GOLDEN EARRING『MOONTAN』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1973年に発表された彼らの9枚目のアルバムである。オランダのロック・バンドであって、結成は1961年という彼らは、ある意味ではロック・バンドの生き字引でもある存在である。(メンバー・チェンジを繰り返して、現在も現役バンドである。)本アルバムはイギリスで大ヒットを記録したシングル曲が生まれている(アメリカでもヒットを記録している。)と言うことで、日本では今一つ知名度がない彼らであるものの、名前の通っているアルバムである。本アルバムは、本国オランダでは最高位2位を記録しており、アメリカではBillboardで最高位12位を記録し、1974年の年間アルバム・チャートでも82位にランクインしている。
収録曲は、オリジナル版では全5曲であり、US盤のCDはそのままであったが、欧州盤のCDではその内の1曲を外して別の2曲が追加収録されるという形となった。(曲順も変更されている。)オリジナル版の収録曲は以下の通りである。『Radar Love』『Candy's Going Bad』『Vanilla Queen』『Big Tree, Blue Sea』『Are You Receiving Me』。
一方、欧州盤のCDの収録曲は以下の通りである。『Candys Going Bad』『Are You Recieving Me』『Suzy Lunacy (Mental Rock)』『Radar Love』『Just Like Vince Taylor』『The Vanilla Queen』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。まずは『Candy's Going Bad』がアメリカで最高位91位のヒットとなり、『Radar Love』はアメリカでは最高位13位を記録し、1974年のBillboard年間シングル・チャートでは64位にランクインしている。また、イギリスでは最高位7位を記録している。
お薦め曲は、オリジナル版全5曲の全てと言って良い(捨て曲はないということでもある。)が、'70'sの彼らの代表曲である『Radar Love』はやはり別格である。シングルの『Candy's Going Bad』もやはり外せないところであり、『Vanilla Queen』と『Are You Receiving Me』はいずれもが9分半前後の超大作であって、たっぷりと彼らのサウンドを堪能出来るので、じっくりと聴きたいところである。残る『Big Tree, Blue Sea』は欧州盤のCDでは外された曲であるが、逆に希少な存在となっていて、現在では隠れた名曲とされている。(US盤でしか聴くことが出来ないだけに...)
かれこれ半世紀というキャリアに達する彼らと言うことを考えると、本アルバムは10年ちょっとという時期に発表されたものであり、キャリアの点では前半と言うことになる。'60'sの時代でもオランダをはじめ、欧州ではそれなりに知られる存在であったが、本アルバムのヒットによってイギリスやアメリカでも広く知られるようになったことを考えると、彼らのキャリアに於いてもポイントとなるアルバムである。それだけに、ロック・ファンであればしっかりと聴いておきたい所である。(特にヨーロピアン・ロックがお好きな方は、穴的な存在のバンドでありますから...)
↓US盤(5曲収録)
↓EU盤(6曲収録)
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