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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その181) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「オブザーバーによる逮捕劇」です。(ここで言うオブザーバーとは、物語に於いて主役ではないポジションに位置づけられているキャラ、という意味であって、本来の「傍観者」、「立会人」という意味ではありません。)取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「・13話」、「007」からは「消されたライセンス」です。

ケータイ刑事」:「・13話」。「カメラは見ていたワンシーン・ノーカット ~BS-i連続殺人事件」という物語である。この物語はサブタイトルにあるように、30分枠のドラマがワンシーンで撮影されているということで、「ケータイ刑事」の中でも伝説の作品となっているものである。また、本作によって「ケータイ刑事」では様々な冒険的な試みが1クールに1本は行われるようになったということで、「ケータイ刑事」の歴史に於いても重要な1本である。

この物語は、BS-iで、熱血刑事の五代さんのドキュメンタリー番組(番組タイトルは「警視庁熱血刑事 密着二十四時」)が製作されることになり、五代さんは主役ということで張り切っていた。そんな所にちゃんが「何やってるんですか?」と言って現れ、自分もテレビに出てみたい、と言ってつきまとう。が、ディレクターの平野に追い払われてしまう。それでもちゃんは五代さんに絡んでいた。

そんな所に事件を知らせる入電が入る。それはBS-iから殺人事件の通報があったというものであり、ちゃんは早速捜査を開始する。尚、密着ドキュメンタリー番組の方は、そのまま撮影が続けられることになり、カメラは回り続けていた。

カメラが回っていると言うことで、五代さんはあくまでも主役は自分だと思っていて、珍推理を披露しながら捜査を続けていく。

で、五代さんは第二の被害者が遺書を持っていたことから、彼が犯人であって、最終的に自殺したと判断して事件を解決した、と言っていた。(その通りだったら、五代さんは主役だったんですが...)

が、ちゃんは独自に捜査を続けていて、事件の謎を解明していく。で、真犯人、並びに殺しのトリックが分かったちゃんは真犯人を捕らえた。ちゃんの説明した通りということで、真犯人は否定のしようもなく、犯行を認めた。で、犯人逮捕のシーンでは、ディレクターから「逮捕の瞬間、一発くれる?」と言われる。「私?」と言っていたちゃんだったが、手錠を掛けた真犯人の映像が撮影され、ディレクターは「ケータイ刑事 密着24時」と、いつの間にか番組タイトルを変更していた。これにちゃんは「ご苦労様でした」とカメラに向かって敬礼をすると、真犯人を連行していった。(いつの間にか、ドキュメンタリーも主役が五代さんからちゃんに変わっていた。)

五代さんは、いつの間にか自分が主役でなくなっていたことに不満をタラタラと言うが、「はい、カット」とカチンコを目の前で叩かれて撮影は終了してしまった。

最初は、五代さんが主役となるはずのドキュメンタリー番組であり、本作の主役であるちゃんはオブザーバーという位置づけだったが、ちゃんが事件を解決したと言うことで、犯人逮捕の主役になった。(ドキュメンタリーがちゃんを主役にしていたことからも、ちゃんの活躍によって犯人が逮捕できたということを物語っている。)しかし、本作は元々ちゃんが主役であるため、形の上では主役がいつものように活躍した物語でした。

007」:「消されたライセンス」。1989年のシリーズ第16作であって、4代目ボンドの第2作である。シリーズで初めて、I・フレミングの原作小説にはないタイトルが付けられた作品として知られている1本である。また、製作年の下一桁が「9」の都市に製作された作品は異色作というのが「007」シリーズではお馴染み(1969年の「女王陛下の007」、1979年の「ムーンレイカー」、1999年の「ワールド・イズ・ノット・イナフ」はそれぞれがシリーズの中でも異色の作品と位置づけられている。→異色の設定があるという意味です。)てあるが、本作ではボンドが個人的な復讐のために動いたという作品となって、4代目ボンドの特徴である「人間ボンド」を象徴する作品になっている。

物語の冒頭で、ここから本作は進んで行くことになる。ボンドの親友のCIA・フェリックス・ライターの結婚式に出席することになっていたボンド。結婚式当日、フェリックスと共に式場となる教会に向かっていたが、麻薬取締局(DEA)が長年追っていた麻薬王・サンチェスが現れたという知らせで、逮捕の許可を得たと言うことで、フェリックスはサンチェスの逮捕に向かう。これにボンドも行くと言った、で、フィリックスはボンドに対して「手を出さずに見ているだけだぞ」と念を押していた。で、2人はサンチェス逮捕に向かった。(これによって、ボンドはあくまでもオブザーバーという位置づけになった。)

サンチェスの一味を追いつめたDEA。ボンドは乗ってきたヘリコプターにいろ、と言われ、そこから様子を見ていた。しかし、サンチェスの一味の攪乱作戦にボンドも手を出した。そんな中、サンチェスはDEAを嘲笑うかのようにセスナで脱出しようとしていた。で、ボンドはヘリを呼び寄せてサンチェスを追うことにした。

離陸したセスナは20分もしたらキューバに逃げられてしまう。が、ボンドは諦めずに、サンチェスの乗ったセスナを(空中で)生け捕りにする作戦に出た。ボンドはヘリから宙づりとなってサンチェスのセスナに迫り、後部胴体に乗り移ると、ワイヤーを引っ掛けた。で、合図と共にヘリが上昇すると、セスナは失速し、ヘリに吊り上げられた。ということで、ボンドの活躍でサンチェスを捕獲することに成功した。

フェリックスとボンドは、サンチェスの移送をDEAに任せると、パラシュートでヘリから降下して、結婚式が行われる教会に降り立ち、フェリックスの新妻・デラが空から降りてくる新郎・フェリックスと立会人のボンドを迎えた。

あくまでも、ボンドはその場に居合わせただけで、サンチェスの逮捕に協力した、というのが表向きであるが、実際はサンチェス逮捕はフェリックスやDEAではなくてボンドによって行われたということで、本作の主役であるボンドがオブザーバーと言う位置づけであったが、逮捕劇では派手なアクションを含めて完全に主役となっていた。

共通点は、本来の主役である銭形/ボンドが、ポジションとしては主役の座を相棒に譲ってオブザーバーのポジションになっていたが、自らの判断で動き、そして犯人を逃がさずに追いつめて逮捕したことである。(物語の展開そのものが同じである。)また、その展開の中で主役の座を務めることになったキャラ(五代さん/フェリックス)はミスを犯している(「ケータイ刑事」では珍推理で犯人に辿り着かなかった、「007」ではサンチェスに逃げられそうになった。)のも共通していて、それを本来の主役である銭形/ボンドの活躍ではね除けて犯人を逮捕しているという所も同じである。

相違点は、「ケータイ刑事」では真犯人が分からず、複数の容疑者の中から、状況を分析して真犯人を割り出して逮捕するという推理ものとしての展開で犯人を逮捕しているが、「007」では最初から逮捕する相手が分かっていて、それを捕らえるというアクションものとしての展開で犯人を逮捕しているということである。

次回も「シチュエーション」ということで記す予定です。何が登場するかはお楽しみに。

 

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