JEFFERSON STARSHIP『SPITFIRE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1976年に発表されたJ.S.名義としては3枚目となるアルバムである。1975年の前作が全米No.1ヒットになったことで、大きな期待を持たれたプレッシャーの中で発表されたが、期待通りの内容であって、J.STARSHIPとしての黄金期を迎えることになった傑作アルバムである。チャート成績でも、前作の様に全米No.1までは届かなかったものの、最高位3位を記録していて、1976年のBillboard年間アルバム・チャートでも88位にランクインしている。
収録曲は以下の全9曲である。『Cruisin'』『Dance With The Dragon』『Hot Water』『St. Charles』『Song To The Sun: Part I: Ozymandias / Part II: Don't Let It Rain』『With Your Love』『Switchblade』『Big City』『Love Lovely Love』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングルの『With Your Love』はBillboardのHOT 100で最高位12位を記録し、同年の年間シングル・チャートでも84位にランクインするヒットとなった。続く2nd.シングルの『St. Charles』は同チャートで最高位64位を記録している。
お薦め曲は、やはり『With Your Love』と『St. Charles』というシングル曲は外すことは出来ないが、全体的にクオリティが高く、捨て曲が無く秀曲ばかりであるため、全部と言いたいところである。一応、『Cruisin'』と二部構成になっている『Song To The Sun』、『Dance With The Dragon』、『Love Lovely Love』という所と2曲のシングル曲をお薦め曲としてピックアップしておく。
本アルバムは、一応「A.O.R.」という括りにされているが、A.O.R.の範疇に収まることのないスケールの大きなロック・アルバムでもある。また、'80'sにバンド名が「STARSHIP」となってからのポップなサウンドとは別物であるのは言うまでもない。(J.STARSHIPとSTARSHIPはやはり別バンドなのである。)よって、A.O.R.ということを期待すると、肩すかしを食らうことになってしまう。この辺りがJEFFERSON STARSHIP時代では日本では今一つ人気が出なかった要因の一つである。しかし、A.O.R.ではなくてロック・アルバムとして捕らえると、内容の方は充実しており、J.S.時代の最高傑作と言う声の多いアルバムに相応しいものである。
尚、STARSHIPのサウンドを期待しても同様にポップな聴きやすいサウンドではないのも言うまでもない。それだけに、「ロック・アルバム」という認識で聴いておくべきでアルバムである。
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