STEELY DAN『CAN'T BUY A THRILL』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1972年に発表された彼らの1st.アルバムである。後の彼らは緻密な計算の元で構築された完璧なサウンドを聴かせることになるが、本アルバムはポップで親しみやすいサウンドのアルバムである。セールスも良く、チャート成績も好調であって、Billboardで最高位17位を記録し、1973年の年間アルバム・チャートでは16位にランクインするというように、ピーク順位よりも年間順位の方が高くなっているが、これはロングセラーになった証でもある。
収録曲は以下の全10曲である。『Do It Again』『Dirty Work』『Kings』『Midnight Cruiser』『Only A Fool Would Say That』『Reelin' In The Years』『Fire In The Hole』『Brooklyn (Owes The Charmer Under Me)』『Change Of The Guard』『Turn That Heartbeat Over Again』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。デビュー・シングルでもある『Do It Again』はBillboardで最高位6位を記録するヒットとなり、1973年の年間シングル・チャートでも73位にランクインしている。また、イギリスでも39位を記録している。2nd.シングルの『Reelin' In The Years』はBillboardで11位を記録していて、好調なデビューとなった。
お薦め曲は、ヒット・シングルである『Do It Again』と『Reelin' In The Years』、印象的なボーカルが魅力の『Dirty Work』、そして『Kings』と『Only A Fool Would Say That』をピックアップしておく。
後の彼らのサウンドとは少し毛色が違っているものの、ポップで聴きやすいサウンドというのは魅力がある。捨て曲がなく、聴きやすい曲が多いというのは、親しみを持てるところであって、デビュー・アルバムと言うことを考えたら、これはこれで良かったと言えますね。
また、本アルバムを語る場合は必ず言われるのがジャケットである。後の彼らのアルバム・ジャケットと比べると、確かに全く違った世界のものであるが、結果的に、後のサウンドとは毛色が違ったサウンドを聴くことが出来るアルバムであるため、これはこれで宜しいかと...
後の彼らの音楽キャリアを考えても、毛色の違うサウンドであるとは言っても、片鱗も見せているだけに、本アルバムは聴いておきたいアルバムの一つである。
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