「SHOW BOAT」(1936)

表題の作品は、1936年の映画「ショウ・ボート」であるが、これは1929年の同名作品のリメイクである。（本作から更に15年後となる1951年に再びリメイクされている。）と言うことで、本作は2度目の映画化と言うことになるのだが、前回の映画化から7年しか間がないということと、舞台でロングラン上演されていたこともあって、前作と同じ顔ぶれが何人か出演しているため、リメイク作品ということではちょっと面白いことになっている。

作品データを記しておくと、時間は113分、原作はエドナ・ファーバー、監督はジェームズ・ホエール、脚本はオスカー・ハマースタイン2世、撮影はジョン・J・メスコールとジョン・P・フートンの2人、音楽はジェローム・カーンとヴィクター・バラヴァリーである。そして出演は、アラン・ジョーンズ、アイリーン・ダン、ヘレン・モーガン、ポール・ロブソン、チャールズ・ウィニンガー、ハティ・マクダニエル、ヘレン・ウェストリー、クイーニー・スミス、サミー・ホワイト、ドナルド・クック、マリリン・ノールデン、サニー・オデラ、アーサー・ホール、チャールズ・ミドルトン、J・ファーレル・マクドナルド、たちである。

ミシシッピ川に沿って、ショウを行って街を回っているコットン・プラッサム号が、ある町・グーンビルに入って来た。大歓声を受ける一座であったが、船の雑役夫・ピートは、ジュリィに贈ったブローチを黒人コック・クイニィが着けているのを見ると怒りをあらわにして、ジュリィに黒人の血が流れているという事実を暴露した。で、州の法律によってジュリィは追放されることになり、ショウの看板に、アンディー船長は娘のマグノリアをヒロインに抜擢し、相手役にはゲイロード・ラヴェナルという青年を選んだ。が、ゲイロードは実は賭博師であったことを隠していた。そんな2人は会うと直ぐに恋に落ちる。これにアンディ船長は、妻・パーシーには内緒で2人を結婚させた。暫くは問題は起こらなかったが、ゲイロードはいつまでも旅役者を続けるという気持ちはもっておらず、いつしか賭博に填るようになり、マグノリアが娘キムを産むと、親子3人でショウ・ボートを去ってシカゴに移り住んだ。貧しいながらも幸せな4年を過ごすが、ゲイロードが賭博で大損し、姿をくらましてしまった。マグノリアはキムを育てるために働き始めるが、ある日、父・アンディと会い、再び舞台に立つ道を選んだ。しかし、ゲイロードのことが忘れられないマグノリアに明るさは戻ってこなかった。また、キムもマグノリアの指導で舞台に立つことになった。母娘共演ということもあって、マグノリアはかつての輝きを取り戻していた。そして迎えたキムの初舞台の日、楽屋には落ちぶれたゲイロードの姿があって、必渋りにマグノリアと再会した。そしてアンディと共に、マグノリアとキムの舞台を見るのだった。

本作製作当時は、黒人に対する差別もまだ根強く残っていたこともあって、原作小説からの変更が行われているのは仕方のないところでもある。しかし7年前の作品とは雰囲気が違っているのは、脚本を上手く練ったことによるものであり、面白い所である。

15年後に再びリメイク作品が製作されるが、それを含めて見比べてみることをお薦めしたい作品である。（1929年の初映画化時の作品は、見ようと思ってもソフトが無く苦労するが、本作は数はそれほどではないものの、ソフトも出回っているため、視聴機会は色々とありますし...）

 

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