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「A YEAR OF THE QUIET SUN」 [映画(洋画)]

表題の作品は1984年のポーランド、西ドイツ、アメリカの合作映画「太陽の年」である。(表題は英語でのタイトルであるが、ポーランド語での原題は「ROK SPOKOJNEGO STONCA」である。)ヴェネチア映画祭で金獅子賞を獲得している作品であって、戦後の荒廃したポーランドを舞台にしたメロドラマである。

作品データを記しておくと、時間は106分、監督と脚本はクシシュトフ・ザヌーシ、撮影はスワヴォミール・イジャック、音楽はヴォイチェフ・キラールである。そして出演は、マヤ・コモロフスカ、スコット・ウィルソン、ダニエル・ウェブ、ハンナ・スカザンカ、エヴァ・ダウコフスカ、ズビグニェフ・ザパズウィック、たちである。

時は1946年、第二次大戦が終結し、荒廃したポーランドの、ある小さな町。戦争で夫を亡くしたエミリアは、荒廃の中で足の悪い母を養うためにクッキーを作って何とか暮らしていた。そんな彼女は、ある日、戦争の後遺症に悩んでいるアメリカ兵のノーマンと出会う。言葉は通じないものの、2人は互いに惹かれ合う。しかし、2人が幸せに暮らすことは出来なかった。というのは、エミリアの夫は戦死したとされているものの、裁判所は死亡宣告をしていないことで、エミリアの再婚を認めなかったのだった。今は出来ないというエミリアに対して、ノーマンはいつまでも待つと誓う。その状態で歳月が流れ、エミリアの母も死んでしまう。遺品を整理していると、母はエミリアを出国させて幸せになれるように進めていたことを知った。で、エミリアは国を絶対に離れないと誓う。ノーマンはそんなエミリアと抱き合ってダンスを踊るのだった。

それから更に歳月が流れた1964年、ある修道院の老人ホーム。エミリアはすっかり白髪になっていた。今だに独り身でいた彼女は、院長に呼ばれ、アメリカに出発できるということを知らされた。喜びと戸惑いの中、彼女は荷物をまとめて出発する決心をした。が、荷物を持って部屋を出ようとした時、エミリアは突然倒れてしまった。そんな彼女の目には、アメリカの荒野からやってきたノーマンと、あの日踊ったダンスの光景が浮かびあがっていた...

戦後の混乱期には、本作のようにな「戦争未亡人」と呼ばれる女性がたくさん生まれ、死んだとされた夫が実は生きていて、戻って来た時に妻は再婚していたという混乱も多数生じていた。本作ではそれがポイントになって、悲劇のメロドラマになっているのだが、同じような話がたくさんあったということは容易に想到できるところである。つまり、自分の身に降りかかってもおかしくない物語でもある。

そういう物語に於いて、言い方は悪いがパッとした花を感じられないキャスティングで描いているという所は、身近な物語と言うことを感じさせてくれることに繋がっている。

時には本作のようなメロドラマで涙を流すというのも宜しいかと...

 

↓輸入版のビデオですが...

Year of Quiet Sun [VHS] [Import]

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  • 出版社/メーカー: Kino Video
  • メディア: VHS


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