ROBBIE DUPREE『STREET CORNER HEROES』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表された彼の2nd.アルバムである。前年のデビュー・アルバムから『Steal Away』(邦題:ふたりだけの夜)の大ヒット(全米で6位を記録した。)で知られている彼であるが、そのヒットの勢いがある間に発表されたアルバムである。何処かにDOOBIE BROTHERSのソフトなサウンドを感じさせるメロディと甘いボーカルで、A.O.R.を語る上で欠かすことの出来ない彼であるが、デビュー・アルバムよりも洗練されたサウンドを聴かせてくれているアルバムである。但し、セールスやチャート成績の点では前作の足元にも及ばない惨敗であった。
収録曲は以下の全10曲である。『Street Corner Heroes』『Desperation』『Brooklyn Girls』『All Night Long』『Free Fallin'』『I'll Be The Fool Again』『Are You Ready For Love?』『Saturday Night』『Missin' You』『The Long Goodbye』。
この中からシングル・カットされたのは2曲であって、『Brooklyn Girls』(Billboardで最高位54位を記録した。)と『Are You Ready For Love?』である。前作と比べると地味なヒットということで終わってしまったが、キャッチーなサウンドと甘い彼のボーカルは親しみやすいものであった。
お薦め曲は、シングル曲である『Brooklyn Girls』と『Are You Ready For Love?』、更に『Desperation』『Saturday Night』、そしてアルバム・タイトル・ナンバーでもある『Street Corner Heroes』をピックアップしておく。
本アルバムの後、彼は1989年まで待たされることになるが、これは前作と本作によって余りにも内容の濃いアルバムを発表したことも一因となっている。評価としては前作には及ばない本作であるが、完全なA.O.R.アルバムということの出来る前作に対して、本作はキャッチーなサウンドと、ロック色を濃くした部分とが入り交じっているアルバムであって、サウンドの方向性と言うことでは悪い出来ではない。また、A.O.R.らしい曲もあるだけに、じっくりと聴くことも出来るアルバムでもある。
セールスも伸び悩み、評価も今一つであるが、内容的にはデビュー・アルバムに引けを取るものではなく、典型的な「隠れた名盤」と言うことの出来るアルバムである。
じっくりと聴いて、再評価されるべきアルバムである。A.O.R.ファンは一度は聴いてみましょう!
コメント 0