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「SLEEPERS」 [映画(洋画)]

表題の作品は1996年のアメリカ映画「スリーパーズ」である。1973年に「SLEEPER」というタイトルの作品(本作は複数形になっているが、単数形になったタイトルである。)があるが、その続編ではなく、全く関係ない別作品である。また、本作はアメリカではフィクションかノンフィクションなのかと論争になったことでも白けている作品である。

作品データを記しておくと、時間は147分、原作はロレンツォ・カルカテラ、監督と脚本はバリー・レヴィンソン、撮影はミヒャエル・バルハウス、美術はティム・ガルヴィン、音楽はジョン・ウィリアムスである。そして出演は、ジェイソン・パトリック、ブラッド・ピット、ロン・エルダード、ビリー・クラダップ、ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ケヴィン・ベーコン、ヴィットリオ・ガスマン、ミニー・ドライヴァー、ジョー・ペリノ、ブラッド・レンフロー、ジェフリー・ウィグダー、ジョナサン・タッカー、ブルーノ・カービイ、ユージン・バード、メアリー・B・マッキャン、レニー・ロフティン、テリー・キニー、フランク・メドラノ、ピーター・アペル、ジェフリー・ドノヴァン、ダッシュ・ミホク、アイダ・タートゥーロ、ジョー・ユーラ、トム・シニョレッリ、ジョン・スラッテリー、たちである。

1960年代のニューヨーク・ヘルズ・キッチンと呼ばれるスラム街には、マイケルをリーダー格として、ジョン、シェイクス、トミーの4人はいつも一緒に暮らしていた。そして時にはこの街のボスであるキング・ベニーから小遣い稼ぎの仕事をさせてもらっていた。そんな彼らだったが、1967年に大きな転機がやってきた。ちょっとした悪戯のつもりで、4人はホットドッグ屋の屋台を隠そうとしたが、この時に運び込んだ地下鉄の入口で手を滑らせてしまい、屋台を階段から落としてしまった。そして通りがかった紳士に重傷を負わせてしまったのだった。で、4人は少年院に収容されることになった。

4人はウィルキンソン少年院に収容されたが、そこには班長のノークスをはじめ、残忍でサディスティックな看守たちがいた。昼は見せしめのためと称して暴行を加えられ、夜は看守たちの欲望のはけ口としてレイプされるという日々が続くことになる。そしてそれは出所するまで毎日続き、4人の心に大きな傷となった。

それから10年が流れ、大人になった4人だったが、彼らの心に残った傷跡は大きかった。ジョンとトミーはやくざになっていたが、ある日、偶然にも落ちぶれたノークスの姿を発見した。するとかつて受けた暴行から、衝動的にノークスを殺害してしまった。で、2人は逮捕され、裁判となる。が、その裁判の検察側の担当者は、地方検事となっていたマイケルだった。また、マイケルは新聞記者見習いとなっていたシェイクスと連絡を取り、この裁判を利用して当時の看守たちに復讐することを考えていたのだった。マイケルがその筋書きを作、シェイクスはそれを実行する弁護士を探し、かつて彼らが世話になったキング・ベニーに相談したシェイクスは、スナイダーというアル中の弁護士を脅して担当させることにした。シェイクスは検察側の証人を幼馴染みのキャロルに協力して貰って崩していく。しかし、残り2人への切り崩し工作は失敗した。逆転の作戦として、ジョンとトミーに事件当日にニセのアリバイを作り、ボビー神父に証言してくれるように頼むが、神父はそれを拒んだ。するとシェイクスは少年院時代に受けた過酷な体験を初めて口にした。で、あとは神父の判断に委ねた。裁判では、マイケルの筋書き通りに事が運んでいって、かつての看守たちに復讐を果たすことに成功する。こうして少年院での看守の行いがあからさまになった。そして最終弁論でボビー神父は証言台で、当日はジョンとトミーと一緒にいたと証言した。で、裁判ではジョンとトミーに無罪判決が出た。それから暫くして、4人にキャロルが加わって無罪を勝ち取ったことを祝ったが、5人が揃ったのはそれが最後となってしまい...

キャストが豪華であるが、物語は暗くて重い状態で進んで行く。それだけに2時間半はちょっと長いと感じてしまうが、裁判に入ってからは宋でもないので、何とか耐えられるところである。

少年時代には誰もが持っているちょっとした悪戯心が4人の人生を狂わせてしまい、少年院で受けたことがトラウマになって、という展開は目新しいものではないが、偶然が偶然を呼んで物語が進んで行く所に運命的なところを感じるものである。また、復讐を果たそうと考えるところがアメリカらしいところであるが、その復讐を暴力を使ったものではなくて裁判を使ってというところは面白い所である。(ある意味では現代っぽいところでもある。)ただ、部分的にはちょっと都合がよすぎると感じてしまうところがあるのが...

尚、現在では、本作は実話を元にしたものであるが、部分的には脚色されている、とされているので、そう思うと「なるほど」と納得出来てしまう。とは言っても「事実は小説よりも奇なり」という言葉があるが、その言葉の意味が分かる作品でもある。

 

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