SHRIEKBACK『OIL AND GOLD』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1985年に発表された彼らの3rd.アルバム(メジャー第2作)である。UKのポスト・パンク世代のバンドである彼らはUKインディーズでは大きなヒットを放ち、好調だったということでメジャーデビューをした。そしてメジャー第1作となる前作「JAM SCIENCE」(残念ながら、これはCD化されていない。)がイギリスでそれなりのヒットを記録し、シングル曲もダンス・チャートで名前を知らしめるヒットになった。それを受けての本作であるが、路線が変わったことで苦戦することになってしまった。(本アルバムはチャートインを記録しなかった。)しかし、次作では更にサウンドが変わって、その次がアメリカで少しだけ知られるようになるのだから、面白い所である。
収録曲は以下の全10曲である。『Malaria』『Everything That Rises Must Converge』『Fish Below The Ice』『This Big Hush』『Faded Flowers』『Nemesis』『Only Thing That Shines』『Health And Knowledge And Wealth And Power』『Hammerheads』『Coelocanth』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングルが『Nemesis』、2nd.シングルが『Fish Below The Ice』であったが、いずれもチャートインを記録しなかった。
お薦め曲としては、シングル曲の『Nemesis』、そして6分を超える曲である『This Big Hush』と『Hammerheads』をピックアップしておく。
本アルバムのサウンドは、「ポスト・パンク」ということでは全く問題無い「ニューロ・ロマンティック」を意識したものとなっている。ただ、これが'80's初頭(遅くても1983年まで)であれば、第二次ブリティッシュ・インヴェージョンの波に乗ってということもあったであろうが、1985年では「遅すぎた」という言葉が全てである。(ニュー・ロマンティックを生んだイギリスですら相手にされなかったのですから...)
インディーズ時代では活きの良さもあって、彼らならではの個性が輝いていたのだか、本アルバムで遅すぎた流行サウンドに舵を切ったことで、ここからは完全に時代を追いかけたサウンドになってしまって個性を失ってしまうことになってしまった。そういう意味で、時代をリードするものならばともかく、追いかけるようてせはダメと言うことを教えてくれるアルバムとして、頭の片隅にでも入れておいたらいいでしょう、というアルバムとして、耳を傾けておくということでよろしいかと...
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