JESSE COLIN YOUNG『SONG FOR JULI』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1973年に発表された彼の4枚目のアルバムであって、彼がブレイクすることになったアルバムである。1964年にソロ・シンガーとしてデビューをした彼であるが、1965年にフォーク・ロック・バンドのTHE YOUNGBLOODSを結成したことで、ソロ活動は止まっていたが、1972年に解散したことで再びソロとしての活動に戻り、そしてようやく陽の目を見ることになったということで、彼にとっても記念すべきアルバムである。尚、本アルバムはBillboardのアルバム・チャートで最高位51位を記録している。
収録曲は以下の全9曲である。『Morning Sun』『Song For Juli』『Ridgetop』『Evenin'』『Miss Hesitation』『T-Bone Shuffle』『Lafayette Waltz』『Jambalaya』『Country Home』。
お薦め曲は、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Song For Juli』と、『Morning Sun』『Miss Hesitation』の出来が突出していて、特に大きなヒットにはなっていないが彼の代表曲として知られている曲でもある。(特に『Miss Hesitation』は6分半弱という大作であって、たっぷりと聴かせてくれる曲である。)そして、評価はそれほどでもないが、7分強という大作である『Ridgetop』と、アルバムの締めでもある『Country Home』もなかなかの秀作である。
サウンドはフォーク/フォーク・ロックということで、'80'sの雰囲気を持っている曲と、'70'sの雰囲気を持っている曲とがあって、現在では懐かしさを感じるサウンドになっている。これは典型的なフォーク・サウンドであるため、フォークの王道を行っているということで、安心して聴いていられるサウンドである。(安心して聴いていられるが、あと一つ何かが欲しいと思う所もある。)
本アルバムはフォーク・ロックの全盛期に発表されたアルバムであるだけに、どうしても陰に隠れ気味になってしまうという不幸な所がある。確かに、ビッグ・ヒットを記録した訳ではないのだが、秀作が詰まっているアルバムであり、どちらかと言うと玄人好みのアルバムと言うことが出来る。ということで、フォーク系サウンドがお好きな方、男性ボーカルがお好きな方にはお勧めのアルバムである。(こういうアルバムを「隠れた名作」と言うのである。)
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