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MM-9 -MONSTER MAGNITUDE-#10 [ドラマ]

前回に続いて今回もまたまたぶっ飛んだ物語になりました。一応、背景には黒澤明監督作品の「どですかでん」を意識していたことを考えると、気特対の日常生活を(「どですかでん」と同様の)明るいタッチで描いていたということなります。

ただ、今回の物語の舞台となった料亭(?)それともやはり設定通りに居酒屋(?)と言うべきなのか分からないが(一応、劇中では「お祭り居酒屋」となっていましたが...)、その「どですかDEN」という店であるが、あんなことをやっていると、あまりにも人件費が掛かりすぎていて、料理の値段が異常に高そうな気がするのですが...(例えば、ビール1杯2000円など)若しくは金を使うのに困っているような超金持が道楽で経営しているか、ただ働きに近いような給料(日給1000円など)という可能性も考えられる...(ただ、これだと「最低賃金」ということで違法ということになる...)→この非日常的な店が「M」だという解釈も出来ますね。

部長の久里浜と課長の室町が、仕事を終えて「どですかDEN」という提灯の下がっている料亭風の店に入った。この店は、さくらが氷室の歓迎会をするとしていた店だった。(実現しなかったため、とりあえずやってきた、というところですかね。)すると店員たちはいきなり阿波踊りを始めて2人を迎えた。で、その勢いに乗って奥の座敷に案内された。(見た目は普通の座敷だったが...)

とりあえず座った2人だったが、今度はねぶた祭に現れるカラス族のような集団がやってきて2人におしぼりを渡した。あまりにも派手な接待であっけにとられる2人だった。

それ以後、注文をする際にも、また注文した料理を持ってくる際も、日本各地の祭の際に着るような装束に身を包んだ店員が対応していた。
何だかんだで、注文して料理に手を付ける2人は、色々と話を始める。そんな中、気特対のメンバーたちと余り話をしていないと部長が言うと、室町はメンバーを誘う携帯メールを送った。

直ぐに返事があると言う室町だったが、なかなか返事が来ない。ということで、部長は何かと話し始める。一方、室町は酒(芋焼酎)を2杯注文し、両手に持って深酒へと入っていった...

一方、メールを受け取った気特対のメンバーたちは残業をしていて、誘いに乗るかどうかということで揉めていた。「私、行きます」と言う積極的なさくらと「行かない」と言う朏は灰田が行けばと押しつけている。そんな中、さくらが朏に、「行く気無いのなら、さっさと断りのメールを返せばいいのに放ってあるし」と言うと、「私はまだメールに気づいてないことになってるの。3時間後ぐらいに気づいて、課長に謝りのメールを直ぐに入れる」と行っていた。(これに灰田は「姑息」と漏らしていた。)すると「万里さんがこんなこと行ってるよ、とちくりに行こう」と灰田を誘うさくら。で、灰田は行くことにした。

色々と話をしている部長と課長。やがて、トイレに行った室町は、そこに張ってあった写真に気づいたが、ぼやけてよく見えなかった。で、部長に「老眼鏡を貸して頂きたい」と言う。一悶着あり、室町は店員に虫眼鏡を借りようとするが、断られる。再度部長から借りて、トイレに行った室町は、先ほどの写真を改めて見た。すると、開店3周年記念のサービスフェアのちらしの写真の中に、何とさくらが映っていたのだった。で、慌てた室町は店長の下に走った。(ミノカサの)店長は「女の子の個人情報、教えられる訳無いでしょう」と行って拒否。「フェアは?」と確認すると「来週からです」との返事。室町はさくらに電話を入れるが、さくらは出ない。で、室町は、(公務員の副業禁止の)責任を取って「明日にでも辞表を」と行って土下座するが、部長は「みんなが来ないこと」と思っていて、そこまでする必要はない、と言う。で、室町は「公務員の副業禁止に関わる事態」と告げた。「何の話だ?」と返す部長に「藤澤さくらはここで働いています」と告げた。

で、さくらのことで色々と言い合う2人。「利益誘導」「あいつは意外にバカです」「知識はなくても知恵はありそうだ」「知識もなければ常識もない」などとボロクソな言葉が出るが、「家族同様の部下ならまず信用しろ」と言う部長は、やっぱり上司らしい言葉を口にしていた。で「帰ろう」と口にした部長。

そんな時、室町の携帯にメールが届いた。早速目を通したが、それはファーストフードの店からのクーポンだった。ということで部長は「撤収」と言うと、立ち上がった。

「ありがとうございました。」と言う言葉に送られて店を出ようとする部長と課長。そんなところにさくらたちみんな(灰田、朏、山際、森橋)がやってきた。「もう帰るの?」と言うさくらの腕を捕まえて、室町はさくらを店の中に引っ張っていき、「この店とどういう関係だ?」と問い詰める。すると「高校を卒業して気特対に入るちょっと前までバイトしていました」と答えた。室町は来週からのフェア・ポスターの写真のことを告げると、さくらは店長のもとへと走っていった。

店の表では、部長は「色んな意味で凄いぞ。楽しんでこい」とみんなに言うと、一人で帰って行った。朏や灰田たちは玄関を開けて店の中に入ると、サンバのリズムに乗ってのお祭り騒ぎで迎えられる。これに唖然とした表情をしていた一同だった。

シュールな作品ということでは、今回もその本領を発揮した物語でした。何かと派手な店が舞台となっていたが、ある意味ではその店が「M」だったと言うことも出来る展開ということで、なかなか面白い物語でした。

今回、阿波踊り、青森ねぶた祭、花笠祭、仙台七夕まつり、舞妓さん、リオのカーニバル、などに加え、鎧兜の武者、店長はミノカサということで、物語の舞台となっていた「お祭り居酒屋」は、実は「コスプレ居酒屋」でもあったというのも面白い所でした。(ただ、採算と言うことでは厳しそう...)

また、映画「どですかでん」は山本周五郎原作の「季節のない街」の映画化作品であって、黒澤明監督初のカラー作品でもある。(当然、怪獣映画とは全く関係のない作品である。)一方、本作「MM9」の原作は山本弘ということで、同じ「山本」つながりがあるのと、登場人物の日常を描いた作品であるというのも共通している。ということで、なかなか面白い仕掛けまで用意していたのは凄い所でもありました。

尚、「どですかでん」は興行的には決して成功したとは言えず、興収成績ということでは悪かったのだが、本作も「怪獣が登場する」ということに期待した(先走りの一部マニア(→本作は公務員の日常にスポットを当てた作品であることを忘れている単なるバカ))の暴走によって「失敗作」という声があるというのも共通点と言うことになってしまいそうですね。シュールな物語と言うことではなかなか上手く描かれた隠れた秀作であるのに...

 

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