SWING OUT SISTER『IT'S BETTER TO TRAVEL』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1987年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。ジャズ系のサウンドをベースとしたポップなサウンドで、「スムーズ・ジャズ」「クール・ジャズ」に分類されているが、ポップなサウンドは親しみやすいものであり、ジャズとポップスとを近づけることにもなった。また、本アルバムは、本国イギリスでは1位を獲得したのをはじめ、ニュージーランドで13位、スイスで17位、豪州で23位、カナダで29位、アメリカで40位を記録している。(ちなみに、ゃよわゃと後半には日本でブレイクすることになるが、当時の日本では殆ど見向きもされなかった、ということであった。)
収録曲は以下の全13曲であるが、10曲目以降はオンリーの収録であった。但し、その部分の追加曲の内容は、現在で言うところの「ボーナス・トラック」らしい内容のものである。(リミックスなどの別バージョンである。)→同時リリースされたLPとカセット・テープでは9曲目までであったが、当時はCDへの移行期であった。CDを普及させるために、CDのみに追加曲を入れることで市場を変えようとしていた所でもありました。
収録曲は以下の通りである。『Breakout』『Twilight World (Superb, Superb Mix)』『After Hours』『Blue Mood』『Surrender』『Fooled By A Smile』『Communion』『It's Not Enough』『Theme From 'It's Better To Travel'』『Breakout (Nad Mix)』『Surrender (Stuff Gun Mix)』『Twilight World (Remix)』『Communion (Instrumental)』。
この中からシングル・カットされたのは5曲ということになる。(但し、3曲は本アルバムよりも先にリリースされているので、「シングル・カット」と言うと2曲と言っても良いですが...)1985年にリリースされたデビュー・シングルの『Blue Mood』はチャートインし無かったが、1986年に2nd.シングルとしてリリースされた『Breakout』はイギリスとニュージーランドで4位、アメリカとアイルランドで6位、豪州で12位などと言うように大ヒットを記録した。3rd.シングルの『Surrender』はアイルランドで3位、イギリスで7位、ニュージーランドで13位、オランダで15位を記録している。ここまでが本アルバムのリリース前にシングル曲として先にリリースされていて、それらのシングル曲をアルバムに収録している、と言っても良い。で、アルバム・リリース後に最初にシングル・カットされたのが『Twilight World』であるが、アイルランドとスペインで26位、アメリカで31位、イギリスで32位というように、チャート上では伸び悩んだ。その後にリリースされた『Fooled By A Smile』はスペインで23位、イギリスで43位というように、更に苦戦した。
お薦め曲は、彼らの代表曲である『Breakout』と『Surrender』、彼らの記念すべきデビュー曲である『Blue Mood』、シングル曲の『Twilight World (Superb, Superb Mix)』と『Fooled By A Smile』、そして『Communion』をピックアップしておく。
全体的に聴きやすいポップなサウンドであるが、ポップなサウンドとは少し雰囲気の異なるジャズのフレイバーがお洒落な雰囲気を醸し出している。'80's後半はワールド・ミュージックの台頭で、これまで異常に異ジャンルの音楽が融合した新しいサウンドが登場した時期でもある。ジャズはそれ以前にもポピュラー音楽との融合ということは行われていたのだが、お洒落なジャズというのは新鮮なものでもあった。
彼らは'90's中盤以降になると日本でも大きくブレイクすることになるだけに、彼らの1st.アルバムである本アルバムは聴いておくべきである。(ただ、彼らのサウンドというと、'90'sのものではなくてこちらなんですがね...)
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