SSブログ

MM-9 -MONSTER MAGNITUDE-#9 [ドラマ]

今回はいつもより1時間繰り下がってのスタートとなったMBSの放送であったが、内容的には特撮好きな人を敬遠するような方向であり、しかも逆なでするような方向に持って行ってましたね。で、今回は「水曜スペシャル」のノリで描かれた物語でした。(水曜スペシャルというと「川口浩探検隊」と「ヤラセ演出」であって、昭和のノリのバラエティであるが、何かと批判されている対象でもあのます。)が、オチがブラック度の高いものであって、シニカル・ドラマと捕らえたら実に面白いものに仕上がっていました。(特オタにはもはや「駄作」の領域ということになるのでしょうが...)

また、今回は映像の方も、いつものフィルムの質感が無く、ビデオ撮影したパッと見には綺麗に見えるが、陰影部分の描写が苦手であってのっぺりとした映像を(オチの部分以外に)使っていて、実に考えられていました。

炎上する街、登場する怪獣、「怪獣大国日本」というテロップ。(石坂浩二ではない)ナレーターの語りがあって、「密着!気象庁特異生物対策部24時」というテロップが出る。ということで、これは気特対の活動を密着取材したドキュメンタリー番組「特捜チューズデー」という番組であった。(ということで、こうなると「ヤラセ」いうオチが真っ先に頭に浮かんできますが...)

出勤するさくらから始まる番組。(公務員としても、プライベートそのまままで出しちゃって良いのですかね..?→この疑問がラストで...)一方、やる気が見られない朏。そんな2人がコンビを組んで怪獣に対処しているという説明がされるが、見ていて実に頼りなさを感じるだけですが...

そんな所に、出動命令が出る。(来ました、水曜スペシャルのパターンです。)その場所は新潟県飯里村。45年前に大型の怪獣19号(ヌーさん)によって壊滅させられたことで有名な場所でもあった。また、2ヵ月前に雪男らしき生物の写真が撮らたことから、最近はその目撃情報が急増しているということで、ヌーさんの子供の可能性があるとして、気特対が出動となった。で、朏とさくらが現地に飛んだ。

水曜スペシャルのパターンでドキュメントが進んで行く。で、対象物らしい存在を発見して追っていく朏とさくら、そして地元の住民たち。そして伝説の雪男の姿を捕らえたというところで「CMの後はついに雪男捕獲」というテロップが出て、本当にCMへという水曜スペシャルばりの展開で進んで行く。

CM明けは(お約束の)少し時間的に戻った所から再開される(則ち、同じ映像がもう一度使われるというお馴染みのパターン)ン海で、しっかりと水曜スペシャルとなっている。で、ヌーさんが捕獲されたと思ったら、それは着ぐるみの男であって、ぼかしとピー音が入りながら、男は逮捕された。ということで、水曜スペシャルらしい「やらせ」であったが、男の動機は、過疎が進む故郷に何か観光の起死回生の起爆剤が作りたかった、ともっともらしいシニカルなことを語っていた。

つづいて、さくらの休日の模様を挟んで、2本目のドキュメンタリーへ。「恐怖の都市伝説!廃屋のバタバタさんを見た」ということで、これも水曜スペシャルらしいタイトルの付け方である。で、これには朏とさくら、そして案野が出動する。→「怪談新耳袋 殴りこみ」を見ているような展開ですね。

ここでは3人がバタバタさんを呼び出す行為を行っているが、すかさずテロップとして「呪術行為『バタバタさんいらっしゃい』は法律で禁止されています 気特対は法令に従ってこれを行っています」という最もらしい雰囲気を盛り上げるテロップ(ただ、内容的には矛盾していて意味不明というのも水曜スペシャル・テイストらしい所である。)が出る。更に、それらしいところで「もう一度お聞きいただこう」ということでプレイバックするお約束の展開から、それらしいものが登場したところで「CMの後はついにバタバタさんが現れる!」ということで、水曜スペシャルノリが続く。

CM明け、同じような展開でバタバタさんが現れ、悲鳴を上げて逃げる3人。が、案野は逃げながらデジカメでバタバタさんを撮影していた。翌日、神主を呼んで、3人が出席して御祓いが行われ、環境省の監視下に置かれることになったと、それらしいナレーションで締めくくられた。

「巨大植物怪獣出現! 気特対出動せよ!!」というテロップ。大阪府吹田市の住宅の密集地域に怪獣が現れたということで、出動した気特対に密着取材し、怪獣にはモザイクがかかり、緊迫した様子で語られる。が、「次週、密着!気象庁特異生物対策課 24時第2部を乞うご期待」という次回予告でした。

で、以上の番組を見ていた気特対の面々たち。それぞれが感想を漏らして、「2部を(見よう)」ということを話していると、「そのテープは回収します」と言って、男がやってきた。協議の結果、放送が中止になったというのだった。これは長官命令であって、「当該する番組は特異生物対策課の余りにも不確かすぎる活動を市民に印象づける可能性が十分にある。そこで放送の中止、および撮影素材の回収を要請しました。以上、終わり」と役人らしい語りで説明した。案野が反論し「これがダメなら私たちは何をすればいいんでしょうか」と尋ねるが、灰田が「これが我々の仕事ですから」と口にした。で、役人はビデオテープの回収をするということで「解散」となり、持ち場に戻る気特対の面々たち。が、役人はデッキからテープを取り出したが、テープが引っかかってしまい、和訳茶になる。「僕のせいじゃないからね」と慌てて取り繕う役人だったが、気特対の面々は誰一人として相手にしなかった。

「怪獣」という存在を上手く利用した遊び心に満ちた物語でしたね。しかも、ドキュメンタリー番組部分の映像の室はテレビらしい雰囲気のビデオ撮影調のものになっていて、ラストのオチの所(気特対の日常部分)ではいつものフィルム調になっていたということで、実に凝っている。しかも、この手のドキュメンタリー番組は「ヤラセ」であるというのが常識であり、ヤラセそのままのような演出を仕込んでおき、結果的には「番組の放送中止、撮影素材の回収」ということで、全てを無にする決断て占めて、現在の(つまらないバラエティ主流の)テレビ界に警鐘を鳴らしているという所が実にブラックでした。

それにしても、今回がシニカルな方向に向かったのは、社会風刺のスパイスが程よく利いていた「古代少女ドグちゃん」が復活して「古代少女隊ドクーンⅤ」が10月から始まるということを意識しているような感じで、なかなか面白い編成でした。(「ドグちゃん(ドグーンⅤ)」もBS-TBSで放送してくれることを期待しますが...)「特撮番組を模した低予算番組」であって「特撮番組」ではない本作の命は一にも二にもアイデアであるが、「ドグちゃん」以来、MBSは(常にではないが)やってくれるものですね。

 

MM9 (創元SF文庫 )

MM9 (創元SF文庫 )

  • 作者: 山本 弘
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/06/24
  • メディア: 文庫

MM9

MM9

  • 作者: 山本 弘
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 単行本

MM9 DVD-BOX I(仮) 【期間限定版】

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD

MM9 DVD-BOX II(仮) 【期間限定版】

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
怪談新耳袋 殴り込み [DVD]

怪談新耳袋 殴り込み [DVD]

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
怪談新耳袋 殴り込み! <西日本編> [DVD]

怪談新耳袋 殴り込み! <西日本編> [DVD]

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
怪談新耳袋 殴り込み! <東日本編> [DVD]

怪談新耳袋 殴り込み! <東日本編> [DVD]

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD
水曜スペシャル 川口浩 探検シリーズ ~未確認生物編~ DVD-BOX (通常版)

水曜スペシャル 川口浩 探検シリーズ ~未確認生物編~ DVD-BOX (通常版)

  • 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。