SSブログ

HOWARD JONES『CROSS THAT LINE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1989年に発表された彼の4枚目のアルバムである。彼というと、'80'sのシンセサイザーを駆使したポップなサウンドの代表者の一人とされているが、本アルバムはその路線とは全く違った別人になってしまったアルバムとして、当時は不評であった。が、それが'80'sも終わりに近づいた'89年の発表ということで、'90'sという時代を暗いものにするような予言に満ちていたということにもなっていた。(実際、'90'sは'80's以上に様々なジャンルの音楽が次々と登場しては消えていく混迷の時代となった。)本アルバムは、イギリスでは過去3枚のアルバムが1位、2位、10位というTOP 10ヒットになっていたのに、最高位64位と伸び悩み、アメリカでも最高位65位ということで、低迷した。(USでは本アルバムを最後に、以降のアルバムはチャートインしていない。)

収録曲は以下の全10曲である。『The Prisoner』『Everlasting Love』『Powerhouse』『Last Supper』『Cross That Line』『Out Of Thin Air』『Guardians Of The Breath』『Fresh Air Waltz』『Wanders To You』『Those Who Move Clouds』。

この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングルの『Everlasting Love』はイギリスで最高位62位と伸び悩んだものの、アメリカではBillboardで最高位12位を記録している。続く『The Prisoner』は、アメリカで最高位30位を記録したものの、イギリスではチャートインし無かった。お薦め曲としては、シングル曲の『The Prisoner』と『Everlasting Love』を、それ以外からは『Powerhouse』をピックアップしておく。

一曲一曲をじっくりと聴いていけば、それなりの評価が出来る作品があるのだが、収録されている曲としては、シンセサイザーを駆使した曲というだけであって、ジャンルがバラバラになっていて、曲を寄せ集めただけという印象が先に出てしまい、アルバムとしての柱が無いというのはツライですね。ある意味では「ベスト・アルバム」のような後世とも受け取れるが、ベスト・アルバムの場合はそれなりの華のある曲が収録されているが、本アルバムにはそれがないのもツライところである。

明るく楽しいポップなテイストで、ある意味では'80'sサウンドを象徴していた彼が、'80'sの幕尻の時期に本アルバムのような退廃的なアルバムを発表したことで、'80'sという時代に幕が下りることを印象づけることになったと言う点ではタイムリーなアルバムであったと言うことが言える。まあ、発表から20年という歳月が流れた今だから言えることであって、再評価されているということになるのだが、当時はボロクソに言われたアルバムでした。

 

Cross That Line

Cross That Line

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Elektra / Wea
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

Cross That Line

Cross That Line

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner
  • 発売日: 1995/02/02
  • メディア: CD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。