JAMES INGRAM『NEVER FELT SO GOOD』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1986年に発表された彼の2nd.ソロ・アルバムである。クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子として、グラミー賞まで受賞した1st.ソロ・アルバムがあり、'80's中盤にはアメリカ音楽シーンをリードする存在になると期待されて、満を持しての登場となったアルバムである。が、セールスは大苦戦して、期待外れということで詩にれることになったアルバムとなってしまった。チャート成績は、Billboardのアルバム・チャートで最高位123位、R&Bアルバム・チャートでも37位、イギリスでも最高位72位というように全く振るわなかった。(前作はUSでは46位、UKでは25位を記録している。)
収録曲は以下の全10曲である。『Always』『Never Felt So Good』『Red Hot Lover』『Lately』『Wings Of My Heart』『Trust Me』『Tuff』『Say Hey』『Love's Been Here And Gone』『Right Back』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。まずは『Always』がリリースされたが、BillboardのR&Bチャートで27位を記録したに留まった。2nd.シングルはアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Never Felt So Good』がリリースされたが、こちらはBillboardのR&Bチャートで86位ということで、期待外れというチャート成績に終わってしまった。(BillboardのHOT 100にはランクインしていない。)
尚、2nd.シングルの後にアニメ映画「AN AMERICAN TAIL」の主題歌『Somewhere Out There』をLINDA RONSTADTとデュエットして、これがBillboard(HOT 100)て最高位2位を記録する大ヒットになっただけに、本アルバムの不振ぶりが強調されるということになってしまった。→デュエット・ソングでは全米No.1ソングもある彼であり、デュエット・ソングは好調なんですが...
お薦め曲としては、シングルとしては転けたものの、アルバム・タイトル・ナンバーである『Never Felt So Good』、そして『Always』というところ、それ以外では『Trust Me』と『Love's Been Here And Gone』をピックアップしておく。
内容的には悪くなく、'80'sらしいR&Bでヒットしそうなメロディ・ラインとテンポの良さがある。また、曲の方も突出したこれという曲は無いが、捨て曲というような曲もなく、標準偏差の小さい平均的な曲が集まった内容となっている。そのため、これというようなポイントが無く、埋もれてしまったということになったのが残念でした。(1曲で良いので、何か「これだ!」というポイントが欲しかったですね。)
'80'sらしいサウンドであって聴きやすいものであるが、没個性ということではやはり厳しいということですね。まあ、考えてみると、'80's中盤のブラック・ミュージックは個性豊かで、実にエネルギッシュで、次々と活きの良いものが出てきていただけに、平均点というアルバムが苦戦するというのも頷けますが...
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