KRAFTWERK『AUTOBAHN』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1974年に発表された彼らの4枚目のアルバムであり、彼らが世界的にブレイクすることになったアルバムである。ドイツ（当時は西ドイツ）の電子音楽集団である彼らは、コンピューターガマダ一般的に使用される前から音楽活動を続けているグループであり、「シンセサイザー」という名前の楽器を使ったテクノ・サウンドだけではなく、コンピューター音楽の先駆者として知られているグループである。本アルバムは、そんな彼らの名前が世界的に浸透することになったアルバムであり、音楽史でも単に一つのグループがブレイクすることになったアルバムとしてだけではなく、新たなサウンドの礎となった音楽史に残る歴史的なアルバムである。ちなみに、本アルバムは本国（西）ドイツでは最高位7位を記録し、イギリスでは4位、アメリカでは5位、ニュージーランドでは7位、オランダでは9位を記録している。（1975年のBillboard年間アルバム・チャートでは85位にランクインしている。）
収録曲は以下の全5曲である。『Autobahn』『Kometenmelodie 1』『Kometenmelodie 2』『Mitternacht』『Morgenspaziergang』。尚、英語でのタイトルは順に『Motorway』『Comet Melody 1』『Comet Melody 2』『Midnight』『Morning Walk』であり、邦題は順に『アウトバーン』『大彗星（鼓動）』『大彗星（軌道）』『深夜そして姿なき足跡』『朝の散歩』である。
曲数が少ないが、1曲目は23分弱の曲であり、LPではA面はこの1曲だけであった。また、残る4曲は全てインスト・ナンバーであり、時間の方もトータルでは20分に達していて、アルバム全体の収録時間は約42分半である。
この中からシングル・カットされたのはアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Autobahn』である。但し、アルバム収録バージョンは23分近い一大組曲になっているため、シングル・バージョンは当然のことながら別物であって、約3分半のものである。（尚、イギリスではそれとは更に異なるバージョンでシングル・リリースされていて、UKシングル・バージョンと呼ばれている。尚、なのシングル・バージョンは3分強である。）で、西ドイツでは最高位9位を記録したのをはじめ、ニュージーランドで4位、イギリスで11位、カナダで12位、オランダで16位、アイルランドで20位、アメリカでは25位を記録している。
お薦め曲は、言うまでもなく『Autobahn』である。3分台のシングル・バージョンではなく、やはり20分以上あるアルバム・バージョンをたっぷりと堪能するべきである。（筆者は、シングル・バージョンとアルバム・バージョンは別の曲という認識でいる。）で、たっぷりと堪能出来るということで、ピックアップするのはその1曲としておく。尚、残るインスト・ナンバーの4曲も十分楽しめる曲であり、何かの際のBGMにするというのもまた面白い所である。
今でこそ、電子音楽は一般的に知られるものになっているが、当時はまだゲテモノ扱いされていた所があったのだが、音楽性ということがようやく認められることになったということをはじめ、まさにここに収録されている曲は音楽史の新たな歴史を刻んだ曲と言うことになる。それだけに、ポピュラー音楽の一枚のアルバムということではなく、音楽史に刻まれるアルバムとして、ポピュラー音楽を聴く方だけでなく、クラシック音楽を聴く方、更には最新の流行りのサウンドを聴く方にも、しっかりと聴いておいて貰いたいアルバムである。特に『Autobahn』という20分を超える曲は、現在でも数百年前に作られた音楽が「クラシック音楽」として現代でも聴かれ続けているのと同様に、「電子音楽」の古典として今後も聴き継がれていく曲であるだけに、聴いておくべき曲である。（ただ、最新ヒット曲しか聴かないという人には眠くなるだけかも知れないでしょうが、現代音楽のルーツを知るためにも聴いておくべきである。）
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Astralwerks
- 発売日: 2009/10/06
- メディア: CD
- アーティスト: クラフトワーク
- 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
- 発売日: 2009/11/04
- メディア: CD
↓ジャケット違い
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Emd Int'l
- 発売日: 1993/02/02
- メディア: CD
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1998/05/27
- メディア: CD
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