NEW MUSIK『FROM A TO B』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。イギリス出身のシンセ・ポップ・バンドである彼らは、'80'sに向けての新しいサウンドが次々と登場した時期に、当時としては発展途上だったシンセサイザーを中心にしたサウンドを展開したグループの一つとして活動し、'80'sのシンセサイザー全盛という'80'sサウンドを築くことに繋がる活躍をしたグループである。(但し、彼ら自身はビッグ・ヒットという所までは行かなかったのですが...)本アルバムはイギリスで辛うじてTOP 40に届いたという所であり、大きなムーブメントを引っ張っていく存在にはならなかった。(が、他の同種のグループが引っ張っていくことになった。)とは言っても、'80'sに登場するこのジャンルのいくつかのグループに影響を与えている。
収録曲はオリジナル盤では全10曲である。また、1996年の再発時には3曲のボーナス・トラックが、2000年の再発時には6曲のボーナス・トラックが追加収録されている。『Straight Lines』『Sanctuary』『A Map Of You』『Science』『On Islands』『This World Of Water』『Living By Numbers』『Dead Fish (Don't Swim Home)』『Adventures』『The Safe Side』。
また、1996年再発時のボーナストラックは以下の3曲である。『Missing Persons』『She's A Magazine』『Sad Films』。更に、2000年再発時のボーナストラックは以下の6曲である。『Sad Films』『Missing Persons』『Tell Me Something New』『She's A Magazine』『Chik Musik』『Magazine Musik』。
この中からシングル・カットされたのは全部で4曲である。内2曲は、本アルバムのリリースよりも先にリリースされたシングルである。デビュー・シングルの『Straight Lines』はイギリスで最高位53位を記録していて、2nd.シングルの『Living By Numbers』は最高位13位を記録した。(が、この曲が彼らのシングル曲で最大のヒット曲と言うことになった。)そして本アルバムのリリースと共にシングル・カットされたのが『This World Of Water』であって、UKチャートで最高位31位を記録、更にシングル・カットされた『Sanctuary』も最高位31位を記録している。
お薦め曲としては、彼らの代表曲である『Living By Numbers』、記念すべきデビュー曲となった『Straight Lines』、シングル曲の『This World Of Water』、それ以外からは『A Map Of You』と『The Safe Side』をピックアップしておく。
オリジナルのLPでは、A面が「FROM A」、B面が「TO B」という名称が付けられていて、LPというメディアを上手く使った構成となっていたが、CDになるとそう言う所が無くなって続けて曲が収録されている(CDとしては当たり前ではあるのだが...)ということが、本アルバムのオリジナルのお楽しみを半減させている所も否めない。いうのは、'80'sを前にして飛び出してきた新しいサウンドは、単に音楽だけではなく、アルバム(当時はLPであって、CDというものは開発中ではあったものの、影も形もなかった。)全体をぬつの作品とする所があって、そのトータルで面白いものを生み出していたためでもある。(CDの時代に移行したら、基準が変わったということになるのですが...)そのため、ブレイクしなかった彼らのアルバムは時代に取り残される形になってしまったのが残念な所である。
サウンド的には、現在耳にすると陳腐なところも多々あるが、それが現在では'80'sに差しかかろうとしていた当時の時代らしいテイストに感じられる所になっている。
サウンドを堪能すると言うよりも、音楽的な資料の一つという位置づけになっているアルバムであるが、'80'sのシンセ・サウンド全盛を築いていく礎になっているアルバムでもあるので、'80'sのシンセ・サウンドがお好きな方は、歴史の勉強のためにも耳を傾けておくべきかと...
↑ 13曲収録 |16曲収録 ↓
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