「喜劇之王」 [映画(洋画)]
表題の作品は1999年の香港映画「喜劇王」である。(英語でのタイトルは「KING OF COMEDY」である。)日本での劇場公開は2000年5月であった。尚、本作にジャッキー・チェンが出演しているが、これは彼の主演作「ゴージャス」と同時期に撮影されていた作品であり、かつ、製作現場が近かったということから実現したことであって、香港映画界のファミリー的な所を感じさせてくれるところでもある。作品の方は香港得意のコメディ作品であり、同時にヒロインの魅力を活かした作品でもある。(ヒロイン・セシリア・チャンのデビュー作でもある。)
作品データを記しておくと、時間は90分、監督はチャウ・シンチーとリー・リクチーの2人、脚本はチャウ・シンチーとエリカ・リーの2人、撮影はウォン・ウィンハン、美術はチョン・ウォクイン、音楽は日向大介である。そして出演は、チャウ・シンチー、セシリア・チャン、カレン・モク、ン・マンタ、ジャッキー・チェン、たちである。
演技の理論に関してはやたらと精通しているが、役者としてはエキストラとしても採用されないという冴えない役者のワン。しかし、そんなことは期にしないワンは、自分が管理人を務めている公民館の横に手作りの舞台を作って、公演をすることを考えた。しかし、誰もワンのことを相手にしなかった。そんな所に、ぶっきらぼうで客を取れない女子高生パブのホステス・ピュウピュウがワンの元にやってきた。で、ワンはピュウピュウにお客接待用の演技指導をするようになる。やがてワンとピュウピュウとは良い感じになっていく。そんな中、ワンのプロ根性がスター女優の目に留まり、ワンに大作の主演の話が舞い込んできたが...
香港得意のコメディ作品ということでは、数多くの作品のパロディが入っているということであって、面白おかしく笑わせるという作品ではなく、どれだけ元ネタが分かるのか、という映画知識を必要とする笑いの作品である。ただ、チャウ・シンチーの顔芸はそれなりに出てくるので、映画の知識が無くてもそれなりに笑える作品でもある。
ストーリー展開にはテンポの悪さが出ていて、すっきりした感じがしない所もあるのだが、映画制作の裏側が紹介されている所と、ヒロインのセシリア・チャンが魅力的であって、この点では見所の多い作品である。→色々と詰め込みすぎて、整理統合が不十分だったということになるが、ヒロインに魅力があるから、まあ宜しいかと...
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