JOHN COUGAR『AMERICAN FOOL』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表されたアルバムであって、彼がブレイクすることになったアルバムである。また、本アルバムまでは「JOHN COUGAR」名義でアルバムを発表していたが、1983年発表の次作からは「JOHN COUGAR MELLENCAMP」名義となり、1991年からは本名である「JOHN MELLENCAMP」名義で音楽活動を続けているだけに、本アルバムは彼のキャリアに於いても一つの区切りのアルバムである。
尚、本アルバムのチャート成績は、Billboardでは9週連続1位という大ヒットとなって、1982年の年間アルバム・チャートでは4位、1983年の年間アルバム・チャートでは32位にランクインしている。また、カナダでも1位を獲得し、イギリスでは最高位37位を記録している。
収録曲は、オリジナル版では全9曲であったが、2005年に再発された時にボーナス・トラック(1曲)が追加されて全10曲になった。収録曲は以下の通りである。『Hurts So Good』『Jack & Diane』『Hand To Hold On To』『Danger List』『Can You Take It』『Thundering Hearts』『China Girl』『Close Enough』『Weakest Moments』。ボーナス・トラックは『American Fool』である。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。1st.シングルの『Hurts So Good』はBillboardでは最高位2位を記録し、1982年のBillboard年間シングル・チャートでは8位にランクインする大ヒットとなった。また、カナダでも1位を獲得している。続く2nd.シングルの『Jack & Diane』はBillboardでは4週連続1位となって、1982年の年間シングル・チャートでは7位にランクイン、カナダでも1位、イギリスでは25位を記録してイギリスでは初のチャートインを記録した曲となった。また、3rd.シングルの『Hand To Hold On To』はBillboardで最高位19位、イギリスでは89位を記録している。尚、資料によっては、「本アルバムから2曲の全米No.1シングルが生まれている」と記されているものがあるが、CASHBOXでは『Hurts So Good』と『Jack & Diane』は共にシングル・チャートで1位を獲得しているので、誤りではない。
お薦め曲は、彼の出世作となり、代表曲である『Hurts So Good』と『Jack & Diane』、そして『Can You Take It』と『Thundering Hearts』、『China Girl』というところをピックアップしておく。尚、『China Girl』は翌1983年のDAVID BOWIEのヒット曲とは同名異曲である。(彼はD. BOWIEのマネージャーに見出されてデビューしているだけに、ちょっとした因縁と言っても良いですね。)
サウンドの方は、シンプルで正統派のアメリカン・ロックであって、男臭さを感じるものである。'80's初頭という時期は、第二次ブリティッシュ・インベージョンの波に乗って、エレクトリック・サウンドが次々と登場した時期であり、'80'sサウンドを語る上で「エレクトリック・サウンド」は欠くことの出来ないものであるが、当時はその反動としてオーソドックスで正統派のサウンドが求められた時期でもあった。そういう時代的なものに乗ったということも彼がブレイクした要因であるが、同時に正統派のものはいずれは評価されるときが来る、と教えくれている様でもありましたね。
'80'sサウンドでは「JOHN COUGAR MELLENCAMP」の名前は正統派のアメリカン・ロックを聴かせる一大看板であるが、その快進撃は「JOHN COUGAR」名義の本アルバムから始まっているものである。それだけにじっくりと聴いておきたいアルバムである。
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