STEVE WINWOOD『STEVE WINWOOD』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1977年に発表された彼の1st.ソロ・アルバムである。'60'sからいくつかのバンドで活動を続けていた彼は、'70's初頭にソロ・アルバムの製作に着手したが、結局ソロ・アルバムとはならず、当時在籍していたバンドのTRAFFICのアルバムとして完成することになった。それだけに、本アルバムは待ちわびた彼のソロ・アルバムということになった。ただ、アルバムはそこそこのセールスを記録したものの、シングル・ヒットが生まれることがなかったことから、今一つ評価は良くないが、本作での経験があって、多重録音による傑作アルバムに繋がっていくことになるのである。とズレにしても、彼のキャリアに於いても一つのターニング・ポイントになった初のソロ・アルバムであることにかわりはない。尚、本アルバムのチャート成績は、本国イギリスでは最高位12位を、アメリカではBillboardで最高位22位を記録している。
収録曲は以下の全6曲である。『Hold On』『Time Is Running Out』『Midland Maniac』『Vacant Chair』『Luck's In』『Let Me Make Something In Your Life』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングルが『Hold On』、2nd.シングルが『Time Is Running Out』であるが、いずれもが本国イギリスをはじめ、アメリカでもチャートインしなかった。
お薦め曲は、シングル・カットされている『Hold On』、それ以外からは『Midland Maniac』『Vacant Chair』『Let Me Make Something In Your Life』というところをピックアップしておく。
彼のアルバムは非常に凝った音作りというイメージがあるが、本アルバムだけは違っていて、バンドを中心とした形のアルバムである。つまり、'80's以降の彼のスタイルが確立する前であって、音楽活動を開始してからのスタイルのアルバムである。現在から振り返ると、特異なアルバムということになってしまうが、本アルバムがあるからこそ現在の彼がいるということも否定出来ない事実である。
いずれにしても、本アルバムは彼のキャリアでも節目のアルバムであるだけに、'80's以降の彼のサウンドとは毛色が違うものの、聴いておきたいアルバムである。
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