬送行進曲という暗い第3楽章の対比が見事でした。)

更に、曲調が次々と替わっていくが、それが次々と紹介されて「ごった煮の交響曲」ということで「異化」の説明となる。(カノンさんは「烏賊?」と返していましたが、楽しいカノンさんです。)→野本先生の説明はいつもながら分かりやすいですね。

で、今までのものとは違う全く新しい世界を作る、という意図と語られるが、クラシック音楽とロックが融合したプログレッシブ・ロック(プログレ)の世界では異化された音楽が構築されているが、'70's前半には名曲があったのを思い出しました。

そして第4楽章の説明へ。ここでも次々と変わる曲調が出てくるが、「ごった煮の交響曲」と所長が語るところでのカノンさんといい、ここでのカノンさんといい、いつもながら豊かな表情を魅せてくれますね。

所長は「大どんでん返しがありそうですよ」と言うが、「どんな大どんでん返しが?」と依頼人に尋ねられると、自信満々に「分かりません」と返し、これにズッコケる依頼人とカノンさん。が、この時カノンさんは楽譜のタイトルが目に入り、「どうしてこの曲『巨人』と呼ばれているのですか?」と問う。すると「それだ!そこにこそ事件を解く最後の鍵が隠されているのです」と口にした。ということで、カノンさんの言動って、事件を解くのに大きなヒントになることが多いが、所長とのコンビもバッチリということですね。(「銭形泪」では相棒の言動から事件を解くヒントを得ていたことを考えると、真逆のことをやっているのが面白い所です。)

そして、その説明となり、マーラは後にこのタイトルを外したということで、タイトルに付いての推測が3つ紹介されたが、定説がないものについて複数の説を取り上げるというのは、学術的に見ても公平であり、見ている側も自分で色々と考えることが出来るので、知的好奇心をかき立ててくれて、考えたくなりますね。

所長は、女スパイが依頼人を必要としていると分かった、と結論づけると「きっと彼女の方から現れると思いますよ」と締めくくった。が、依頼人は納得できないようで、キツネに摘まれたような表情で帰っていった。この時、カノンさんは「スイスに銀行口座作りましたから」と、前回の報酬のことを遠回しに口にして、所長は「ボンドガールとの合コンもよろしくね」と今回の報酬のことをしっかりと口にしたが、こういうところも息が合っている所長とカノンさん。本当に面白いコンビですね。

最後に、マーラーの言葉が紹介されて曲の演奏に移っていくが、余韻を残した締めとして良かったですね。(依頼人が納得できずに帰って行っただけに、謎を残した形での結びとしたら、こういう方が余韻に浸れますし...)

今回は、ドラマ部分は35分半強、曲が7分強、ラストのオチの所が1分強という構成で、ほぼ平均的な時間配分でした。が、7分では曲の全てというのは無理であって、第3楽章と第4楽章のダイジェストというものになっていました。

ラストのオチは、カノンさんが依頼人から手紙が届いている、と言って所長の下にやってくると、文面を読む。そこには所長が言っていた大どんでん返しがありました。

1107は二重スパイで、ある筋から理上方で、1107が任務を終えて敵の組織に戻ったことが分かった、とあった。(『007のテーマ』がバックに流れてきて、)更に「それだけではありません」とカノンさんが読み続け、「1107はナント、男でした!!」これに所長は薄笑いをした。驚くカノンさんは「所長、知ってたんですか?」と問う。すると、「見た目ではなくて内面を見て欲しい、偽りの大団円、つまり何かを偽っている、タイトルの『巨人』」と語り、これらから1107は大柄で声はアントニオ猪木、ということで、分かっていました。が、「そんなことよりもボンドガールとの合コンが無くなったことが悲しいよ」と漏らした。するとカノンさんは「何言ってるんですか」と食いつき、甘ったるいねこなで声で「所長には私がいるじゃないですか~」と言う。すると所長は、「響くん、君は女だったのか?」と返した。するとカノンさんは瞬間湯沸かし器の用に一気に怒りが爆発となって、所長にパンチを繰り出して「女じゃ~」と叫んでいた。(『007のテーマ』のエンディングの部分での締めというのも絶妙でした。)→以前、ボクシングのチャンピオンもタジタジとなったカノンさんのパンチですから、所長の怪我はどれほどのものになったことでしょうか...

事件の謎を解いていく所では、今回はいつもと比べると消化不良に感じられていたのたが、依頼人が全て納得してすっきりしたということにならずに帰って行ったこともあって、今一つに感じられたのだが、前回(ファイルNo.025)の報酬と同様に今回もただ働きになるという予感が所長にはあったのではと考えると、上手くあしらったように感じられた今回の物語でした。

ただ、所長が「大どんでん返しが」と言っていたので、何かあるという予想をしたが、二重スパイだったというのは思ったのですが、「男だった」というのはとんでもないどんでん返しですね。が、このオチで思い出したのは、「007/ユア・アイズ・オンリー」でのエピソードで、殺し屋のゴンザレスがメリナ(=ボンドガール)の両親を殺した報酬を自分のスペインの別荘にやってきた依頼人で殺し屋のロックから報酬を受け取るシーンがあるのだが、このシーンでプールサイドにいた美女たちの中に、実は元男性がいた、という話である。(性転換手術を受けて、男から女になったのだが、007スタッフも後からこのことを聞いて驚いていた。ちなみにその人物とはイギリス出身のTULA(テューラ)です。)今回のどんでん返しのオチと被っているように感じたのだが、「男だった」というオチは「ユア・アイズ・オンリー」でのこの話が根底にあったのかもしれませんね。しかもバックには『007のテーマ』が流れていただけに...

銭形泪」(特に2nd.10話を見た時)で思ったことは、黒川芽以さんは将来、ボンドガールになって欲しいと思ったのだが、今回の「名曲探偵アマデウス」でそのことをまたも思い出させてくれました。(そうなると、所長はカノンさんと合コンするということでボンドガールと合コンするという気分になるでしょうし...)

来週はファイルNo.068のベートーベン「ピアノ・ソナタ第23番『熱情』」ですが、今月の新作はそこまでとなって、6/28は何かの再放送です。そしてファイルNo.069のドビュッシー「水に映る影」は7/5となります。再放送の方は、BS-hiは全てマーラーであり、BS-2は17日がファイルNo.066のラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」、20日はファイルNo.067のマーラーです。

 

マーラー:交響曲第1番「巨人」

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  • アーティスト: ショルティ(サー・ゲオルグ),マーラー,シカゴ交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/02/21
  • メディア: CD

マーラー:交響曲第1番

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マーラー:交響曲第1番「巨人」

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マーラー:交響曲第1番<巨人>(花の章付き)

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マーラー:交響曲第1番「巨人」

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マーラー:交響曲第1番

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マーラー:交響曲第1番「巨人」

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マーラー : 交響曲第1番ニ長調 「巨人」

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マーラー:交響曲第1番

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