古代少女隊ドグーンV#7 [特撮]
今回の物語は「ドグちゃん」の時のような風刺ということが前面に出た物語でした。また、映画「アンタッチャブル」(大本は映画「戦艦ポチョムキン」ですが...)のパロディが入っていたということもあって、久しぶりの怪作でした。(但し、主役のドジちゃん以外のメンバーは空気でしたけど...)→「怪作」であって「傑作」とまでは言わない。
尚、今回の物語の監督と脚本のコンビは、「ドグちゃん」では「妖怪ピーオン」と「妖怪肉食姉妹」をいるコンビであって、なかなか面白い風刺劇を作っている。また、更に遡ると「銭形雷」で江戸川サンポ(1st.17話)でパロディと言う方もこなしいてるということもあって、過去の作品経験も生きていましたね。但し、「アンタッチャブル」(「戦艦ポチョムキン」)の有名な乳母車の階段落ちのシーンは、この物語では乳母車が木製のものということもあって、「子連れ狼」の雰囲気を感じました。
夜の公園で一人の女が赤ちゃんの写真を見て泣いている。そんな女の目に大きな乳母車が背理、蕎麦に寄ってみると、可愛い赤ちゃん(青ちゃん)がいた。
テレビで幼児虐待のニュースを見ている翔太とドジちゃん。(背後で他のメンバーが「だるまさんがころんだ」で遊んでいる。)ニュースに対して色々と呟いていた2人。(ということで、前振りと伏線はOKですね。)
翔太とドジちゃんがある公園にやってきた時、大きな乳母車(「子連れ狼」の乳母車と言ってもいいですね。)を押す女臼井幸子(この名前も遊び心に満ちていますね。)と出会う。中にいる赤ちゃんを見せてもらったドジちゃんだったが、「赤ちゃんが青かった」と言う。
2人は幸子の後をつけて、幸子のアパートにやってきた。中からは男の声と、殴る蹴るという暴力行為をしているような音が届く。で、翔太とドジちゃんは(ニュースのこともあって)幸子の夫が暴力で幼児虐待をしていると思い、幸子の部屋に乗り込んだ。しかし、そこには幸子と赤ちゃんしかおらず、男の姿は全くなかった。で、赤ちゃんを見せた幸子。なんとその赤ちゃんは前身が青い色をしていた。(で、「青ちゃん」と呼んでいた。)幸子は、この子は自分の子であって、何があっても守ると言い、翔太とドジちゃんを追い返した。が、2人がいなくなると、青ちゃんが正体を現した。青ちゃんは実は妖怪であって、幸子に対して虐待をしていたのだった。しかも、幼児と言うことで王様気分で、幸子をこき使っていた。
一旦家に帰ったドジちゃんたち。で、5人が話をしている中で、「ドグちゃん先生のあれも虐待?」という話が出る。これにドグちゃんが現れて「うらら!」そして「これは愛の鞭」と言うと扉を閉ざしたドグちゃんだった。
翔太がシャシャ爺に「人間とは思えない」と言い、ドジちゃんが妖怪検索を頼む。で、おそらく妖怪こんにちは青ちゃんではないかということになった。
幸子は青ちゃんに「ここにいて」と懇願しているが、青ちゃんは幸子の心までを見透かしていた。夕飯の買い物に行くと言って出掛けた幸子。で、青ちゃんはまたも王様気取りになっていた。直ぐに玄関が開く音がしたことで、幸子が忘れ物をしたと思った青ちゃんだったが、やってきたのはドジちゃんと翔太で、「覚悟しなさい、妖怪こんにちは青ちゃん」と言うドジちゃん。が、ドジちゃの野手には蠅叩きが、翔太の手には(木製)ハンガーがあった。
退治しようとする2人だったが、青ちゃんの言葉でタジタジに。で、翔太が青ちゃんを殴ろうとするが、やはり殴ることが出来ない。逆に「妖術・百万円の笑顔」にハマってしまうドジちゃん。翔太が辛うじてドジちゃんを助けるが赤ちゃん言葉になっていたドジちゃん。(前回の、将来の姿が生きている所でもありました。)
そういうコントをしている隙に逃げようとする青ちゃん。それに気づいた2人が追って捕まえるが、底に幸子が戻ってきて、青ちゃんを助け、乳母車に乗せて走って逃げて行く。ドジちゃんはみんなに「逃げられた」と言うことを連絡した。
乳母車を走りながら押している幸子。その前にドロちゃんたち4人が現れた。「ドグ相撲」(テッポウ)で応戦しようとするが、乳母車に蹴散らされてしまう。(「見習いだな」と青ちゃんはバカにしていた。)が、幸子が乳母車を慌てて止めた。で、階段ギリギリの所だった。で、4人が「もう逃げられないよ」と言って迫り、ドジちゃんも合流した。ドロちゃんは「そこのガキんちょを渡してもらおうか」と言うが、幸子はそれを拒否した。で、ドロちゃんは泥弾攻撃をする。が、幸子が青ちゃんに当たらないように身を挺して受け止めた。しかし、この時尾尻で乳母車を押してしまうことになって、乳母車は階段を落ちていくことになる。(「アンタッチャブル」/「戦艦ポチョムキン」ネタに突入となって、スローな展開で進んで行く。)
ドロちゃん、ドリちゃんがそれぞれ手を出して止めようとするが、それぞれ失敗し、ドジちゃんがその被害者に対して謝っていた。(バナナの皮まで登場するのは痛快ですね。尚、水兵がいたというのは完全に「戦艦ポチョムキン」を意識しているからですね。)
結局、最後の所で乳母車から青ちゃんは投げ出されることになり、地面に激突、そして小さい姿になる。で、ドジちゃんが「いきますよ~」で変身し、「ドジちゃん参上!」とポーズを決める。
が、幸子が「どいて」と言って押しのけて青ちゃんの元に駆け寄る。解放しようとする幸子にドジちゃんは「離れてください、その子、妖怪なんです」と言うも、「妖怪でも何でもいい、この子は私の子供よ。私の全てよ」と言う幸子。それに手が出せないドジちゃんたち。が、青ちゃんの様子がおかしいと言うことで、青ちゃんに目を移す幸子。青ちゃんは苦しそうな声で「こんにちは…」と言って笑い、幸子が「こんにちは、青ちゃん」と返す。これに「今だ!」とドロちゃん。で、ドジちゃんが「ドキドキウェーブ!」で、青ちゃんを吸収して退治した。が、幸子は青ちゃんを失ったことで泣き崩れてしまった。
家に戻ってきた一同。翔太の頭に包帯を巻いて治療しているドジちゃん。「あれで良かったのかな?」と言う翔太だったが、「あれでいいんですよ。だって妖怪ですよ」と言うドジちゃん。更に「人間を幸せにする妖怪はいません。あの人もいつか分かりますよ」とドジちゃん。治療が終わると翔太の背中にも散れるように眠りに入ってしまうドジちゃん。それを扉の隙間から覗くドグちゃん。「今日ぐらいは大目に見て上げようかな」と漏らしていた。
結局、妖怪退治をしたものの、それが良かったのかいうことも語っているということで、風刺ドラマと言うことでも上手く纏まっていましたね。しかも、冒頭から伏線を用意していて、それを上手くストーリー展開に繋げていくということで、KJ脚本の本領が発揮されていましたね。(「銭形結」でもKJ脚本には期待しています。)
ただ、その一方で、ドジちゃん以外のメンバーは、ドロちゃんはともかく、それ以外は完全に空気になっていた、ということは何とかならなかったでしょうか。(まあ、メンバーの一部の空気化は、当初から心配された所でもありましたけど...)特に、ドグちゃんは完全に単なるおばはんになっているだけで、一段と酷い扱いになってますね。
前々回と前回がハズレだったが、今回は「ドグちゃん」の路線に戻して復活と言った所になったが、こうなると、5人にして戦隊化させたということが失敗だったという方向に益々突き進んでいますね。これをどう乗り越えるか、後半に突入した残りが楽しみです。
ラスト(次回予告の後)の「じゃんけん」はドグちゃんの登場で、「パー」でした。
古代少女隊ドグーンV ドキドキBOX(仮)[期間限定版] [DVD]
- 出版社/メーカー: キングレコード
- メディア: DVD
古代少女隊ドグーン5 ドキドキBOX(仮) 【初回生産限定】
- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 14,763 円
子連れ狼 冥府魔道の巻 (特典ディスク付 4枚組ボックス) [DVD]
- 出版社/メーカー: 東宝
- メディア: DVD
コメント 0