「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その164) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「動物同士の対決」です。取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「泪・2nd.25話(アナザーストーリー・3話)」、「007」からは「カジノ・ロワイヤル」です。
「ケータイ刑事」:「泪・2nd.25話(アナザーストーリー・3話)」。この物語の正式なサブタイトルは「アナザー・ストーリー シベリア超特急刑事 未確認生物メッシー現る ~マルコポーロを迎撃せよ!」であるが、「アナザー・ストーリー シベリア超特急刑事」の部分は省略することもある。高村さんがシベリアに栄転したことで、泪ちゃんと鑑識の柴田太郎さんがコンビを組んで動いていた物語である。柴田太郎さんにとっては、人生で最良の日々だったということが言えますね。
物語の冒頭部で、泪ちゃんが警視庁の地下にあるチケット売り場(警視庁チケット課)に行って、多聞バンドのライブチケットを購入し、嬉しそうな表情を見せていた。そこに柴田太郎さんがやって来て泪ちゃんに声を掛ける。すると泪ちゃんは購入したばかりの多聞バンドのライヴチケットを自慢げに見せて「見て下さいよ、多聞バンドのライブチケット、ゲットですよ」と言い、誇らしげだった。で、「柴田さんは?」と尋ねた。
これに「僕も、格闘技のチケット、買いに来たんだ」と告ると窓口に行く。そして「ハブVSマングースのチケット、まだあります?」と尋ねた。どうやらそのチケットはあるようで、柴田さんはソワソワしながら待っていた。
やがて、袖が軍服という窓口係員が柴田さんにチケットを出し、それを受け取った柴田さんは直ぐにチケットを確認する。が「おや?」と漏らした。すかさず泪ちゃんが「どうしたんですか?」と尋ねる。すると柴田さんは受け取ったチケットをそのまま泪ちゃんに渡した。チケットを手にした泪ちゃんは「えっ?東京、シベリア?」ともらした。というのは、そのチケットは、東京発シベリア行きの片道切符(それが2枚)であったのだった。
結局、柴田さんはお目当ての「格闘技・ハブVSマングース」のチケットを手に入れることが出来なかった。
で、このチケットの意味はというと...(柴田さんも高村さんに次いでシベリアへ左遷されるのか?という考えもあるが、2枚だったので「片道×2=往復」という解釈も出来ますし、結局は謎のままである。が、シベリア超特急に乗った閣下がやってくると解釈することで十分でしょうね。)
尚、柴田さんが買い求めたチケットは「格闘技」のチケットで「ハブVSマングース」の試合である。これをどう解釈するのかであるが、日本では「?」と言う気がするが、世界では動物同士の対決を見せ物興行として行っていることが多いだけに、素直に動物(「ハブ」と「マングース」)同士の対決興行のチケットと解釈しておく。(日本でそういう興行が事業として成り立つのかは別問題とします。)→別の考えでは、「ハブ」「マングース」というリングネームの格闘家、もしくはそういうニックネームの格闘家の対戦カードが組まれた試合と解釈することも出来る。(日本で行われる格闘技の興行と考えると、この考えが妥当であるのだが、そう考えると面白くないだけに...(やはり、ここは動物の「ハブ」と「マングース」と考えることにします。)
「007」:「カジノ・ロワイヤル」。2006年のシリーズ第21作で、6代目ボンドのデビュー作である。尚、同名の作品が1967年にあるが、そちらはイオン・プロダクションは関与していないと言うことで、シリーズの番外編とされている。(ボンドも、D・ニーヴンをはじめとして複数が演じているし、監督も5人の連名になっているというとんでもない作品である。→コメディ作品です。)
00要員に昇格したボンドの最初の任務は、世界中のテロリストの資金源である謎の男の正体を突き止めることであった。で、マダガスカルに入ったボンドは、謎の男を突き止めるためにある男をマークする。そこはある動物同士の決闘の興行が行われている屋外の決闘場であって、大勢の観客を集めてコブラとマングースの対決が行われていた。(当然、賭けの対象となっているため、大歓声に包まれていた。)
ボンドがマークした男は爆弾を持っていて、ボンドがそれに気づき、追いかけ始める。そしてコブラvsマングースの戦いが行われて盛り上がっている会場の中を観客の中に紛れ込んで逃げる爆弾男は走って逃走する。ボンドも走って男を追跡し、追いかけっこが始まる。ビルの建設現場に逃げ込み、そこで上へ下への大追跡劇を経て、男はフランス大使館に逃げ込んだ。しかしボンドは国際ルールを破って、男を射殺してしまい、国際世論はボンドを非難する。Mもボンドを00要員に昇格させたのは早すぎたと感じていた。
しかしボンドは全く反省をしておらず、任務を続けるために、男が持っていた携帯電話から、手掛かりとなるメールの発信元であるバハマへと向かった。
共通点は、動物同士の対決というものは、毒蛇とその天敵であるマングースとの戦いであったということ、そして物語の主人公(泪ちゃんとボンド)とそれに絡んだ人物(柴田さんと爆弾男)はその対決を見ていないということである。(そもそも「ケータイ刑事」ではチケットすら入手出来ずにいましたけど...)しかも、物語に登場しているものの、あくまでも物語の本筋としてではなく、ネタとして、またはその場として出てきただけである。
ボンドが男をマークするのであれば、動物同士の対決ではなく、人間同士の対決が行われるスポーツの会場や、人混みということでは街中の駅などでも構わない。(実際、「007は二度死ぬ」と「黄金銃を持つ男」でボンドが接触を図る場所としては、前者では蔵前国技館(横綱佐田の山が現役の時であるため、現在の両国国技館はまだ存在していなかった。何せ、1967年の作品です。)の大相撲会場、後者はキックボクシングの試合会場(舞台がタイだったので、国民的格闘技ということになるとやはりキックボクシングです。)であった。)それが動物同士の対決で、しかも毒蛇とその天敵の対決という所まで一致しているのは、やはり傑作ならではに共通する驚くべき所である。(尚、この2作品の時間的関係は、「ケータイ刑事」が先で「007」が後であるので、「ケータイ刑事」の方が意図したことではない。)
相違点は、「ケータイ刑事」ではチケットを購入しようとしただけであって、実際に動物の対決の場に居合わせていないが、「007」では、ボンドは対決を見ていないが、実際に動物の対決が行われた場所に居合わせているという所である。
次回もシチュエーションということで記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。
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↓こちらの「カジノ・ロワイヤル」ではありません。
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