FLEETWOOD MAC『FLEETWOOD MAC』(1975) [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1975年に発表された彼らの10枚目のスタジオ・アルバムである。と同時に、本作からS・ニックスとL・バッキンガムがメンバーとして加わり、新生FLEETWOOD MACとなった初のアルバムでもある。表題に「(1975)」と記しているのは、1968年のデビュー・アルバムと同じタイトルのアルバムだからである。しかし、デビュー・アルバムとは比べものにならない大ヒットを記録して、ここから彼らの快進撃が行われることになる。)尚、邦題は「ファンタスティック・マック」と付けられていた。
チャート成績も、これまでのアルバムは全米TOP 40入りがやっとというところであったが、本アルバムは初登場から58週目に遂に全米No.1の座を獲得「長期No.1到達アルバム」の記録を更新したことでも知られている。(1位はその1週だけである。)また、1976年のBillboard年間アルバム・チャートでは2位に、1977年では10位(この年1位が彼らの「RUMOURS」である。)にランクインして、ロング・ヒットになったことをチャートでも証明している。また、イギリスでは最高位23位、オーストラリアでは最高位3位、カナダでは最高位15位を記録している。
収録曲は、オリジナル版では全11曲であったが、2004年にリマスターされたものには5曲のボーナス・トラックが追加されて全16曲となっている。収録曲は以下の通りである。『Monday Morning』『Warm Ways』『Blue Letter』『Rhiannon』『Over My Head』『Crystal』『Say You Love Me』『Landslide』『World Turning』『Sugar Daddy』『I'm So Afraid』。(以下、ボーナス・トラック)『Jam #2』『Say You Love Me (Single Version)』『Rhiannon (Will You Ever Win) (Single Version)』『Over My Head (Single Version)』『Blue Letter (Single Version)』。
この中からシングル・カットされたのは都合4曲である。リリース順に、『Warm Ways』(チャートインせず)、『Over My Head』(US最高位20位)、『Rhiannon』(US最高位11位、UKは1976年はチャートインせず、1978年に再発された時に最高位46位を記録した。)、『Say You Love Me』(US最高位11位、UK最高位40位)ということで、アルバムのヒットと比べると、シングル・ヒットは地味な範囲に留まっている。(が、派手な曲が無いものの、秀曲が多いということでもある。)
お薦め曲は「全部」と言いたくなるのが当然というほど充実した内容であるのだが、飛び抜けている曲は無く、捨て曲が無くいずれもがクオリティが高いというのが特徴である。(平均点が高く、標準偏差が小さいということになる。)そんな中、シングル・カットされている曲に関してはいずれもが聴いておいて当然という曲であるということだけを記しておくことにする。
本アルバムは、彼らのキャリアに於いても重要な転換期のアルバムとなり、本アルバムから彼らの快進撃が始まることになった(但し、ギアが入るまでには時間がかかりましたけど...)だけに、彼らを聴く上では絶対に外せないアルバムである。但し、かつてのマックのブルース・ロックがお好きな方にとっては、サウンドが変わったことで寂しく感じる所でもあって、複雑な感じがするでしょうね。が、バッキンガム・ニックスの加入はバンド名こそ同じであるものの、別バンドへの脱皮でもあるだけに...
いずれにしても、'70'sのロック史に残る傑作アルバムであり、彼らの快進撃のスタートとなった記念すべきアルバムであるため、必聴のアルバムである。
ファンタスティック・マック(リマスター&ボーナス・トラック・エディション)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2010/05/26
- メディア: CD
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