THE STRANGLERS『RATTUS NORVEGICUS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1977年に発表された彼らの1st.アルバムである。当時、5大パンクバンドの一つと言われて、パンクを代表するバンドとして華々しいデビューを飾った彼らであるが、本アルバムはそんな彼らの記念すべきデビュー・アルバムである。(勢いがあっただけに、5ヶ月後に2nd.アルバムを、更に8ヶ月後に3rd.アルバムを発表していて、1年ちょっとの間に3枚のアルバムを発表しているが、その最初のアルバムである。)チャートの方もイギリスで最高位4位を記録している。
収録曲は、オリジナル盤では全9曲であったが、2001年に再発された時に3曲のボーナス・トラックが追加収録されて、全12曲になった。収録曲は以下の通りである。『Sometimes』『Goodbye Toulouse』『London Lady』『Princess Of The Streets』『Hanging Around』『Peaches』『(Get A) Grip (On Yourself)』『Ugly』『Down In The Sewer (Medley)』。(以下、ボーナス・トラック)『Choosey Susie』『Go Buddy Go』『Peasant In The Big Shitty (Live)』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングルの『Grip』はイギリスで44位止まりであったが、2nd.シングルの『Peaches』が8位を記録している。
お薦め曲としては、シングル曲の『(Get A) Grip (On Yourself)』と『Peaches』、それ以外からは『London Lady』『Goodbye Toulouse』『Ugly』と言う所をピックアップしておく。
彼らは最初の短期間に発表した3枚のアルバムではパンク・ロックであり、更にニュー・ウェーブの要素もあるサウンドあり、当時の先端を行くサウンドそのものである。(パンクのブームは本当にあっという間に過ぎ去ってしまい、ニュー・ウェーブ系の台頭、ポスト・パンクのブームの方が期間としては長くなったのも事実である。)それだけに、本アルバムは'70's終盤のUKロック・サウンドを代表するものと言うことも出来る。それだけに、UKロックを聴くのであれば、必聴のアルバムであるのは言うまでもない。
尚、日本では、彼らはパンク・ブーム過ぎ去った'80'sになると、忘れられた存在になったが、欧州ではサウンドが変わって、欧州の伝統を受け継いだサウンドのバンドに変身し、現在も現役バンドとして活動を続けている。(実際、'80'sから'90'sには大きなヒット作を発表していて、パンク時代の'70'sのサウンドよりも高く評価されている。)彼らの長いキャリアで考えると、現在では、サウンドも全く違う若かりし日のものという位置づけになるが、この観点からでも、聴いておいても良いアルバムである。
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