ケータイ刑事銭形雷17話[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]
今回からの「銭形雷・裏ネタ編」は第17話の「ミステリー作家は二度死ぬ!? ~江戸川サンポ殺人事件」に突入です。今回はサブタイトルにある言葉から「ミステリー作家」についてと、この物語に登場した江戸川サンポのモデルである「江戸川乱歩」について記します。尚、「ミステリー作家」については「泪・23話(2nd.10話)[裏ネタ編]PART 1」で「ミステリー」と「作家」として記したものをベースにして加筆し、「江戸川乱歩」については「雷・17話[裏ネタ編]」で記したものをベースにして加筆しました。
また、BS-iの本放送時に記した記事は2006/4/23付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。
「ミステリー作家」:「ミステリー」と呼ばれるジャンルの作品を創作する人のことである。その中でも特に推理小説を書く小説家のことを指すのが一般的である。(「作家」と言うと一般的に小説家のことを指し、それ以外の作家は「○○作家」と言うのが一般的である。)英語では「Mystery Writer」または「Crime Writer」と言う。
ちなみに、「ミステリー」とは、神秘、不思議、霊妙、という意味であって、「謎めいた要素を有するもの」のこと全般を指す言葉である。そのため、謎解きとなる小説の推理小説のことも指す。小説やドラマ、映画の世界では一つのジャンルとして、古くから数多くの作品が生み出されている。
基本的な物語は、何らかの犯罪事件が発生し、それを解明していって犯人を逮捕したり、真相を明らかにしていくというストーリーである。(犯罪が起こらなくても、謎めいた出来事が起こり、それを解明していくストーリーというものも含まれる。)特に、犯罪が起こってその謎を解く(事件を解決していく)のが刑事や探偵の場合は「推理もの」と呼ばれる。英語では「Mystery」といい、推理小説のことは「Mystery Story」または「Crime Fiction」ということもある。
また、このジャンルの作品は「犯人は誰だ?」という謎解きが最大のポイントとなっていて、物語の最後でそれが明らかにされる、という展開の作品が多いのだが、いつ頃からか、犯人の動機や犯行方法、及びトリックなどを明らかにすることを主眼とした作品が数多く登場するようになり、次第に明らかになっていく要素を拾い集めて、パズルを解くように作品を進めていくことから「パズル・ミステリー」と呼ばれることもある。
但し、「パズル・ミステリー」と呼ばれる作品では、犯人は早い内に誰であるのか明らかにされることが多く、また、明らかにされなくても、誰が犯人なのかは直ぐに分かるものが多いのが特徴である。しかし、犯人は簡単に分かっても、仕掛けられている暗号(例えば「ダイイング・メッセージ」など)を解いたり、犯行のトリックを解いたりしないと、事件は解決しないため、犯人が逮捕できないような展開となっている。(実際、警察が犯人を逮捕するのも、こういうものを解明しないことには先に進みません。)→これによって、読者や視聴者も謎解きに参加する幅が広がり、ミステリーのジャンルがより奥深いものとなった。(「ケータイ刑事」もこの「パズル・ミステリー」路線の作品であり、犯人が誰かではなく、トリックに凝っていて、それを解いていくのが面白い物語となっている。)
有名なミステリー作家としては、名探偵シャーロック・ホームズの生みの親であるアーサー・コナン・ドイル、名探偵エルキュール・ポワロやミス・マープルの生みの親であるアガサ・クリスティは余りにも有名であって、誰もが知っているという存在である。また、エラリー・クイーンは個人ではなくて2人組であるというのも有名である。
一方、日本人では、このジャンルの草分ということの出来る江戸川乱歩や、名探偵金田一耕助の生みの親である横溝正史、京都を舞台にした作品が多い山村美紗、映画やドラマ化作品の多い森村誠一、という作家は余りにも有名である。(それ以外にも数多くの推理作家がいるが、外国/日本とも省略する。)
「江戸川乱歩」:「えどがわ・らんぽ」、大正時代から昭和期にかけての推理作家であって、日本を代表する推理作家である。生まれは1894年10月21日、三重県名賀郡右名張町(現在の名張市)であって、没したのは1965年7月28日(満70歳)であった。本名は平井太郎、ペンネームの「江戸川乱歩」というのは、アメリカの文豪・エドガー・アラン・ポーをもじったものであり、初執筆時(1923年「二銭銅貨」)には「江戸川亂歩」と書いていた。
日本を代表する推理作家であり、幾多の作品を発表しており、名探偵明智小五郎や怪人二十面相、少年探偵団の生みの親である。彼の作品で映画化やドラマ化されたものは数多く、漫画化された作品もある。
作家としては1923年に「二銭銅貨」でデビューして、亡くなる1965年まで作家活動を続けた。また、作家としてだけでなく、評論による啓蒙活動を行っていたり、「日本推理作家協会」の設立に携わり、初代会長として多大な業績を残している。更に「探偵作家クラブ」を創立させて人材育成などにも力を入れ、江戸川乱歩賞を制定して、数多くの人材を輩出させている。
代表作は、何と言っても名探偵明智小五郎が活躍するシリーズであって、宿敵である怪人二十面相亜や明智に力を貸す少年探偵団は知らない人はいないほど有名である。明智小五郎が活躍する作品としては、「D坂の殺人事件」「心理試験」「何者」「猟奇の果」「兇器」「月と手袋」「魔術師」「吸血鬼」「黄金仮面」「黒蜥蜴」「悪魔の紋章」「暗黒星」「地獄の道化師」「化人幻戯」「影男」などがある。また、宿敵・怪人二十面相シリーズとしては、「怪人二十面相」「妖怪博士」「少年探偵団」「青銅の魔人」「大金塊」「透明怪人」「怪奇四十面相」「地底の魔術王」「電人M」「宇宙怪人」「奇面城の秘密」「黄金豹」「サーカスの怪人」「夜光人間」「塔上の奇術師」「仮面の恐怖王」「鉄人Q」「魔法博士」「灰色の巨人」「魔人ゴング」「海底の魔術師」「空飛ぶ二十面相」「悪魔人形」「鉄塔王国の恐怖」「黄金の怪獣」「二十面相の呪い」「黄金仮面」「呪いの指紋」「大暗室」「赤い幼虫」「地獄の仮面」「黒い魔女」「緑衣の鬼」「地獄の道化師」「影男」「暗黒星」「白い羽根の謎」「死の十字路」「恐怖の魔人王」「一寸法師」「蜘蛛男」「幽鬼の塔」「人間豹」「時計塔の秘密」「三角館の恐怖」などがある。
それ以外の作品としても多数の作品がある。例えば「二銭銅貨」「蔵の中から」「彼」「幻影城」「双生児」「赤い部屋」「盗難」「白昼夢」「指環」「夢遊病者の死」「疑惑」「人間椅子」「覆面の舞踏者」「鏡地獄」「木馬は廻る」「湖畔亭事件」「パノラマ島奇談」「芋虫」「蟲」「孤島の鬼」「火縄銃」「白髪鬼」「恐怖王」「妖虫」「緑衣の鬼」「大暗室」「幽霊塔」「幽鬼の塔」「新宝島」「三角館の恐怖」「指」などがある。(→これらの中には、この物語の中で、江戸川サンポ江戸川サンポが執筆した作品のタイトルの元ネタになっているものがいくつかありました。)
彼の映像化作品の代表作としては、やはり明智小五郎が活躍する作品、少年探偵団を中心にした作品などがあるが、彼の作品を設定のベースにした作品(翻案作品を含む)も多数ある。(最近の作品(=2010年の作品)では「三代目明智小五郎 ~今日も明智が殺される」(ドラマ)や、映画「失恋殺人」、「キャタピラー」などがあって、今だに高い人気がある。)
ちなみに、「ケータイ刑事」では、今回の物語以外にも「江戸川乱歩」の名前をネタにした人物が登場した物語がある。(「愛・16話」に登場した「日本が生んだミステリー界の大魔神・淀川ランポ」である。)
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