IAN HUNTER『YOU'RE NEVER ALONE WITH A SCHIZOPHRENIC』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼の4枚目のソロ・アルバムであって、傑作アルバムとして知られている作品である。また、2009年になって、本作の3-周年を記念する2枚組の特別盤がリリースされたため、改めて注目を集めたというのは記憶に新しい所である。
本アルバムは、B. SPRINGSTEENのバックバンドであるE STREET BANDが務めているということで、これだけでも発表当時、大きな話題になった。但し、チャート成績の方は、Billboardで最高位35位、1979年の年間アルバム・チャートでは86位を記録しただけであった。(最高位が35位で年間チャートのTOP 100に残るということは、ある程度のロング・ヒットになったという証ではありますが...)
収録曲は以下の全9曲である。『Just Another Night』『Wild East』『Cleveland Rocks』『Ships』『When The Daylight Comes』『Life After Death』『Standin' In My Light』『Bastard』『The Outsider』。
お薦め曲としては、BARRY MANILOWが歌って全米9位の大ヒットとなった『Ships』(実はIANがオリジナルである。)、そして『The Outsider』というバラードと、『Just Another Night』と『Wild East』という所をピックアップしておく。
彼のアルバムは、出来の良し悪しの差が大きく、出来の悪い者は捨て曲と見られてしまって、今一つアルバムに対する評価が低いのだが、本アルバムはそのばらつきが小さく、全体的に上手くまとめられて仕上がっている。ということで、彼のソロ・アルバムの中では本作を最高傑作と言う声が多いのもまた事実である。実際、全体のバランスもよく、出だしは元気よく、クライマックスはじっくりと聴かせるバラードといういつものパターンによる構成となっているが、出来が良いため、緩急による余韻を堪能できるということで、味わい深いアルバムになっている。
ということで、30周年記念盤がリリースされるというのも納得出来るところである。(オリジナルの9曲に5曲のボーナス・トラックを追加した全14曲のDISC 1と、未発表のライヴ・テイクの14曲のDISC 2の全28曲となっている。)しかし、30周年記念盤は本アルバムに対する冗長度が高すぎるため、コレクションということでは悪くないのだが、アルバムの内容を堪能するのはオリジナル版で十分である。→30周年記念盤の方がリマスターをしていることで音質的には良くなっているが、内容的には今一つというものになっているのが残念な所である。まあ、彼のソロ・アルバムらしい「捨て曲あり」と解釈しても宜しいかと...
You're Never Alone With a Schizophrenic
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Razor & Tie
- 発売日: 1993/05/18
- メディア: CD
↓30周年記念版はこちら
You're Never Alone With a Schizophrenic: 30th Anniversary Edition
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: EMI Catalogue
- 発売日: 2009/07/27
- メディア: CD
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