SSブログ

「THE SICILLIAN CLAN」 [映画(洋画)]

表題の作品は1969年のアメリカとフランスの合作作品「シシリアン」である。(1987年のアメリカ映画「シシリアン」とは全く関係ない。ちなみに邦題は同じであるが、原題は異なっており、原作者も別である。)本作はシシリーのマフィアが、パリからニューヨークにそうされるダイヤを狙うという展開のフィルム・ノワールである。

作品データを記しておくと、時間は124分、原作はオーギュスト・ル・ブルトン、監督はアンリ・ヴェルヌイユ、脚本はアンリ・ヴェルヌイユ、ジョゼ・ジョヴァンニ、ピエール・ペルグリの3人、撮影はアンリ・ドカエ、音楽はエンニオ・モリコーネである。そして出演は、ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、イリーナ・デミック、シドニー・チャップリン、アメディオ・ナザーリ、マルク・ポレル、イブ・ルフェーブル、たちである。

パリに住むマフィアのボス・ビットリオ・マナレーゼは、「五月の蝿」と呼ばれる殺し屋・サーテットを脱獄させる計画を立てる。それは彼から貰った贈り物に対する返礼からだった。で、その計画が実行に移される。裁判所から護送車で送られる途中で、計画通りに逃走するのに成功したサーテットは、ビットリオに匿われることになる。が、その時、手を貸したビットリオの息子の妻・ジャンヌと人知れず愛し合う関係になってしまう。そんな中、サーテットは獄中仲間から仕入れた宝石強奪の話をビットリオに話す。それはパリからニューヨークに運ばれるダイヤを奪うというものだった。これに興味を持ったビットリオは、ニューヨークのマフィアのボス・トニー・ニコシアに協力を求めることにした。で、宝石は張りから飛行機に乗せられてニューヨークに届けられるが、その飛行機を襲うという計画が立てられた。で、ビットリオたちは輸送の当日、その飛行機に乗り込み、飛行機をハイジャックするのに成功し、宝石強奪に成功した。サーテットはニューヨークに残り、ビットリオたちはパリへ戻って来て、シシリーに戻る支度をしていた。そんな時、ビットリオはもジャンヌがサーテットと浮気をしているという話を耳にする。シシリー人のメンツを潰されたということで、ビットリオは怒り、ジャンヌ共々サーテットを消そうと動いた。で、ニューヨークからサーテットを呼び戻し、罠を仕掛ける。が、サーテットの妹がジャンヌから密告を受けていて、それを教えられたサーテットはパリには現れなかった。そしてサーテットの妹とジャンヌとの電話を盗聴していたパリ警察が動き、ビットリオの部下たちは警察に逮捕されてしまう。で、ビットリオとサーテットはパリ郊外で宝石の分け前を配ることになり、ジャンヌを連れて行って対面することになる。当然、ビットリオはサーテットを殺そうとするが、サーテットもそうなることを知っている。二人は睨み合い、遂に銃が火を噴くが、最初に倒れたのはジャンヌだった。続いてサーテットを撃つビットリオ。で、思惑通り、2人を殺害したビットリオは帰って行く。が、そんなビットリオの前にパリ警察のル・ゴフが待っていた...

なかなか見応えのあるフィルム・ノワールである。マフィアの血を重んじる人間ドラマがあり、更には空輸されるダイヤを奪うために大がかりな作戦が繰り広げられるという面白さがあり、そして復讐劇、警察の罠がある、と言うように、何重にも計算された展開が用意されているのは面白い所である。

ハリウッドだったらば、より派手な演出で描かれるであろうが、フランス・フィルム・ノワールらしい翳りのある演出というのが絶妙のスパイスになっていて、ハリウッド映画にはない別の面白さがある作品である。じっくりと味わいたい作品である。

 

シシリアン [DVD]

シシリアン [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。